【非常時の社会学】 経済学をきちんと学ばないと、勘違いするよ

韓国の対中国貿易収支が31年ぶり赤字に
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2023年12月14日、韓国・朝鮮日報は「韓国の対中国貿易収支が赤字に転じた」とし、「中国と国交を樹立した1992年に10億ドル(約1416億円)の貿易赤字を記録して以来31年ぶりだ」と伝えた。

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貿易黒字・赤字はGDPの要素の一つではあるが、国が貧しくなったとか、豊かになったとかいうレベルではない。

貿易黒字は供給力に余裕がある国から、供給力に不足のある国への輸出に過ぎない。
例えば、日本からアメリカへの輸出を考えよう。
お金は当然、モノを売ったのだから黒字ならば入ってくるのだが、そのお金は決済時にどこの国の通貨で支払われるかによる。
日本からアメリカへの輸出、決済はドルだとしよう。
その場合、お金は当然ドルで支払われる。
日本にある企業は日本国内で使用できないドルはいらないので、即座に円に換える必要がある。
金融機関に依頼し、ドルから円に交換しなければならない。

入手した通貨ドルは、金融機関によって円に交換され輸出企業に支払われる。
金融機関は、アメリカの金融機関と円ドルの交換を行い、アメリカの企業が持っていた円が日本に帰ってくるだけである。
さらにこの円は、金融機関ではそのままにしておけないので、金融機関に投資先が無ければ、日銀の当座預金に入れるか、日本国債に投資をすることになる。

実は、貿易と言うのは、その国では供給出来ないものを輸入し、国内では供給過剰になっている物を輸出することから成り立っている。
多くの会社これを行い事によって、日本の経済が成り立っているが、輸出は単に日本国内に需要が無いからに過ぎなく、輸入は日本では供給不足だから成り立っている。

上の記事のように、貿易赤字になるということは、輸出に対して輸入の過剰であることを示しているだけに過ぎない。
原因は、相手国の供給が十分になったか、需要がなくなったか、または自国の供給が不足しているのか、需要が旺盛なのか、そのどれかである。

相手国の経済状況は、自国の経済には全く関係ない。
問題にしなければらないのは、自国の経済状況である。
需要旺盛=好況期でも赤字ならば全く問題はない。
最大の問題は、自国の供給力不足による輸入超過=赤字である。

今回の韓国の貿易赤字は、推測するに中国の国内経済状況の悪化によるものであると考えられる。
中国経済の悪化による需要の低減からくる、輸出低減であるならば、それは普通にあることだからだ。
勿論危機にならないようにリスクマネジメントしておく必要はあるが、他国である限り何が起きても不思議ではないと考えておくことが普通ではないか。

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