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精神科病棟に入院して、死にたくなって退院した話

へ?何の話??
良くなって退院するもんじゃないの?
って言われそうだし
つい最近までのわたしも
死にたいはゼロにはならなくても
少しは軽くなって退院できるものだと思っていた。

でも違った。

主治医ガチャでハズレ引くと
人生終わるなってくらい、入院生活が終わる。

そして看護師が
「医師と患者の橋渡し」的認識じゃなくて
「お医者様の言うことには従います」的認識の病院だと
99.9%こちらの要望は通らず
医師が決めたことに従うしかない。

しかもその医師が
患者の意見を聞いてくれるような良い医師ならともかく
最初から答えは決まっていて
患者の意見も形式上聞くけど結論は変わらない
みたいな奴だと
入院生活は
ただ決められたレールの上を歩かされるだけのものになる。

もしそこで、家族や看護師が
医師に対して意見を言えば
医師は、家族や看護師のことを
「患者に操作されている」などと言う。
完全な医師によって作られた独立独裁の入院環境だ。

実際わたしの入院(6月9日〜23日)もそうだった。

話し合いが、話し合いにならない。
主治医がこちらの意見に耳を傾けようとしないから、話が噛み合わない。
答えはいつも話し合う前から決まっている。
態度がいつでも威圧的。
プライドが高いのか、自分が知らないことを患者に言われただけで不機嫌になる。
時間がない、が口癖で、それがステータスだと思ってんの?って何度か言いかけた。

いま挙げただけでも、
わたしの入院生活がどれだけ苦痛だったか、伝わるだろうか。

加えて、今回の入院は期間含めて
退院するまでほとんどシークレットにしていたのだが
OD(※オーバードーズ)を繰り返したことによる入院で
最初の5日間は任意ではなく、医療保護入院だった。

ODというものは
いうまでもなく、身体の症状もあとから出てくる。
吐き気がその代表的なものだと思う。
でも、この病棟では
吐き気を訴えても、母が電話で「ナウゼリン(※吐き気どめ)を処方するとかそういう対処療法はできないんですか」
って言うまで
「ここは精神科の専門で、内科の専門じゃないから無理」
の一点張りだった。
医者も、看護師も。

吐き気で食事が摂れず
水も飲めずにいても
「がんばって飲もうね」としか言われず
点滴を検討してくれたのはたったひとりの看護師だった。
医師に必要ないと一蹴されていたが…。

がんばって、水が飲めるならとっくに飲めている。
飲めないから困っているのに
ただひたすら「がんばれ」って
本当にここは病院なのだろうか?と何度も思った。
もっとはやく吐き気どめを出してくれていたら
一回でも点滴をしてくれていたら
身体から薬が抜けるのが早くなり、身体の回復は早かったのではないかと思っている。

それから
入院してからひたすら医師との意思疎通がうまくいかず
威圧的な態度、時間を急かす、聞く耳を持たない
そういう姿から
わたしは主治医の前でだけ言葉が出なくなってしまい
ただでさえ成り立たない会話が余計に成り立たなくなってしまった。
それをそばでずっと見てくれていた看護師Iさんが
主治医と話すときは間に看護師を入れた方がいい
と提案してくれた。
すごくありがたかった。

でもそれは主治医によって一蹴された。

理由は

①他にそういう対応をしている患者はいない
②看護師や薬剤師とは話せている
③外来でも看護師に入ってもらっていない
④年齢から考えても不要

というもので
わたしはそれ以前にも「主治医変えてほしい」という希望を出して「前例がない」と断られているのだが
この、「前例がない」「他にいない」という答えほど
理由になっていないものはないと思う。
前例がない?だから?と思う。
今は当たり前になっていることだって
はじめは前例がなかったのだから。

・主治医変えられない
・看護師が間に入るのは無理

という詰んだ状況になり
それ以降の診察は
言いたいことは事前に紙に書き
それ以上のことは
頷くか首を振るかで意思表示できる質問以外は答えられず
唯一、薬に関することだけは
「これは仕事だから」と自分に暗示をかけることで
なんとかやりとりはできた。
ただし、仕事としてやりとりをしているので
飲むかどうかや、量についての相談
飲み始めての体調の変化といった仕事ではやらないことは
どうしても言えず、決められず
主治医の言うままになっていった。

看護師の対応もバラバラで
身体のしんどさを訴えても「仕方ないよ〜」と言われたり
主治医と話せないし聞いてくれないと訴えたときも「話しても伝わらないなら、看護師が間に入っても入らなくても変わらなくない?」と言われたり

プライマリーには「主治医の決定には従うしかない」「僕たちは患者さんのお手伝いさんじゃないから、何でもしてあげられるわけじゃないんだよ」って言われて
じゃあ、あなたたち看護師は何のためにいるの?
だいたい“お手伝いさん”なんて言ってないよね???
って思って危うく喧嘩しかけた。
医者の奴隷なら必要ないんですけど、プライマリーってなに?医者の奴隷だったの?

そして最後の最後の退院の日に
看護師と、「言った」「言ってない」の言い合いになり
(まじ小学生かよと思うレベルよね)
病棟のホールで大号泣して
まるで邪魔者扱いするかのように病棟の外の部屋に出されて、はいさようなら、されて。
もちろんそのまま帰ったりはせず、病棟師長ともめたり(とにかく自分の考えのない師長で入院中から話してて毎回苛々した)、助けて力になろうとしてくれた看護師さんが居たりとさまざまあったんだけど
結局問題はなにひとつ解決せず

入院前からあった死にたさは入院することで大きくなり
退院してから腕を6本縫ったり、25日の夜にはまたODして救急搬送されたり
一体何のための入院だったんだろう?と思うわけです。
退院日は当初決めた23日を守ったけれど
それで得られたものって何だったんだろう?
自宅療養でよかったんじゃないか
退院した今、改めてつよく思います。
死にたさが増すような入院は、“休息入院”ではない。

精神科への入院は必要なときもあると思う。
休息も必要
でも
外来主治医と入院主治医が違う場合
主治医ガチャ、ハズレ引くと人生終わるってことを
今回の入院で身をもって体験したので
そのことは
共有しておきたいな。
もちろん、
生きる希望が持てたり、元気になれる入院も
必ずあるけれど。

これはあくまでわたしの記録として。


※前記事「精神科病棟に入院していた話」と同じ病院・病棟のはなしです。


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