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市長就任から39週。予算編成の背景など。

みなさまこんばんは。日置市長の永山です。

就任から39週が経過しました。

新型コロナウイルス感染症については、市内での2週にわたっての児童施設におけるクラスター発生を重く受け止め、現在、県の保健所と連携して全児童施設に対する改めての感染症対策チェックリストの更新にあたっています。週明けには、再度すべての児童施設に対して感染対策の強化をお願いしてまいります。

また、昨日から防災行政無線での呼びかけについても、再度工夫するよう指示し、早速、より踏み込んだアナウンスに切り替えているところです。

そんな一週間、今週は、2月22日(火)の令和4年 日置市議会 第1回定例会に議案として提出した令和4年度予算案の編成について、改めてレポートします。

令和4年度当初予算案について

令和4年度の一般会計当初予算額は、 271億9,000万円となり、前年度と比較し26億4,100万円の増となっています。 これは、前年度の予算編成が骨格予算であったことに加え、これまで6月補正で予算化していた普通建設事業費等の国県補助事業を当初予算で予算化する年間予算編成としたことによります。

 詳細は、下記リンクから、「令和4年度 当初予算の概要」をご覧いただければと思います。

当初予算案作成にあたっての考え

◎市長として最初の予算編成。基本的な考え方。
厳しい財政状況に加え、新型コロナウイルスの拡大状況を踏まえた予算編成になりました。基本的には、令和4年度も引き続きコロナ禍での市政運営になるということと、重症化率の低下等を踏まえるとコロナ後に向けた戦略を動かすタイミングが迫っているということを考えて、各部局と予算編成を議論してきました。そのため、大きな投資を行うというよりは、民間人材の活用、DXの推進、ゼロカーボンに向けた戦略構築といった、主に人材面・戦略面での新規事業を当初予算案に織り込みました。

◎コロナ対策についての認識について
足下ではオミクロン株の拡大に伴うまん延防止等重点措置期間中であるということに鑑みて、まずはワクチン接種の加速に注力している状況です。当初予算という観点では、収束後に向けた商工業振興(プレミアム付き商品券事業)、特産品消費拡大事業(物産館等での販売促進事業)、高齢者の外出支援として入浴料金の一部助成など、既存施策の効果を見極めながら改善運用していくという形をとっています。

◎2名の民間人材を登用
令和4年度の重要事業の一つとして、農林水産部門、企画部門にそれぞれ民間企業の管理職経験者を登用し、「戦略監」というポストで市の抱える重要課題に取り組んでいただく予算案を計上しました。農林水産部門においては主要産業である農林水産事業のブランド化と高付加価値化を、企画部門においては令和4年度から本格的に推進する脱炭素戦略の推進を、それぞれ担当してもらいます。課長級のポストに2名の民間人材を登用することで、両者に担当していただく分野の課題解決はもちろんのこと、庁内の職員が民間感覚での仕事のスピード感や仕事の進め方に触れてもらうことも狙っています。これらはいずれも国の制度をうまく活用し、市の自主財源負担を可能な限り少なくすることもできました。

分野別の取り組みについて

◎産業面について
新商品開発や創業支援についてはこれまで同様取り組んでいきますが、令和4年度からは鹿児島県のよろず支援拠点と連携した相談会を開催し、中小企業の経営改善に向けて支援を行ってまいります。オリーブについては、オリーブ産業プロジェクトを継続しますが、生産量が一定の水準に伸びてきたことを踏まえ、改めてオリーブを活用した産業活性化に向けた戦略を練り直しているところです。民間人材「戦略監」にも協力をいただきながら、オリーブをより裾野の広い商材として活かしてまいります。

◎福祉面について
子育て支援においては、まずは子育てに関する担当課を新たに新設し、今後の保育ニーズに対する対応力を引き上げてまいります。コロナ下での生活支援としては、経済的に困窮した女性への支援として、引き続き生理の貧困支援事業に取り組みます。また高齢化社会への対応という点では、移動支援という観点で、公共交通乗り方説明会、コミュニティバスの路線再編とその説明会の実施、乗り合いタクシーの導入説明会など、ゼロ予算で取り組める事業も積極的に活用しながら、地域の移動支援に取り組みます。

◎教育面について
コロナ禍において、学級閉鎖が相次ぐなど、学びを継続するための課題が多く確認されています。これを受けて、小中学校教師・児童生徒用パソコン導入事業に継続して取り組みます。施設整備においては、小学校における1学級35人制に対応するため、伊集院小学校校舎の増築を年次的に進めます。生徒児童に安心安全な給食を提供するため、伊集院・東市来の学校給食センターの改修を実施します。チェスト小鶴ドームの人口芝張替え、ウレタン走路張替え工事を行います。

◎関係人口施策
日置市とつながりたい人達との関係性を構築する「関係人口」施策として令和3年度は「ひおきとプロジェクト」を立ち上げました。現在は市内複数の民間団体と連携して体験居住施設(おためし住宅)の整備を進めながら、情報発信を始めている段階です。現段階で、ホームページ等での関係人口登録者数は80名を超えたところですが、令和4年度はこの数を倍増させたいと考えています。これに合わせて、オンラインでの移住セミナーや空き家活用のオンラインイベントなどを実施し、関係性をより深いものとし、コロナ禍での地方回帰ニーズに対応した情報発信を進めてまいります。

財政状況についての認識

◎市の財政状況について
市の貯金にあたる「財政調整基金」残高は令和3年度末時点の32億円➡令和4年度末で27億円、その借金にあたる「市債」残高は令和3年度末時点の323億円➡令和4年度末で314億円となります。市債については、令和4年度で約9億円圧縮できる見込みですが、財政調整基金については、約5億円の減少を見込んだ予算案となります。公共施設の維持管理費負担が年々重くなるのに加え、投資的経費として令和4年・令和5年の2か年で南薩クリーンセンターへの設備投資が大きな負担となることから、引き続き財政は予断を許さない状況が続きます。

◎ふるさと納税の強化について
市町村が独自に確保できる数少ない財源の一つがふるさと納税です。日置市では令和3年度は12月末時点で13億7千万円の申込をいただいているところです。これまでは買い物の代替と位置付けられることの多かったふるさと納税について、2022年度は本来の地域を応援するという趣旨に立ち返った取り組みにも挑戦していきます。具体的には、ガバメントクラウドファンディング(プロジェクト支援型のふるさと納税)を本格的に稼働させる予定です。

◎ゼロ予算事業の推進
なお、今年度は初めてゼロ予算事業についても集約し、当初予算の概要に記載しました。ゼロ予算事業とは、既存の設備や人材を積極的に活用し、職員の知恵と工夫で市民にサービスを提供するものです。予算化した事業だけでなく、市が行う様々な事業を可能な限り効果的に行うために、ゼロ予算事業も含めた業務の全体像を共有しながら施策を推進してまいります。

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以上、令和4年度当初予算案について、全体感をお伝えしました。

今週は当初予算案の発表以外にも、県下一周駅伝大会、市町村長研修会などの大きなイベントもありました。いよいよ2月も終盤。今年度も終わりに近づいています。

年度末に向けて、慌ただしい日々となっていますが、一つ一つ大切に対応してまいります。

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永山レポートは、2021年5月29日の日置市長就任後、永山が毎週の動きや感じたことを広く皆様にお知らせするものです。

毎週金曜日の夕方に更新しておりますので、よろしければ今後もお付き合いいただけますと幸いです。

永山由高


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