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『ブラック・レイン』と日本人


ブラック・レイン
1989年・アメリカ
監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ダグラス 高倉健

 親分が米刑事に語る。お前たちがB29で黒い雨を降らせ、戦後はその価値観を押し付けた結果、現代ヤクザが生まれたのだと。反米主義の文脈でよくある言説だが、それを米映画が語らせるのはある意味すごいことだ。しかし、現代ヤクザを討つのも米国人であるという展開は、米による反米言説の否定なのだ。
 つまり『ブラック・レイン』が説いていることは、デモクラシーを日本に与えても、日本人自身が集団主義を捨てず、個人主義が誤った方向へ機能した結果であると纏めたいわけである。
 これはニックと大阪府警の対峙とパラレルに機能しているのだ。
 ただのアクション映画で片付けるには惜しい作品である。

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