【Vol.42 行動しない人が使うNGワードの改善法】
「できたことノート®」は、「できたこと」という経験から学び取り、次に活かしていこうとする思考ツールです。しかし、のべ1万2000人の行動データと内省文を分析した結果、経験からうまく学び取れていない人もいることがわかりました。
「心がける」「徹底する」「努力する」
これらは、実践できない行動計画に使われる言葉の代表例です。この後、事例で説明していくので、自分が(これ使ってるな)と思ったら、チェックしてみてください。
NGワード① 頭で考えることで、行動ではないもの
「心がける」「意識する」「考える」「検討する」
行動計画で、「実際の行動のように見えて、実は頭で考えること」を動詞に使っている場合があります。その場合、行動の実践度は下がります。
改良ポイントは、「具体的な行動を書く」ことです。
事例で学んでいきましょう。
「部下が相談しやすい職場づくりを意識する」
↓
「定例ミーティングミーティング時、部下から相談を聞き、その場でアドバイスをする」
上司の行動として良さそうですが、具体的な行動にするとこんな感じですよね。上司の思いは分かるけれども、頭で考えるだけでなく、タイミングや行動を書くことによって、より具体的になりました。
この「頭で考える動詞」を使っている場合は、具体的な行動に直してみてください。
NGワード② 何をするか曖昧で分からないもの
「徹底する」「管理する」「向上する」「育てる」「発展させる」
実際には、何をするのでしょうか?
これも事例で見てみましょう。
「プログラミングスキルを向上させる」
↓
「毎日100行のプログラムを書き、不具合がないかテストを行う」
これで、具体的な行動になっているかと思います。この「曖昧で何をするか分からない言葉」も改良が必要です。
NGワード③ 人や状況によって解釈がブレるもの
「努力する」「励む」「踏んばる」「理解する」
これも、何をどれぐらいするのが「努力する」ことなのか、「励む」ことなのか、人によって全く違いますよね。それらを具体的にしていく必要があります。
これも事例で見てみましょう。
「スタッフ全員が問題意識を持つように努力をする」
↓
「朝礼でスタッフ全員に前日のお客様の声を確認させ、問題点を伝える」
やろうとする方向性は分かります。でも、何をどれぐらいするかについては、人によって全然解釈がブレるので、このように変えたらどうでしょうか。
これによって、スタッフ全員が問題意識を持てるよう、より具体的な行動になっているかと思います。このように、「人によって解釈がブレるもの」「状況によってブレるもの」もNGワードですので、改良をしてみてください。
NGワードの改良点、共通ポイントは・・・
以上、NGワードの改善例を幾つか挙げましたが、共通ポイントは、「明確な行動を示す」ということです。
内省というのは、「ベストできたこと」を4つの要素で思考して、最後に「次なる行動」として新しい行動計画を見出すことです。そして、行動の実践度を上げるためには、より明確な行動を示すことが必要です。
さらに、「周りの人から見て行動を実践したかどうか分かるぐらい具体的か」「誰がやっても同じことを行うことになるか」、皆さんが書いた内省文の「次なる行動」に書いてある言葉をそのまま隣の人に渡しても、同じ行動を取ることになるか。これも大事になります。
このポイントも理解して、明確な「次なる行動」を書き、実践してください。
参照
「できたことノート」第5章 p.157
NGパターン4行動なし型
「科学的にラクして達成する技術」第2章point02 p.102
行動しない人が使うNGワードの改善法