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緊急事態17日目

気圧はそう悪くなさそうなのに起きるのが大変だった。どうも血行が悪い感じで、ランニングに十分な時間を当てられていないと関係があるようだ。ランニングを始める前はとにかく体が浮腫んでいて、あれはすべてにおいてかなり良くなかった。

ストレッチしてから風呂に入ってなんとか動ける程度まで回復した。今日もたくさんメールをする必要がある。メールをたくさん打ってるうちにメールは悪だ、という気がしてきたので発作的にゼミの学生向けにslackに入るよう連絡した。僕はslackは全然優れたツールだと思わないが「確認しました」「OKです」のようなコミュニケーションはこれがいちばんよい。

心配していた原稿も無事に納品されたようで何より。しかし、ここでのやり取りもslackの方がいいなと思い、メールが本当に嫌になった一日だった。一応言っておけば、メールも従来の手紙としての意味は、ある。ちゃんと時候の挨拶をして近況を知らせ、お伺いを立て、といったコミュニケーションは必要な場面もあるし美しいとも思う。私は悪筆なので、そういうコミュニケーションにとってメールは不可欠だ。ただし、いまのビジネスに要求されるスピード感にはまったく向いていない。👍でいいから即レスポンスを返せという時代なので。

夜はラタトゥイユとパン、フルーツサラダを食べた。◯曜日ビーガンみたいなのはしてもいいと前から思っていた。

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夜はリクールのSAの読書会。第七研究の終わりくらいのところ。アレントが出てくるが、アレントはどうやらかなり複雑な前提を用いてる人のようで、他人が結論だけ引用してるのを読んでもわからないことが多い。学生のとき誰かがアレントの話をするたびに「なぜアレントはこんなにギリシャに夢を見てるのだ?」と思ったことを覚えている。そのあと何年かして仲正さんの入門書がまさにその疑問から入っているのを見て驚いた。

そのあとは読書会メンバーのひとりと1時間ほどオンライン雑談。塾バイトのひとは色々大変そうだが、彼は器用なので上手くやれるだろう。僕は家庭教師はあるが、塾はやったことがない。家庭教師に行っていた中学生はそろそろ受験だと思うがどうしてるだろうか。慶應の文系に行きたいとか医学部に行きたいとか進路志望がどんどん変わるタイプだったが。

プランクワークアウトは先に進まず。これまでの課題をフォームを崩さずに確実にできるかチェックする。

寝る前に「はめふら」の漫画を読み直す。はめふらは、乙女ゲームおたくの主人公が、自分が不幸になるエンディングしかない乙女ゲームの悪役に生まれ変わってしまう話なのだが、色々と考えさせることの多い話である。主人公が転生するゲームはFORTUNE LOVERというのだが、これはかなり意図的に戯画化されたものであるように思われる。つまり、もし主人公がゲームの世界に転生していなかったら、はっきりいって凡作の域を出なかっただろうということだ。FORTUNE LOVERではプレイヤーの視点となるべきキャラはマリアといい、庶民の出身である彼女が魔法学園に入って王族や貴族の子弟である男性キャラのトラウマを癒していくという筋立てで進行するようだ。しかし、「はめふら」は主人公がマリアのライバルである悪役令嬢カタリナの身体にかなり幼少期から転生したせいで、そもそも男性キャラその他あらゆる人物にトラウマや葛藤、コンプレックスのようなものはそもそも生じないか、早期に解決してしまう。これは本来の主人公であるマリアの役目をカタリナが代わりにやっただけともとれるが、幼少期にコンプレックスが解消されるか青年期に解消されるかにはかなりの違いがある以上、そしてFORTUNE LOVERよりはめふら自体の方が明らかに面白い(であろう)以上、これはそもそも本来あるべきだったシナリオの否定なのである。つまり、FORTUNE LOVERなるゲームの創作者のシナリオを、それのファンだった自分が意図せず否定するような構造になっているのである。

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