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私が今、VRChat内で運営しているコミュニティーについて

はじめに

私は今、「VRChat」というOculus QuestなどのVRゴーグルやパソコンから入れるVRゲーム(ゲームというよりは、VRを使ったSNSと言った方がイメージが湧きやすいかもしれません)の中で原則毎週1回、だいたいは日曜21時から、「ラジオ好き集まれ!集会」というイベントを開催しています。

参加者の中にはリアルの友人もいますが、多くはVRChat内で「初めまして」の方々。どこに住み、普段、何をやっているのかはほとんど知りません。
毎回のように参加していただいている常連の方々に加え、Twitterでの告知などを見てくださったご新規の方なども参加されるのですが、なんとなくお互いが見知った感じになり、徐々に「コミュニティー」っぽくなってきました。

ここのところ、日々の日常生活の中で接する友人たちとの会話の中で、このイベント(コミュニティー)の話をする機会も出てきました。
これまでもnoteでは、VRSNSを体験する中でのルポ的、エッセイ的な文章を載せてきたのですが、結構な本数になってきたので、「それをまとめて読んで!」とも言い難いところがあります(全体を読みたい方は、 #ラジオ好き集まれ集会 のハッシュタグからたどれば読めます)。
そこで、このコミュニティーの内容や始めたきっかけ、今後について、「この投稿だけを読めばだいたい分かる」という文章をまとめよう、と思ったのが、今回の投稿の狙いです。
若干長い文章となりますが、ご興味ある方はお付き合い願えれば幸いです。

何をやっているの?

「ラジオ好き集まれ!集会」という名前ですから、最初は、ラジオをよく聞く人たちが集まり、その週に聞いた番組の内容のことを中心に雑談する会を想定していました。
ただ、最近は会場に来ていただいた参加者の方々に「今週はいかがお過ごしでしたか?」と尋ねていき、ラジオに関する話題になればその内容を膨らませるし、それ以外の話題になってもその内容を掘り下げるし、という感じで、今やラジオにこだわらず、なんとなく雑談をする会となりました。

だいたいは1時間程度で終わりとし、最後にトップ写真のような記念撮影をして解散します。

どんな感じでやっているのか、を見ていただけるような動画を作ろうと思い、参加者の皆さんの許可を得て、YouTubeにアップしていますので、雰囲気は下記のリンクからご覧いただければ幸いです。

始めたきっかけは?

私は今年6月くらいから、本格的にVRChatを始めました。
参加者が日本人ユーザーだけのものに限っても毎日、いろんなイベントがVRChat内で開かれています。
私も当初はそうしたイベントに顔を出していたのですが、有名なイベントは大人数になります。
参加者の方とちょっとお話をして、お互いに「フレンド」となることを承認し合っても、同じイベントに行った際にまた話せるか、というと、大人数の中に埋もれて難しかったりします。
そんな中、継続的にじっくりと会話ができるような場が欲しいな、と思うようになり、「現状で無いならば、自分で作ろう。テーマがあった方が人が集まりやすいだろうから、ひとまず毎日自分が聞いているラジオをテーマにするのはどうだろうか」と思い、このイベントを始めました(その辺りの詳細を知りたい方がいらっしゃいましたら、以下のリンク先をご覧ください)。

現在の参加者の方々の中には、他の「参加者同士でじっくり語り合う会」的なイベントでご一緒した方々も少なくないので、VRChatの日本人ユーザーの中にはそのようなイベントを求めるニーズが一定程度あるのだろう、と思っています。

なお、VRChatを本格的に始めたそもそもの理由として、コロナ禍でZoomなどを通じたオンライン会議などが増えましたが、複数の人が話し出すと声が聞こえなくなるなど、リアルの会議と比べるとなんとなくの不自由感があり、「VR空間で会議をやれば、リアルと同じような、もしくはリアル以上の効率性を得られる可能性があるのではないか」と考えたことが一つありました。
実際、参加者同士はアバターとしてVR空間に存在するのでお互いのリアルな表情が分からないところはありますが、アバター同士で近づいてしゃべれば、その場にいる方向含めあたかも現実に近くにいるような感覚で話せるところがあり、ZoomよりもVRChatの方が正直、会話のストレスが少ないように感じています。

今後について

「ラジオ好き集まれ!集会」の今後については、基本的には今までのように、参加者の皆さんとゆるゆると雑談を楽しめる会を続けていければ、と考えています。
それだけで十分楽しいし、話し合う中で知らない情報を得たり、お互いの考え方を伝え合うことで勉強になったりすることも多いです。

私はVR空間、すなわち仮想現実については、リアルと対立するものではなく、仮想現実も含めて一つの「リアル」の世界として存在している、と考えています。
VRChatなどの仮想現実内で学んだことや、仮想現実内で知り合った人たちとの人間関係は、リアルの世界にも活きてくる部分がある、と考えているからです。

「ラジオ好き集まれ!集会」には現在、リアルの友人も参加している、ということを最初に書きましたが、VRに興味がある他の友人たちの参加も歓迎しますし、ある意味、リアルのソーシャルグラフと仮想現実のソーシャルグラフが交わって何か化学反応が起きるのも面白いのでは、と考えています。

VRSNSの世界は、みんなアバターを着て、声も変えられるので、リアルライフにおける年齢、性別、セクシュアリティー、人種、職業、出身、門地、障害の有無、学歴、職歴、宗教などの様々な差別から解放されて、中の人の「魂」だけで他者との交流ができる素晴らしい世界だ、と言えるところもあります(もっとも、だんだんと気づいてきたのですが、一方でそこでは、「何かできる人が偉い」みたいになりがちで、美しいアバターを作れる技能があるとか、自分の主催するコミュニティーに多数の人を集められるとか、が一つの価値基準になる傾向もあるはあります。そういう人が「私は分かっている」みたいに上から目線になり、「できない人たち」を「差別」するという、車輪の再発明ならぬ「差別の再発明」が生まれる構図が昨今、私が気掛かりになっているところではあります)。

コロナの問題もあって、なんとなく生きづらさが増してきているような空気感がリアルライフにはある中、こうした「中の人の『魂』だけで他者と交流できる世界」を通じて、リアルライフの中で活かせる、何かヒントのようなものをつかめる可能性もあるかもしれません。

おわりに

今回は、「ラジオ好き集まれ!集会」と名付けて私がVRChat内で開催しているイベントを通じて形成されつつあるコミュニティーについて紹介しましたが、「あ、こういうコミュニティーの作り方があるんだ」と知ったことをきっかけに、リアルの場に存在する何らかのコミュニティーが「VRChat支部」を設けて、仮想現実の中でも活動する、というのも面白いのでは、と思います。
コロナの影響でまだまだ以前のように活発に外出するのが難しい中、新たな可能性も開けているかもしれません。

以下、私がVR空間を遍歴する中で感じたことを折に触れて書き記して行ったルポ的、エッセイ的文章のリンクを貼りますので、ご興味ある方はご覧いただければ幸いです。
コロナ禍でのコミュニティー形成を模索する中で、多少なりとも何かの参考になりましたら、これに勝る喜びはありません。


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