パブロンゴールドを150錠飲み、命の危機を感じた話
このままだとわたしは確実に死ぬ
と、生まれて初めて思った。
2/18〜19にかけて130錠のパブロンゴールド(以下金パブ)を飲み
その後、OS-1とお粥しか摂取できず
それすらも吐いてしまうことが多々ある日々に
わたしの身体は確実に
一日一日と衰弱していっていた。
起き上がることができない時がある
吐き気で身動きすら取れない時もある
起き上がれても立ちくらみで、ベッドから、膝から崩れ落ちたことも、トイレでへたり込んだこともある。
とにかく
日に日に体力がなくなっていった。
体重もどんどん減っていった。
それなのに
金パブを飲むことだけはやめられなかった。
這ってでもお水を汲みに行って飲み続けていた。
そして
2/29〜3/1にかけて
150錠の金パブを飲み
連絡した訪看さんに「かずみさん、本当に死んじゃうよ。」
って言われた。言われて当然の事態だと思った。
わたしもその時
電話しながら襲われた、尋常じゃない吐き気に
命の危機を感じていた。
金パブに含まれている命に関わる物質は
アセトアミノフェンと無水カフェイン。
今回わたしは15gのアセトアミノフェンと
1.3gのカフェインを摂取している。
上記の引用に当てはめると
わたしのいまの体重は41.5kgだったので
アセトアミノフェンは
14.5g(145錠)以上で、ほぼ100%で重篤な肝毒性を起こすとされる、ということになる。(わたしは150錠なので、それを超えている)
また、致死量とされる13g以上を摂取している。
カフェインもまた
中毒症状が出るとされる1g以上を摂取している。
また、月曜日に受けた採血の結果は
ALT/71(基準値:7〜23)
AST/35(基準値:13〜30)
で、どちらも基準値を超えている。
そもそも健康な肝臓ではないところに
致死量のアセトアミノフェンをぶち込んでいて
気休めのようにタチオン錠50mgを処方量(1回1錠、1日3回)の三倍量、サプリメントのLシステインを倍量飲んではみたものの
わたしの肝臓にアセトアミノフェンを解毒するグルタチオンがどれくらい残っていたのかも不明だ。
今回、なぜこんな無茶な量を飲んだのか…
わたしは80錠飲んだ段階で
歯止めの効かない自分に危機感を感じて
かかりつけの国立精神・神経医療研究センター病院の精神科外来に電話をした。
助けて欲しかった。
夜勤帯は何も出来ない病院だけど、日勤帯なら“話を聴く”以外の対応もしてもらえるかもしれない、と思ったからだ。
だが、電話交換の方からこう告げられた。
「電話は受けられない、と言っております」と。
わたしは唯一飲んだ錠数を正直に伝えてこれた、かかりつけの病院からも拒絶された。
絶望感の中でわたしは完全に歯止めを失ってしまった。
とっさに40錠、まとめて飲んだ。
そして16時過ぎに、吐き気がするにも関わらず
無理矢理30錠を流し込んだ。吐き戻しそうになりながらも、飲み続けた。
そして
部屋に戻って、ベッドに横になり
吐き気止め(ナウゼリン)を飲んだ。
“せっかく吐き気に耐えて飲んだ150錠を戻したくない”
と思っていた。
15分ほど吐き気に耐えながらひとりで部屋に横になっていたら
急に怖くなった。
わたしは訪看さんに「助けてお願いやばい」とメッセージを送り
その後、それを読んだ訪看さんから電話がかかってきて
150錠飲んだことを伝え
先ほど書いた「かずみさん、本当に死んじゃうよ」という言葉をかけられた。
訪看さんと45分ほど電話をして
やっとわたしは
吐きたくない、という気持ちより
命の危機を感じて怖くなり
トイレで吐いた。飲んでから1時間以上がたっていた。
薬は全て胃の中で溶けたあとで
出てくるのは、金パブの色と味がする液体だけだった。錠剤の形をしたものはひとつも出てこなかった。
吐いたことで一旦吐き気が落ち着いたわたしは
薬局に電話をかけた。
150錠を飲んだことを伝え
「吐いたけど、1時間以上たっていたら、ある程度吸収されてるよね?」と聞いた。
薬剤師さんは「そうだね」と言った。
150錠、と言っても慌てることなく冷静に聞いてくれた薬剤師さんの存在に、少しわたしの心も冷静さを取り戻した。
でも、電話をしている途中から
また強い吐き気に襲われ
息をするのも、言葉を発するのもしんどくなり
思考することもできなくなり
薬剤師さんに
「電話してる場合じゃないんじゃない?少し休みなさい」と言われて
電話を切った。
もう、吐き気で1ミリも動けなかった。
母が仕事から帰ってくると
1/4も飲んでいないOS-1を見て
もう少し飲むように言った。
わずかに身体を動かして、ほんのひとくち、飲んだ。
限界だった。
吐き気はさらに増した。
衰弱しきったわたしの様子に
朝は「入院を拒むなら、救急車は今後呼べない」と言っていた母が
#7119に相談をした、らしい。
そして
