過激フェミニストとアベガーの残念すぎる共通点と「なりたくなかったあれ」騒動

(前略)「なりたくなかったあれ」騒動とでもいうべきもめごとが起きた。きっかけはTBS報道局・川畑恵美子記者が「note」に書いたこんな文章だ。

「社歴は20年を超えた。スーツを着れば、圧がかかる。何気ない一言にも、後輩にびくっとされる。そんな私がジェンダーを語ったら、バリバリのフェミニストに見えるだろう、少なくとも会社では。ああ、ついに私もそうなったか。なりたくなかったあれに。いやいや、ちょっと違うんです、違うんだなー。そもそもこれまでの『フェミニスト』って何?男社会に対し、異を唱え、論破して、傷ついても立ち直る人?とてもじゃないけど、私はそうはなれない。体力も、気力も持たない。私がなりたいのは、男社会のテレビ局の報道フロアの中にあって、男性目線のニュースばっかり出していたら、本当にダサいし、視聴者から離れていくから『ニュースの幅を広げましょう』『多様なニュースを出していきましょう』と呼びかける存在。その存在にまだ名前はついていないんだけど」

(前略)これに対し「バリバリのフェミニスト」が噛みついた。たとえば、十代女性のシェアハウス支援で知られる仁藤夢乃は「おやじ化した保身おばさんによる攻撃」だとして批判。賛同する人もちらほらいて、結局、川畑記者は前述の文章を削除し、謝罪することとなる。

(前略)「バリバリのフェミニスト」はちょくちょく目を覆いたくなるような言動をする。最近も、女性のためのセックスグッズショップを主宰する北原みのりが「週刊朝日」のコラムでこんな政権批判をしていた。

「体調崩して退陣しても、下痢の安倍、くらいの印象しか残さなかった彼の恥はどれほどのものだったろう。あの時に安倍さんは、絶対に戻って憲法変えてやる、絶対にメディアを飼いならしてやる、と決意したのではないか。コンプレックスの強い人間に、恥をかかせすぎてはいけない。恥の感情が悪質なものを生む。恥から生まれた恥太郎、それが私たちの国のトップの正体だ」

安倍晋三首相を貶めたいがために、潰瘍性大腸炎という持病を持ち出し、下品な言葉で揶揄しても平気なこの感覚。こちらのほうがよっぽど恥ずかしいのではないか。

ちなみに、何かにつけて安倍が悪い安倍が悪いと言い立てる人は「アベガー」と呼ばれるが「フェミニスト」と層が重なっていたりもする。自分が不遇なのは世の中のせいだという被害者意識が強く、男たちや首相を叩けば気が晴れるからだろう。

(前略)ネットのインタビューで元女子アナの小島慶子がセクハラについて語っていた。彼女は最近、バラエティ番組の収録などで「セクハラポリス」をやっているそうで、タレントたちの気になる言動を見たら注意して、反省させるらしい。自分で「ポリス」と言うところにも勘違いを感じるが、聞き捨てならないのはこの発言だ。

(前略)最近、行政と萌え絵のコラボ事業などが批判されることが増えたが、それもこうしたニセポリスたちの仕業だ。

厄介なのは、そのスタンスがエスカレートしがちなこと。ハイヒールなどの着用義務に抗議する運動で世に出た石川優実は最近こんなことを言っている。

「私は特にこの1年、Twitterで『怒る練習』をしてきました。(略)私は『これには怒らなければいけない』と思ったツイートに対して、大げさに語気を強くして怒ります。自分が普段日常で使う言葉の、10倍は強くしていると思います」

本人いわく「怒ることに慣れていない」「差別的な発言に対して反射的に反論することができない」という自己分析からの「練習」らしい。ただ、批判者としょっちゅうトラブっているところを見るともう、成果は上がりすぎている印象だ。

一方「アベガー」はというと、芸人や作家などの参加が増えている。前者ではウーマンラッシュアワー村本や松尾貴史、ラサール石井、立川雲水といったところが知られ、後者には島田雅彦、平野啓一郎、中沢けい、乃南アサらがいる。

このうち、前出・北原以上の下品さで首相の持病を揶揄したのが立川だ。引用がためらわれるほどの内容で、削除し、謝罪したが、兄弟子の立川志らくまでとばっちりを食った。似たことを言っていた過去を掘り起こされ「私も昔総理のお腹の事を揶揄したことがある。当時は難病だとは知らなかった」と言い訳をするハメに。

かと思えば、島田は作家らしく、辞書をもじってこんなツイートをした。

「あべしんぞう【安倍晋三】:恥知らずで、支離滅裂で、知性も良心も欠落していて、漢字が読めない、子供の教育には不適切な人物のこと」

本人はしたり顔かもしれないが、こんなリプをつけられていた。「それは子供の『お前の母ちゃん、デベソ』のレベルですよ」。(後略)

こうしたアベガーのつらいところは、笑いのセンスや文才があまり感じられないと、芸人のくせにとか作家のくせにとかすぐに言われてしまうことだ。本業に専念して、売れている同業者にしてみればまさに「なりたくなかったあれ」だろう。

フェミニストにしても、またしかり。世界におけるジェンダーギャップ順位の低さとやらを錦の御旗のように振りかざし、その順位を上げるためには国会議員の男女比率を半々にすべき、などと主張しているが、蓮舫や辻元清美を見て、自分もああなりたいと憧れる女性がどれほどいるだろうか。(後略)

もちろん、なりたい人がなる自由は保証されている。そのうえで、男と女、LGBT、つまりは人それぞれに合った生き方がわりとできるようになっているのが、今の日本だ。

(前略)自分が不遇なのは世の中のせいだという被害者意識から「フェミニスト」や「アベガー」になったりもする。それも個人の自由だが、たとえば「なりたくなかったあれ」と呼ばれたときに謝罪までさせるのはやりすぎというものだ。

要は、なりたくない人にはならないという「他人の自由」を認め合うゆるさ。(後略)

#フェミニスト #アベガー








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