「僕にギターを持たせるな」
思い立って6月にギターを買った。高校1年生から大学3年生頃までいくつかバンドやってたけど、その後は聞くの専門で、ギターを手にしたのはもう25年ぶりくらい。
ここ数年、やっぱりギター欲しいなあと思ってはいたのだけど、新型コロナ禍で在宅勤務になって、引きこもってYouTubeでだいすきなバンドのライブ映像見まくってたら音楽熱、弾きたい熱が高まった。世界中でみんな同じ気持ちになってる模様で、ギターが売れまくってる。フェンダーなんて史上最大の売り上げ数、2桁成長だぜベイベー🎸
最後のひと押しになったのは、6月に高校時代のボーイフレンドが病気で亡くなったことだ。
彼はサッカー部だったんだけど、高3のときの文化祭で有志でバンドやることになって(パートはギターとボーカル)、一気に仲良くなった。私はPAもやってたから、担当してたバンドにセットリストと演る曲をダビングしたテープを出してもらってたんだけど、彼のバンドが演った曲はどれもかっこよかった。中坊のときにいったん挫折したLed Zeppelinを改めて聞くようになったのも、T. RexやWhoを初めて聞いたのも、彼のバンドが演ったから。1曲目に演ったのがZeppelinの「Good Times Bad Times」でえらくかっこよくて、Zeppelinのなかでいちばん好きな曲になった。その後、私が洋楽漬けになったのは、思い起こせば彼の影響だ。
大学に入ってからは疎遠になってしまったけれど、彼には「あとは託した」と言われたことがあって、何を託されたかはわからないけれど、何か託された。訃報を聞いて、そのことを思い出した。
いまでも何を託されたのかはわからない。ただ、1つわかっているのは、彼と一緒に過ごした時間や思いを全部抱えて、彼を連れてこの先の人生を生きていくんだということ。だから、2人をつないだギターも、もっかいやらなきゃなあって。昔もいまもヘタっぴだけどね。
で、あこがれのレスポール買うて、また弾き始めたときに出会ったのがデルタロケッツだった。
「僕にギターを持たせるな」
この一節は、デルタロケッツのデビューアルバム「YARARERU」でいちばん好きなM1「トースト」から。もちろん反語というか、「持たせたら何やるかわかんねーぞ、覚悟しろ」ってことだけど、ちょうど再びギターを手にしたばかりの私に突き刺さった。メンバーの1人、キタガワギンさんが御年57歳にしてデビューというのにも、50を待たずに逝ってしまった彼のことを思うと、なおさらこみ上げるものがあった。
追い打ちをかけるように、10月6日には、私の最初のギターヒーローで、永遠のギターアイドル、Eddie Van Halenが逝ってしまった。
もうこの先、ギターを置くなんてあり得ない。ヘタっぴだってなんだって、ずっと連れていく。そう決めたんだ。
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