「救急車を呼ぶように言われたから、呼ぶよ」
と伝えにきた。
わたしはそれを拒否した。
入院したくないし
母に150錠飲んだことも言えなかった。
血中のアセトアミノフェン濃度が高いことなんて想像しなくても分かっていたから、解毒剤を飲むことになるのも嫌だった。
母には、その日の明け方に
28日夜までの段階で60錠/24hの金パブを飲んだと伝えていた(本当は80錠)
だから母は
「60錠飲んだって言って救急車呼ぼう」
って何度もわたしに言った。
わたしは嘘がバレるのが嫌で何度も拒絶した。
「じゃあ、OS-1もう少し飲もう」
「(首を横に振る)」
「じゃあ、救急車呼ぶよ」
「(首を横に振る)」
というやりとりを何度もした。
そして、ついに母が
「じゃあ、救急隊に本人が入院を拒絶してますが、それでも来てくれますか?って聞いて、それでも来るって言ったら呼んでもいい?」
という提案をしてきて
疲れ切って、耐え難い吐き気にこれ以上話し続けることすら限界を感じていたわたしは
やっと、諦めて頷いた。
救急車は
入院しない条件で病院探します
と言って、来てくれることになった。
吐き気が限界を迎えて
わたしは救急車が来るまでの間に
ふたたび吐いた。
最初に吐いた時に吐き残していた金パブが、それまでに飲んだOS-1と一緒に出てきた。
そして吐くものがなくなった、と同時に
息苦しさも、動けないほどだった吐き気も落ち着き
救急車が到着する頃には
普通に話せるようになっていた。
それでも60錠飲んでいるのなら
それも漫然と飲んできているのなら
病院には行ったほうがいい
と、救急隊に判断され
病院を探してもらった。
そして
前回は断られた救命救急センター(武蔵野日赤)が
受けてくれることになり向かった。
150錠飲んだことは言えないままだった。
救急車の中でぼんやりと
「救命救急センターって言うくらいだから、アセトアミノフェンの濃度測れるよなあ、嘘バレちゃうかな」
と考えていた。
でも、救命救急センターの対応は
今まで行ったどの病院よりもあっさりしたものだった。
アセトアミノフェンを測れない練馬光が丘病院ですら
詳細な血液検査をしたのに
救命救急センターでは簡易的なものだけ。ALT/ASTも測る必要はないと言われた。
吐き気はカフェインのせいだろうからなるべくお水を摂ってくださいね、と言われて
吐き気止め(メトクロプラミド)と生理食塩水の点滴だけで、入院(経過観察)は不要と言われて帰された。
何度も喉元まで
「今日、150錠飲んでるんですけど」
って言葉が出かかった。
それでも、母に知られたくない気持ちが邪魔をして
結局言葉にはできなかった。
そしていま、自宅で過ごしている。
吐いたことで
吐き気はわずかにする程度で落ち着いていて
OS-1も飲めるようにはなってきた。
お粥を食べても、戻すこともなくなった。
金パブも
もう飲んではいない。
けれど
アセトアミノフェンは5日かけて、肝臓をはじめとする臓器を破壊していく。
栄養状態が悪いと、内臓の損傷は激しくなる。と以前主治医に言われたこともある。
お粥とOS-1しか摂取出来ていない今の状態が“栄養状態がいい”とはとても言えない。
まだ身体症状(吐き気、胃痛、腹痛、立ちくらみ等)も良くなったわけではない。
いつ死んでもおかしくない、と思っている。
ここから体調を劇的に悪くする可能性、はいちおう覚悟している。150錠と最後まで頑なに言わなかったのだから仕方ない、と。
でも、わたしはずっと
金パブを飲み続けながらも、「金パブを手放して元気になる未来」も思い描いてきた。
やめられなくなって歯止めがきかなくなった最近も
ずっと、吐き気と衰弱の中
「元気になりたい」と思ってきた。
だから
金パブをもう一度手放す努力をしたいと思う。
まずは1週間飲まないことを目標に。
焦らず、着実に
1日1日を積み重ねていきたい。
そして、もしわたしの肝臓が今回の150錠に耐えてくれて、生き延びることができたなら
「元気になる」未来を、必ず掴み取りたい。
どうかこれが最後のブログにならないように。
元気になって、金パブを手放した姿をいつかお見せできるように。
この先も生き続けられるように
祈っていて頂けたらうれしいです。
最後に
金パブのコントロールを失ったことで
吐いているのに金パブだけは飲み続ける
という理解し難い行動を取り続け
それを見ていたまわりの方々に不快感を与えてしまったこと、申し訳なく思います。
心配されたかったわけでも、死にたかったわけでもないけれど
ただの迷惑な奴になっていたことは事実。
また、心配して怒ってくれるひとの言葉を受け止めるだけのキャパを持っていなくてごめんなさい。
体調が回復したら
今回ご迷惑をおかけした方々にはきちんとご連絡いたします。
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