見出し画像

ちくわちゃんとFantastic90

これは私がちくわちゃん(川本空ちゃん)と出会ってから彼女の夢を叶えるために過ごした90日間の記録である。

1.鼓動


川本空ちゃん

最初に川本空ちゃんが所属する『タイトル未定』について簡単に紹介をしておくと『タイトル未定』とは2020年4月に結成された「何者でもない今を大切に。」をコンセプトに札幌を拠点に活動する4人組(2022年8月15日現在)アイドルグループである。
普段は北海道を中心に活動をしているが他地域への遠征も積極的に行っており自分は2021年度5月2日に新宿LOFTで初めてライブを見て以来、タイミングが合う際には定期的に現場へ通っていました。

タイトル未定

私が川本空ちゃんと出会ったのは2022年5月7日に大塚Hearts+で開催された「ギュウ農フェス Rebuild 2022-2023 黄金週間 金の部」でした。
その日はタイトル未定の新体制東京初お披露目の場でもあった(※横浜では4月30日の「ササキフェス」で現体制の関東初ライブを行っている)

このライブ前の時点では前体制に魅せられていたこともあり新加入の子についての情報は意図的にシャットアウトしていました。
また、卒業が発表されていた七瀬のぞみさんは人気もあり魅力的なアイドルだったので「デビューから1週間……代わりに新加入する子は大変だろうなぁ」という期待と不安が半々の複雑な感情を開演までの待ち時間にぼんやり考えていたのを思い出します。

当日は運良く最前の下1(下手1番バミ前)で見ていたのですが川本空ちゃんが自分の眼の前に立った瞬間の衝撃は一生忘れないと思います。
清純派を名乗るアイドルは星の数ほどいるけども純粋無垢みたいなオーラ―を纏ったアイドルってそうはいないんですよね。
でもそれが目の前にいたんです。
たぶん金色の野に降り立った青き衣を纏った大ババ様みたいな顔をしていたと思います。

大ババさま

そして度肝を抜かれたのは『灯火』でした。
この曲はラップパートから始まるんですが1番は(卒業する)七瀬のぞみさんが担当していて彼女の魅力的な歌唱と相まってオリジナルな世界観が構成されていたんですね。今回、七瀬のぞみさんが抜けたということは新メンバーである川本空ちゃんが担当する公算が高い。
実のところ自分も「見た目は可愛いけど果たして歌唱と表現力はどんなものかな?お手並み拝見だわい」と意地の悪いオタク思考をしていました。

はぁ。そんな思考をしていた己を恥じます。
川本空は私の予想を大きく超えていきなり灯火を自分のものにしていたんですよね。
七瀬のぞみの"それ"とは異なる川本空ワールドがそこにあり、そしてこの瞬間から自分は完全に川本空というアイドルの虜になっていました。
また、こんなことを言うのも妄想全開でおこがましいのですがこのライブ中に自分は川本空ちゃんと1対1の空間と時間があったかのように錯覚してしまったんです。
川本空ちゃんからレスを貰ったことがある人は分かると思うんですけど彼女のレスってよくあるオタクを釣るためだけの義理レスじゃなくて楽しそうにしているファンを確認する所作なんですよね。
その曇り無き眼で視線を逸らさずじっと見てくるから本当に浄化されたかのような感覚になってしまう。
たぶん自分は灯火の歌詞の良さもあり少し泣いていたと思う。ナウシカに出てくる大ババさまのように(しつこい)

タイトル未定で一番好きな曲が『灯火』です

ライブ終了後、気が付けば川本空ちゃんのチェキを買っていました。
デビューしたばかりで特典会列に並ぶオタクも東京ではほとんどおらず、ましてや複数回チェキを撮るオタクが珍しかったのかループする自分のことを見てすごく喜んでくれたことを覚えています。
彼女と他愛のない会話をする中で「こんな魅力的な子に対して何か自分が出来ることをしてあげたい!」という気持ちが強くなり「何か夢とか目標とかアイドルとしてやりたい事とかある?」と質問をしていました。

「そうですね~やっぱりTIFのメインステージに立ちたいです!」

この日から自分と川本空の最高の90日間が始まった。


2.道標


5月22日 リーディングエクストロメ福島
空ちゃんがアーニャの声真似ができるようになったと聞き(前日に行くことを決めた)福島遠征当日は朝3時に起床しアニメ『SPY×FAMILY』を視聴。
結局、空ちゃんは『SPY×FAMILY』を観てなかったんですけどね……

この日は朝から夜まで1日中休む暇がないほど良いグループ、良いライブばかりだったのですが何人もの知り合いから「タイトル未定めちゃくちゃ良いですね!」って言って貰えたのが嬉しかったです。

