見出し画像

金パブを1ヶ月飲まなかった話。


今年の4月15日にはじめて飲んで以降
毎日30錠、、最後の頃には40錠飲むこともあった
金パブ(=パブロンゴールド)を
8月31日から1日も飲むことなく1ヶ月が過ぎた。

なぜやめられているのか
離脱をどう乗り越えたのか
いまの心境
そういったことを書いてみたい。


やめるきっかけ

きっかけは些細なこと。
8月31日の夜から3日間、
電池が切れたみたいに動けなくなった。
金パブも飲めないくらいに。

そして回復した9月3日。ふと思った。
せっかく3日間飲んでないのに、
また飲むの?、と。

だったら、
飲まずにいられるところまでやめてみようかなあとふんわりと思った。

大きな目標があったわけでもなかったし
1ヶ月なんて考えてもみなかった。
ただ、最長記録が3日だったから
それを延ばしてみたいな、くらいの感覚だった。


離脱症状①

やめてみてすぐに離脱症状が出た。
いちばんしんどかったのは、頭痛。
ズキズキとした頭痛がずーーっとする。
金パブを飲めば治まるのに、という思いが
さっそく頭をかすめる。
でもそれを振り払って
わたしはコーヒーを飲んだ。
もちろんブラックで。
頭痛がするたびに飲んでいたから
1日に何缶も飲んだ日もあった。

頭痛の原因は
金パブに入っている無水カフェインを
大量に摂っていたことによるカフェイン中毒の離脱症状。
でも、偶然だけど
事前に主治医に起こりうることを聞いていたから
起こる離脱症状の原因と対処が分かって
金パブに安易に戻らずにすんだ。

全身の倦怠感もあった。
どうしようもない時は頓服を飲んで寝逃げした。
起き上がれない日は、そういう日なんだと諦めた。

そうして
気づいたら2週間がたっていて
コーヒーを飲まなくても頭痛はほとんどしなくなっていた。


離脱症状②

金パブをやめて少ししてから
気づいたら体力がなくなっていた。

今までだったら
1週間びっしり予定を詰めていても
余裕で動けていたのが
今では
1日動いたら、1日休まないと。
というか、動けなくなる。
全身倦怠感や吐き気、頭痛で
1日寝倒してしまう。

原因は
金パブに入っている
ジヒドロコデインリン酸塩
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
という覚醒剤の成分が
大量に摂取することで
常に覚醒状態になり、人を120%でも動けるようにしてしまう。
そしてそれを摂取しなくなったことで
あるのが当たり前だったものがなくなることで
欠乏状態になり、動けなくなる。
ないことが当たり前の身体に戻るには
時間がかかる、と主治医には言われている。

そして
1ヶ月が近づいた頃からひどい眠気にも
悩まされるようになった。
これも、覚醒剤の成分と無水カフェインが関係しているらしい。
寝ても寝ても眠くて
1日寝倒して、それでも足りず
さらに半日寝倒したりもした。

とにかく
離脱症状から完全に解放されるには
時間がかかるよ、と主治医に言われた。
それだけ長く飲んでいたのだ。
ゆっくり気長に向き合うしかない。


今の心境

家にあった金パブは全て薬局に預けた。
20瓶近くあった空き瓶も
全て捨てた。

金パブをやめて2週間が過ぎたあたりから
金パブのことを考えると吐き気がするようになった。
味を思い出すのも、臭いもダメになった。
ドラッグストアの風邪薬コーナーにも
足が向かなくなった。
「飲んだら楽になるかな」と考えることはあっても
「飲みたい」「買いたい」と思うことは
ほとんどなくなった。

毎日当たり前のように30錠飲んでいた。
それがないと
わたしは生きていけないと思っていた。

でも、
そんなことはなかった。
なくても、わたしの人生は終わらないし
むしろやめたことでよかったこともある。

肌の調子が良くなった。
くすんでいた肌に透明感が出て
「なんか最近調子いいなあ」と思っていたら
訪看さんに褒められ
そしてDiorの担当さんにまで「何かしました?!」って聞かれた。
うれしかった。
本当のことは言えないから「睡眠かなあ」って誤魔化してしまったけど、
金パブやめたからだって、内心はとてもうれしかった。

吐き気がすることもなくなった。
これまでは
30錠に収まらず
1日に60〜90錠を飲み
最大で120錠飲んだこともあり
吐き気がして、またやってしまった…と後悔する。
その繰り返しだった。
ナウゼリン(吐き気止め)のお世話になりまくってきた。
それが効かないこともたびたびあり
救急外来で点滴を受けたこともあった。

もう、拮抗薬のお世話になることもない。
今年5月
90錠を1日トータルで飲み
救急搬送されて、救命科に入院して
拮抗薬のアセチルシステインを計18回飲んだ。
(そのときのブログはこちら)

硫黄強めの温泉みたいな臭いと味で
もう二度と飲みたくないもので
その後、120錠飲んでも、80〜90錠飲んでも
救急車を拒否したり
正確な錠数を伝えずに救急外来に行ったりしたのも
拮抗薬を飲みたくない一心だった。
80錠飲んでおいて60錠と嘘をついて受診した病院には、今でも申し訳なかったと思っている。

でも、飲まなければもう
嘘をつく必要もないし
拮抗薬がそもそも検討されることもない。

1ヶ月、飲まない日々を過ごして
大変なこともたくさんあった。
離脱症状は特にしんどかった。
でも
もう飲まないな、という確信がわたしの中にはある。
もう、買わないし、飲まない。
そうして
2ヶ月、3ヶ月と積み重ねて
気づいたら1年がたっていた、となりたい。

大丈夫。
1ヶ月手放せたんだから
この先だって、手放せていられる。
そう、自分に言い聞かせて
少しずつでも
前に進んでいきたい。

1ヶ月飲まずに迎えた
1ヶ月と1日目の今日は
超スペシャルはっぴーでー!


最後に

この日を迎えられたのは
主治医、薬剤師さん、訪看さん、大切な友人たちのおかげ。
みんな、どんなわたしでも見捨てずに居てくれてありがとうございます。
心からの感謝を。


2023年9月29日中秋の名月


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?