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アジカンがいる世界はしあわせだ

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「Tour 2020 酔杯2 ~The Song of Apple ~ 公演収録ライブ」、初日の10月26日(月)に行ってきた。全国ツアーは中止になっちゃったけど、10月26日(月)~28(水)の3日間、観客を入れて公開収録ライブをやると聞きつけて、アジカンがリアルライブを再開するその場に立ち会いたかった。

新型コロナ禍で「どうしても失いたくない、守りたい、あきらめたくないものは何か」ということにきっとそれぞれが向き合っていると思うけれど、私にとってそれは「音楽」で、なかでも「リアルライブ」であることを痛感したし、そう決めた。

公開収録ライブの会場はアジカンのお膝元、横浜のKT Zepp Yokohama。アジカンは人気だから、ライブは抽選でなかなか当たらないこともあるけれど、この3日間の公開収録は一般発売もあったから、「まだライブは怖い」と思っているヒトも多いのかもしれない。

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アジカンを好きになったのは「君の街まで」、アルバムで言えば「ソルファ」から。単独ライブもNANO-MUGENもフェスでも、いろいろなところで見てきたけれど、いつも思うのは「アジカンがいて、いまの子どもたちはしあわせだ」ってことだ。

音も自分の好みドンピシャなんだけど(リズム隊がイケてて、ギターがご機嫌にわめいてて、ポップなギターバンド)、加えて、詩の力が強い。

アジカンの詩は青い。自分の面倒くささやテレを否定しない、逃げない。現実をまっすぐに見る。そして、必ず希望を鳴らしている。それが好きだ。

私は自分の感情を表すのが苦手だ。ヒトに見せることはめったにない。唯一、音楽が鳴っているときだけが、心のままにいられる時間だ。自分が中高生のころ、いまよりももっととっちらかって、言葉にならない感情が自分の中に渦巻いていたときに、アジカンがいたらどんなによかっただろう、どんなに救われただろう。曲を聞くたび、ライブに行くたびにそう思う。

私はアジカンのみんなより5歳ほど年上だけど、アジカンがいてよかった、同じ時代に生きててよかった。自分の人生で一緒に連れていけるバンドに出会えてしあわせだ。

公開収録ライブ初日、8割方、ぐずりっぱなしだった。しんみりしたわけじゃないし、声は出しちゃいけないけど笑ったり歌ったり(心の中でね)、立ち上がれないけど腕を振り上げたり真っ赤になるほど拍手したり、最高に楽しかったんだけど、ちょっとしたことで目が潤む。

ゴッチのちょっとグダグダだけどあったかいMC、建ちゃんの高い声と楽しそうにギターを弾く姿、ゴッチが「何があっても見ると安心する」山ちゃんの髪形、潔くんのマーチング出身らしくピッと背筋を伸ばしてドラムを叩く姿とポークカレー、みんなの笑顔、すべてがなつかしく、愛おしい。ゴッチを「殺しにかかってくる」から数年に1回、オリンピックの年にしか歌ってくれない「ワールドアパート」とか、結構レアな曲もやってくれた。

一緒に歌えない、騒げない、踊れない、声出して笑えない、「らっせーらっせー」言えないの、つらいよ。でも配信ライブに比べたらさ。配信ライブを否定はしないけれど(いろいろな事情で以前はライブを見られなかったヒトにも届くという利点もあるし)、でもゴッチが「これを一生続けてくのは正直厳しいなって思うくらいのものだったよ」って言うほどだよ。

一緒に歌えなくても、騒げなくても、踊れなくても、声出して笑えなくても、「らっせーらっせー」言えなくても、まだ完璧じゃないけれど、絶対に失いたくないものをちょっとだけ取り戻した気がした。

ゴッチも言ってたけど、この時代をなんとか生き抜こう。生きて、またどこかで会おう。何年かかったって、あきらめない。絶対取り戻す。

※この下にセットリスト挙げておくので、見たくない方はご注意ください~



set list on 26th Oct. 2020
1. センスレス
2. ワールドアパート
3. 夜のコール
4. Re: Re:
5. 惑星
6. 無限グライダー
7. 十二進法の夕景
8. ダイアローグ
9. マーチングバンド
10. 今を生きて
11. 解放区
encore
12. 触れたい 確かめたい
13. 君という花


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