日記:本能と反論と人間と 2022/10/26

人間は基本的に、反論をしたい生き物なんじゃないかと思う。

別に自分が厄介な人に絡まれたとかじゃないが、Twitterを見ててなんとなく思った。

自分と意見の違うものに対して反論したくなる、というのは結構多くの人に当てはまる本能の気がする。
コミュニケーションという人間の能力を育む上でも、自分を守るためでも、あらゆる場面で必要になるのが反論の力だ。
本能レベルだと考えても、不思議ではないと思う。

単に異論を認められないと言い換えてしまうと、頑固だとか無知だとかいうイメージになってしまうけれど、
この「反論」には異物に対する抵抗感だけじゃなく、
未知のものへの好奇心とか、相手の気持ちを理解したいとか、
少なからず、知識や関わりに対する飢えのようなものが潜んでいる感じがする。

ただ、日常会話やSNS上のコミュニケーションにおいて、反論することはたいていあまり得がない。
みんな好きに話しているだけだから。
好きに話したいだけのことを、突然知らんやつが口を挟むのは、道端で歩いていて突然ぶつかってくるのと同じくらいの暴力性がある。
相手が明示的に議論を望んでいるとか、事実誤認を起こしているとか、実害を及ぼすレベルで倫理的に外れているとかでなければ、反論したところでいい結果はまず生まない。

本能レベルである「反論したい欲」をどれほど抑え込めるかによって、対人関係の円滑さはかなり違ってくると思っている。
話し上手は聞き上手、とか、日常会話は議論ではない、と言われるのはそういうところだろう。

人間は反論したい生き物で、だからこそ話を聞いてくれる人を好きになるんではなかろうか。
そしてまた、たまに議論をするのは健康に良い。
反論だけをぶつけるのは議論ではなく喧嘩だから、そこには要注意だけど。

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