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吹奏楽の標準編成 その2

 1970年(昭和45)の吹奏楽コンクールには、外国で出版されていたオラトリオ「サムソン」序曲*1と「音楽祭のプレリュード」*2が東亜音楽社から出版され課題曲となりました。なお、この年度以降に外国出版譜が課題曲となることはありませんが、1978年(昭和53)大会には、R.ジェイガー*3とW.F.マクベス *4への委嘱作品が課題曲となりました。

1970年課題曲

 「サムソン序曲」と「音楽祭のプレリュード」では、「コルネット」譜が、そして「ユーフォニアムEuphonium」の代わりに高音部記号と低音部記号の「バリトンBaritone」譜が用意されています。また、「音楽祭のプレリュード」には、「E♭コントラバスクラリネット」と「B♭コントラバスクラリネット」パート、そして「コルネット」2パート・「トランペット」3パートあるなど、同じ年度の課題曲でありながら編成の統一がなされていませんし、この年度以降の編成と異なる点が多くなっています。
 なお、1966年(昭和41)から1969年(昭和44)の4年間は、邦人作品のみが課題曲となりましたが、編成はそれぞれの作曲者の考えにまかされていたように思われます。

 ちなみに、1970年(昭和45)は筆者が中学校に入学した年で、「サムソン序曲」と「ローエングリン抜粋(ワーグナー)」をコンクールで2ndトロンボーンを担当しました。

北九州響南中学 田畑俊彦 指揮「サムソン序曲」
秋田花輪高校 佐藤修一 指揮 「音楽祭のプレリュード」

*1 Overture to the Oratorio Samson (Georg Friedrich Händel Arr. Paul W. Whear)
*2 A Festival Prelude (Alfred Reed)
*3 「シンフォニア・ノビリッシマ」等で知られるR.JagerのJubilate(ジュビラーテ)、現在はSouthern Musicから入手可能
*4 「マスク」等で知られるW.F.McbethのCanto(カント)、現在は Southern Musicから入手可能

                        writer Hiraide Hisashi


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