空ちゃん直筆のアーニャ

6月11日 SANDAL TELEPHONE presents "Favorite!! vol.11"
自分にとって大切な"思い出の地"恵比寿クレアートでタイトル未定と空ちゃんが見れて嬉しかったなあ。

6月11日 タイトル未定 Acoustic Tour「mitei music」

アコースティックライブなんて何年ぶりだったんだろう。
ライブ序盤は扇風機の風が強すぎてしれって送風先をずらすお茶目な空ちゃんが見れたり『ガンバレワタシ』で感情が入って思わず泣き出してしまうエモい空ちゃんが見れたり……空ちゃんの色んな表情が見れた素敵なライブでした。目の前で見た空ちゃんの涙は本当に綺麗だったし見た人間の胸をうつ素敵な雫でした。

6月12日 前人未踏ツアー 東京
あまりにライブが良すぎてメンバー全員とチェキ撮って特典会最後まで残っちゃった。
この日はいつもの下手じゃなくて上手で観たんですがちゃんと見つけてくれて嬉しかった。

6月13日 エクストロメpresents.衛星とカラテア1st Full Album『ここで見た夢の話』Release Party

3日連続のタイトル未定。
同一グループを3日連続観るのはDevil Anthem.以来2組目。
同一アイドルと3日連続チェキを撮るのは水野瞳(Devil Anthem.)さん以来2人目。
主現場のデビアン。4年以上推している大切な推しメン。
それぐらいタイトル未定と川本空に魅了されていた自分がいた。

推しメンの水野瞳さん



6月18日 TIF2022メインステージ争奪LIVE 前哨戦 2部

この日はお昼に行ったLeo-wonderの主催ライブ特典会でNELNのKARINちゃんからメインステージ争奪戦の(タイトル未定の)状況を訊かれて「うーん。他グループと差はないけど厳しいかもしれない」って答えた記憶があります。実際に東京のオタクネットワークの間ではリンワンが確定で未定は実力があるけど遠征のデメリットを考慮するとシチュ優勢というのが大方の予想でした。
KARINちゃんの「昨日さ。なぎがタイトル未定さんを応援するツイートを見たよ。ちょっと感動しちゃった。決勝行けるよ良いね!」という一言が凄く優しかった。相変わらず良い子だ。

NELNのKARINちゃん

ライブは出場した4組(4864.、Ringwanderung、situasion)がそれぞれの持ち味を生かしたパフォーマンスを行いフロアを何とも言えない独特の熱量が包んでいました。
その中でもタイトル未定は1曲目の『主題歌』で盛り上げつつ2曲目の『灯火』3曲目の『溺れる』で緩急をつけ楽曲の幅広さや歌唱力、ダンスの実力をアピールし仕上げと言わんばかりにアレンジ版の『鼓動』をラストの繰り出すなど圧巻のステージでした。
ライブ終了後投票を終えて熱も冷めやらぬフロアでぼーっと待機していた時にふと2階を見ると川本空ちゃんと谷乃愛さんが立っていたんですね。
自分を見つけて無邪気な笑顔でこっちに手を振る川本空ちゃんを見てまだ予選の結果も出ていないのにも関わらず改めて「メインステージに連れて行ってあげたいなあ」という想いが込み上げてきたのを覚えています。
そして結果発表。
総合は1位は戦前の予想通りRingwanderungだったのですがタイトル未定も配信1位会場2位総合2位で無事メインステージ進出を決めたのでした。
その日の夜、Talkportで話した空ちゃんは驚くほどケロッとした表情と喋りをしていてむしろこっちの方が安堵しました。

6月19日 北海道のアイドルによる東京単独公演 TIFメイン争奪感謝篇

川本空ちゃんがTwitterで東京のオススメスポットを募集していたので「平将門の首塚」ってリプしたことを未だに少し後悔しています。

7月3日 超NATSUZOME2022

ライブに特典会に釣り堀!どれも楽しい思い出です。
この時から『夏のオレンジ』がTIFへ向けて"夏曲"として化け始めたと思っています。
釣り堀の空ちゃんは最初は四苦八苦していて珍しく負けず嫌いが表情に出てたのが印象的でした(この時の反省からかTIFの釣り堀りでは10秒で金魚を釣り上げ最終的には4匹同時に釣りをしていました)

そして、
ライブ後に楽屋へ戻る時、
空き時間に屋台を堪能している時、
いわゆるオフの時に偶然に見つけて声をかけると恥ずかしそうに顔を赤くしていて可愛かったのも夏の良い思い出ですね。

