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わかれました

一方的に。わたしから。

わかれたというか、逃げたんだとおもう。

彼女からたくさんの優しさをもらい、愛情をもらって数ヶ月。

温かい家庭を初めて体験した。

これがきっと幸せなんだろうなって思える、ホントにかけがえのない時間だった。

でもわたしの中の悪いモノが日に日に溜まっていっていることに、気付き始めたのがここ最近のこと。

なんのきっかけがあったわけでもないけど、突然

「あぁむりだ」

って思った。

優しくされればされるほど自分の異常さに気付いて、それを治そうとすればするほど世間とのズレが大きいことに気付いて、そこを埋めて世の中の普通に合わせることはもう無理なんじゃないかなって思ったって感じ。

優しくされてもわたしは優しくできなくて、看病すらまともにできなくて、そうやって相手を思って自分を変えることがしんどくなったというか。

わたしのことで相手が悩んだりするのも見てられなくて、わたしが悩むこともしんどくなって、それならいっそ、ゴミのように扱われてるほうがみんな平和だしわたしも悩まないなって思って。

これまでずっと、邪魔者で都合良く使われて生きてきたわたし。

親の指示で知らない人の相手をし、家の中でも学校でも迷惑かけないように息を殺し、存在を薄め、いじめられても歯向かうことなく、元カレからの暴力にも耐えてきた。

そんな人生の中で、彼女と過ごした期間はホントに異質で実感のないものだった。

優しさや温もりが心地良くて幸せで。

こんな世界があるんだって教えてくれた。

でもわたしにはこのキレイな水は毒だったみたい。

耐えられなかった。


わたしはそんなに優しくされる価値がない人間なんだよ?

もっとゴミのように扱っていいんだよ?

わたしのために時間を使うなんてもったいないことはやめて?


こんな思いがずっとこびりついて離れなかった。

やっぱりどこかで信じられないんだと思う。

わたしは価値のない人間だという事実をなぜわかってもらえないのか、理解できないんだと思う。

わたしは殴りたい時に殴れて、抱きたい時に抱ける、そんなゴミのような存在でいることが、きっと落ち着くんだと思う。

それで初めて自分の価値を認められる。

そうじゃないよって教えてもらった。

その時は納得できてもなぜかそれが、時間が経つとだんだん薄れてゴミのわたしに戻ろうとする。

こうした伸び縮みを繰り返しながら、普通になろうともがいたけど、それがこのお盆。

彼女が実家に帰省して1人になったタイミングで限界を迎えた。

彼女から一緒に実家行こうって言われたけど、怖くて断ったから、1人でいろいろ考える時間ができて、改めて自分の限界を知った感じかな。

気付いたんです。

わたしはキレイな水じゃ生きられないんだなってことに。


だから感謝の言葉と別れの言葉をLINEで送って、荷物をまとめて家を出た。

それからネットやその辺の人に声を掛けて、わたしを対価に寝る場所や充電やご飯を確保する生活が始まった初日。

隣で寝息を立てる名前も知らん人の家の布団で、このnoteを書いている。

涙は止まらない。

でもこの涙の理由は、わからないままだ。

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