見出し画像

拒食症〜固形物が食べられなくなった日〜


今回は
わたしがいま抱えている
摂食障害について書いてみようと思う。



はじまり、そしていま

わたしの摂食障害のはじまりは
2020年5月21日だから
もう3年になる。

その間に
拒食と過食嘔吐を交互に繰り返してきた。
拒食が良くなると今度は過食嘔吐になり
それが落ち着くと拒食に、、その繰り返しだ。

そしていまは
過去イチひどい拒食症になっている。

それまでは普通に食べられていた。
レストランに行って
一人前を食べて、吐くこともなく過ごせていた。

それがある日
彼氏のひとことで変わった。

「よく食べるね」

そう言われた瞬間
「食べ過ぎなのでは?!」
「太る!」
そう思ったらざわざわが止まらなくなり
彼氏宅に帰ってからトイレで吐いた。

そして
その日から
0キロカロリーのゼリーとinゼリー
ぐみ、フルーツ
しか食べられなくなった。

そして、そのうち
固形物を“食べる”という感覚までも怖くなり
ゼリーやグミも食べることができなくなり
いまは
エンシュアH1缶、エネーボ5缶と
紅茶、コーヒー、ミルクティーなどの飲み物で
毎日を過ごしている。


なぜ痩せていないといけないのか

わたしは
過去に受けた数々の性被害の影響で
複雑性PTSDを患っているが
それだけでなく、自己肯定感がとてつもなく低い。
自分を褒めることが極端に苦手だし
自分に良いところなんてないと思っている。

でも、体重だけは数字に出るから
ごまかしが効かない分
分かりやすくもある。

痩せていれば
「細くて羨ましい」と言われることも度々ある。

だから
“痩せている自分にしか価値がない”
と、ずっと思ってきた。
痩せていなければいけないと思ってきた。

158㎝44キロは
じゅうぶん痩せていると言われるけれど
わたしは
41キロでなければ自分を許せなかった。

ひたすら数字に囚われ、固執していた。


なぜ“食べること”が怖くて飲み物しか摂取できないのか

固形物がいまはとても怖い。
唯一食べられるのは、ぶどうや梨といった
水分多めのフルーツ。
そして
たまに食べれるアイスだけだ。(アイスもシャーベット系が多い)

どうしてそうなったのか。

それは
噛んで食べる、お腹にたまる
ということが
=太る
という思考になってしまったから。

固形物を食べて、おなかいっぱいになる
という感覚が怖くなってしまったから。

その思考は
拭っても拭っても消えなくて
固形物はフルーツ・アイス以外、ほとんど摂取できていない。


体重は減らなかった

エネーボとエンシュアが
計1日6缶になったけれど、
それでも
それしか摂っていないのだから
当然体重は減っていると思っていた。

期待して体重計に乗った。

でも、表示された体重は
むしろ
ふつうに食べれていた時より僅かに多かった。

混乱した。

様々な栄養素が含まれているとはいえ
水分しか摂っていないのに
なぜ減らないのか分からなかった。

エネーボ、エンシュアを飲むのが怖くなった


それでも6缶飲み続けられた

それでも、今日まで6缶飲み続けられているのは
かかりつけ精神科の
夜勤師長さんの言葉にある。

「減っていないのは
ちゃんと嘘をつかずに長島さんが
毎日6缶飲み続けてきた証だと思うよ」

摂食障害を患っている当事者の多くが
食べていないのに、食べてると言ったり
吐いてるのに、吐いてないと言ったりするらしい。
その気持ちはとてもよく分かる。
でもわたしは
ちゃんと6缶飲んで、飲んでる、と言ってきた。
それが
体重が変わらない(むしろ微増した)
という結果に繋がったのだ
と思ったら
少しだけ、がんばれてるな自分、と思えて
怖くなったエネーボ、エンシュアを
その日以降も6缶飲み続けて来れた。


心境の変化

最近、少し気持ちに変化があった。

そのきっかけは
大切な友人と話していた時に
友人が
見た目を綺麗に痩せたい
と言ったことと

訪看さんから
「綺麗に痩せてる」
と言われたことだ。

44キロでも何キロでも
綺麗に痩せて見えることのほうが
大事だと思った。

わたしは
心配されるような痩せ方をしたいのではなくて
綺麗だね、痩せてて羨ましい
と言われる体型で居たい、と思った。

そうしたら
今までどう足掻いても固執してしまっていた
41キロじゃないと許せない
という気持ちが消えた


まだ“食べる”ことはできないけれど

体重への拘りは消えたけれど
それでもまだ
食べること、固形物への恐怖心は消えない。

いま食べたら確実に吐く自信しかない。
実際
無理して食べて、何度も吐いてきた。

一時期は
固形物だけでなく、カロリー自体が怖くて
飲み物ですら吐いたこともあった。

でも、いまはミルクティーと牛乳は飲める。

そのきっかけをつくってくれたのは
シーシャ屋さんで働く大切な友人。

ストレートのセイロンばかり頼むわたしに
「セイロン濃いめのミルクティーめっちゃ美味しいんだけど、試しに飲んでみない?」
って言ってくれて
シーシャという心落ち着く空間でなら
飲めそうな気がして
ミルクティーをオーダーしてみた。
そしたらとても美味しくて、飲めて
そこから
砂糖入れないミルクティーと、牛乳なら
飲めるようになった。
友人にはとても感謝している。

食べることは怖い。
おなかいっぱいの感覚も怖い。

だから
当分、エネーボ、エンシュア生活は
続くと思う。

でも、いまはそれでいいと思っている。
金パブを手放そうと努力していて
買い物依存を治そうとしていて
そこにさらに食事も、なんて無理がありすぎる。

金パブと買い物依存が落ち着いてから
ゆっくり
飲めるもの、食べられるものを増やしていけばいいと思っている。


おわりに

無理に食べれば吐いてしまう。
そしてそれが
過食嘔吐の引き金になってしまうかもしれない。

いま、わたしがいちばん怖いことだ。

過食嘔吐は
二度と戻りたくないもの。
食べるのも吐くのもつらくて、
罪悪感でいっぱいになる
いいことなんてひとつもない行為。

だから
戻りたくないからこそ
ゆっくり、気長に向き合いたいと思っている。

幸いにも
エネーボ、エンシュアを
飲食店や、飲み物持ち込み不可のシーシャ屋さんで
持ち込んで飲むことは
これまで断られたことがない。
みんな、グラスに入れて配慮して出してくれる。
ありがたいな、と思う。

おかげで、
出かける日でも毎日6缶飲むことができている。

いまはそれでいいのだ、と思う。

むしろ
エネーボ、エンシュアを
毎日ちゃんと飲めていることを
褒めても良いと思っている。

そして
ゆっくり、摂食とは向き合って
いつかまた
家族で食卓を囲んだり
彼氏や友人とごはんに行ったりできる
そんな未来だけは
思い描き続けていたい。

そうすれば
いつかそれは現実になると思うから。


友人が金パブ1ヶ月のお祝いにくれたお花

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?