夏の夕暮れに色々な川本空ちゃんの表情が見れた素敵なフェスでした。

休憩時間中は本当にこの格好だった

7月15日 『ALTERNATIVE SOLUTION』#7

なぜかタイトル未定が代官山UNITでライブをすると雨が降る。

7月16日 タイトル未定 × THE ORCHESTRA TOKYO 「SHAKE THE SOUL」

タイトル未定の特典会へ来た人は知っていると思うのですが川本空ちゃんはオタクの情報が書き込んである「空ノート」というものを持ち歩いていて特典会前に予習したりメモを書き込んだりしています。
その表情は真剣そのもの。
「なぎさんのことも書いてありますよ♪」ってニコニコしながら教えてくれた時は嬉しかったなあ。

7月23日 タイトル未定前人未到ツアー大阪公演

遠征嫌い・夜行バス嫌いの自分がその悪条件すら気にしないで大阪へ向かっていました。

この日から発売された本人のアクリルスタンドを持っていた時に喜ぶさま。
写メをお願いした時に恥ずかしがるさま。心からの反応を示すことが出来るのがこの子の魅力だと思います。

冒頭にも触れたとおりタイトル未定は札幌(北海道)を拠点とするアイドルです。
オタクは現場へ行ける回数と比例してモチベーションが上がる生き物なのでタイトル未定は地方(この場合は札幌以外)のオタクのモチベの施策として遠征以外に毎週木曜の定期公演を行っているのが特徴です。
「え?定期公演ってことは札幌でやるんじゃないの?地方のオタクは関係ないじゃん」って思うかもしれないがこの定期公演はYouTubeでの無料オンライン配信と毎週コンセプトを変えたオンラインチェキ販売を行っており現場に行けなくても同じ時間軸を体験しているような気持ちにさせてくれるのがウリです。
またオンラインチェキは3枚同一メンバーを同時購入するとデコレーションと裏面メッセージがつくので非常に嬉しくまたタイトル未定のライブへ行きたくなるという仕組になっており自分も随分と助けられました。
以下、オンラインチェキ空ちゃんです。


3.灯火


そしてその日が来た。

8月6日 TIF2022初日

タイトル未定のTIF初ステージはDREAM STAGEでした。
立ち上がりこそ前日の疲れや緊張をメンバーから感じたものの終わってみればフレッシュさと確かな実力を発揮した良いライブでした。
残念ながら決勝戦は落選し当日入場に賭けたものストップされ断念したものの結果を聞いた時はホッとしたというのが素直な感想でした。
タイトル未定の勝利は決勝前の釣り堀での空ちゃんのリラックスした表情を見て確信していたものの知り合いから速報を聞いた時は「空ちゃんやったな!」と熱い気持ちが込み上げてきたのを覚えています。

打ち上げで知り合いと飲みながらタイトル未定のメインステージ獲得を喜びつつ、あと2日で空ちゃんと約束した夢の終わりが来てしまうことに(自分で決めたこととはいえ)何とも言えない寂しさを感じ帰宅してからも痛飲をしてしまう弱い自分がいました。

8月7日 TIF2日目にお昼まで参加してからダッシュしてソドム in club asia(渋谷)へ。
何とかタイトル未定の出番(4組中ラストの出演だった)には間に合ったものの当然のごとくフロアの一番後ろで観覧。
この日は1曲1曲で泣けてしまってちゃんと見れませんでした。
そして無意識に推しジャンをしていたらしく特典会の時にゲーム部で優勝したことよりも「見えてましたよ。ジャンプ嬉しかったです!」って言ってくれて気持ちがいっぱいになってしまいフロアに知り合いもいっぱいいて声をかけて貰ったけど感情が溢れてしまいもうこれ以上その場にいられなくて外に出ました。
いつどこでもどの場所にいても見つけてくれる空ちゃん最後の最後までこんな目立たない小さな自分を見つけてくれてありがとう。

8月7日 TIF3日目
HOTもENJOYもSKYも良かった。
そう。
良すぎて全部泣いちゃうし記憶が全然ないんですよね。
HOTでまた無意識に推しジャンをしたらしくBONDSに注意されたことですら夢の中の1コマみたいに現実感がない。
でも強く覚えていることが1つだけあるんです。
いつだって自分の視線の前にいたのは川本空というアイドルだったということを。

以上が私と川本空ちゃんが出会ってから彼女とタイトル未定がTIFのメインステージを勝ち取るまでの90日間の物語である。

この物語はここでいったん終わり。

灯火 日々照らす この道
灯火 導いてくれる 君
一度きりの人生 思いきり 前に進むから
迷ったりしたら また照らしてね 一緒に
笑ったり泣いたりよろしくね ずっと


今日が素晴らしい今日だ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?