囲碁と人狼の共通点①
「入門&ゲームを取り巻く環境編」
先日、渋谷の人狼ハウスへ初めて行ってきました。
そして、初心者卓と言われるテーブルでプレイ初体験。
囲碁の人達と人狼はよくやっているのですが、囲碁と関係のないところへ出たのは初めてです。
イメージを囲碁で例えると、我々の人狼は、同じ時期に始めたメンバーで月に一度くらい集まって、9路盤を使って、皆でワイワイ楽しくやってる感じ。
対する人狼ハウスはまだ経験は浅いながらも、各自で囲碁クエストなどのアプリでバリバリと勉強しているような感じでした。
対戦の結果がどうなるかなど言うまでもありません。
実際のところ、ある程度の経験を積んだ人の言うことは何となくは分かっても、理解することは難しかったです。
しかも、リアルタイムで進んでいくのが人狼ゲームなので、もう訳が分からないことが積み重なっていき、最悪の状況です。
囲碁で例えると自分なりに9路盤で遊んでたけど、それなりに勉強した人と対局して嫌になるパターンですね。
それを別のゲームで実体験してきたということでしょう。
でも、これで良い経験をしたから囲碁指導の時は気を付けようというのは、囲碁の仕事をしている人間からは出てこない言葉だと思います。
今さらそんな言葉が出てくるようでは…という感じですね。
実際に人狼ハウスの初心者卓でも、進行役のゲームマスターが、進行状況を全く理解できていない自分にかなり気を使ってくれました。
経験者組に対して、「専門用語は使わずに初めての人でも理解できるような言葉でお願いします」などですね。
囲碁でいうと、アタリくらいは使ってもいいけれど、コスミとかスベリとかは使わないでほしいという感じでしょうか。
その忠告の直後は言葉が柔らかくなります。でも、プレイ側も仕事ではなくお客さんです。
自分がプレイを楽しむために来ているからまたすぐに同じような状況に戻ってしまいます。
これは当たり前のことだと思います。
囲碁の世界でよく言われる話で、碁会所へ新規の方が来た時に、常連さんがよく面倒をみてくれる碁会所は良いところだと。
それはもちろん理想なのですが、常連さんはスタッフではありません。常連さんの好意により成り立っており、当たり前の話ではないのです。
常連さんに、やりがいを持ってこのような好意をしてもらえる雰囲気作りを、お店側が工夫して演出できるかが腕の見せ所ですね。
でも、実はそうなる前に問題がありました。
初心者卓でもなんでもいいけれど、対戦する棋力が合っていない事です。
ミスマッチは実力が下の人間がつらい思いをします。
そんなつらい思いまでして、それをバネに頑張ろうという人間は10人に1人もいるかどうか…。
9割方の人には、負けても良い勝負だったなと思えるくらいの相手を用意するか、別で入門教室を用意するなどのケアが必要です。
囲碁でも同じ事が言えます。
と、ここまでは理想論を語っておきます。
ここからは現実の話をしましょう。
ボランティアならいざ知らず、ビジネス的な観点から言うと入門者を対応するのはコストパフォーマンス的には優れていません。
サービス重視で手がかかる割には、経験者向けと一緒くらいの対価しか得られないからです。下手すれば初回割引などで、同じ対価すら得られないことも多いでしょう。
でも、だからと言っておろそかにしてはいけません。
新規の入門者がいないと、その業界はいずれ衰退の道しか残されていないからです。
入門者向けの種まきも必須というよりも、最重要課題でそれが全ての始まりでしょう。
入門は労力には見合わないけれど、最重要課題。
ここのジレンマは囲碁にも人狼にも共通することかと思います。
ではどんな対策をするか。
現状の囲碁界でこれといった対策はしていないように思えます。
苦労しているのは、他の世界も同じなのではないでしょうか。
自分的には人狼や囲碁以外の業界とコラボしたりと、画策はしています。
現在はこれといった戦果はありませんが、現在進行形で新規プロジェクトも進行させています。
このあたりの話はまた別の機会に話すとしましょう。