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[都議会第4回定例会]厚生委員会と文教委員会を傍聴しました。


今回は、タイミングが合ったので
ふたつの委員会を傍聴。

厚生委員会の藤田りょうこ都議の質問と
文教委員会の米倉春奈都議の質問を聴いてきました。
それぞれについて、特に大事だと思ったこと、印象に残ったことを書きたいと思います。

*・*・*

厚生委員会◆ 藤田りょうこ都議

東京都子供への虐待の防止等に関する条例(仮称)骨子案」についての質疑が行われました。

藤田都議は、
子どもは“意見を尊重される存在”であり、
骨子案では「子どもの成長、年齢に応じた意見を尊重」となっているが、
それでは“年齢に応じて割り引いても良い”となる可能性もあると指摘し、
子どもの「意見表明権」を明記することが重要ではないかと述べました。

また、
藤田都議は、予期しない妊娠や未受診妊婦、飛び込み出産が、虐待のハイリスク要因とされていて、
特に、10代で妊娠した人の中には
妊娠に気づかなかった、という知識の欠如から、未受診妊婦となっているケースがあること、
未受診での出産から、虐待死に至るケースもあることを指摘。
10代の予期しない妊娠を減らすためにも、自ら避妊行動が取れるようにすること、
どこからどこまでが妊娠の可能性がある行動かを知ること、が重要ではないかと述べ、
性教育の重要性を条例に盛り込むことを求めました。

骨子案の「未然防止」の中には
「子供に対し、自身が守られるべき存在であることを認識するための啓発及び相談先等に関する情報提供を実施」
という一文かあります。
その部分について藤田都議は
子どもが大人の従属物であるというような考え方が虐待に発展した背景を考えると、“守られるべき存在”というより、もっと“主体的な権利”を有している存在であることを啓発すべきではないか、と述べました。

それに対して
「子どもは権利の主体である」との答弁があり、
それを受けて藤田都議は
子ども自身が理解しやすい内容であることが重要であり、
外国人、児童、障がいのある子どもが理解しやすい工夫が必要ではないかと質問。

都からは、
外国籍の児童やその保護者に対して、複数の言語でパンフレットを作成、
児童に対しては、フリーダイヤルの電話相談を実施、
障がいのある方に対しては、個々の状況に合わせた対応を行い、例えば聴覚障がい者向けにはFAXでの対応を行なっている
という答弁がありました。

藤田都議は、体罰についても言及。
体罰は子どもの発達に悪影響を及ぼし、さまざまな心の病気のリスクがあるが
しつけのために必要という認識も根強いことから、
条例に、禁止の明記と啓発を行うことを求めました。

都は、
さまざまな機会に、体罰によらない子育ての重要性を啓発していくと述べました。

体罰や暴言というのは
子どもから、考える力や気力を奪います。
叩かれても仕方ない存在、馬鹿にされて当然の存在、と思わせます。
それが“しつけ”のために必要であるはずがありません。
その一方で、子育ての中でさまざまな要因から追い詰められ、体罰や暴言を子どもに向けてしまった親が、さらに追い詰められることがないような条例であってほしいなとも思います。(体罰に至らないような支援の充実を求めたいです)

「こども」の表記について、
藤田都議は次のように述べました。

「子供」の「供」は大人の付属物を連想させる。子どもへの虐待防止に関する条例であるのだから、「子どもは大人の付属物ではない」「権利の主体」ということを明確にするためにも「子ども」という表記にすべきではないか。(※要約)

都の答弁は
「常用漢字を使用することにしている」というものでしたが
わたしも、現在募集中のパブリックコメントなどを通して、ひらがな表記にすることを求めていきたいです。

*・*・*

東京都は現在、「東京都子供への虐待の防止等に関する条例(仮称)骨子案」についてのパブリックコメントを募集しています。
ぜひひとりでも多くの方に、ご意見を寄せていただければと思います。
募集期間は、2018年12月29日(土)まで(郵送は、当日消印有効)。郵送、FAX、Eメールで提出することができます。
詳しくはこちらをご覧ください。

*・*・*

文教委員会◆ 米倉春奈都議

第4回定例会に提出されている、
学校体育館へのエアコン設置補助、ブロック塀対策などの補正予算案について質問されました。

その中の、エアコン補助について
パネルを使用した説明がとてもわかりやすかったので、
わたしもここで紹介したいと思います。

このパネルは
国と都の、体育館へのエアコン補助のスキームを、面積も勘案してつくった図です。

国庫補助上限、一平米あたり2.34万円は、国が1/3、都が1/6で、合わせて1/2。残りの1/2が市区町村負担。(※ここでは一階部分と表現)
上乗せ部分は、今年度は、都が2/3、市区町村が1/3になっています。(※ここでは二階部分と表現)

これを具体的な市区町村(都の補助などを活用して小学校42校、中学校20校の全62校の体育館へのエアコン整備を表明した町田市)に当てはめると、

右のパネルが、今年度のスキームに合わせたもの。

※町田市の小中学校の体育館の平均面積は867平米で、それに62校をかけて計算。
上限の一平米あたり7.6万円は超えない
面積の小数点は切り捨て
合計金額の100万以下は切り捨て
など、なるべくわかりやすくなるようにして作った図である

まず、一階部分は、国が4.1億円、都が2億円、町田市が6.2億円になります。
二階部分は、都が18.8億円、町田市が9.4億円になります。
これを合計すると、国が4.1億円、都が20.8億円、町田市が15.6億円となります。

これが、もし一階部分の国の交付金が採択されず、二階部分の都の補助率が2/3ではなく1/2になったらどうなるか…というのが、写真の左のパネルです。

一階部分は、
都が2億円、町田市が10.3億円。
二階部分は、1/2なので
都が14.1億円、町田市も同じく14.1億円になります。
それを合計すると
都が16.1億円、町田市が24.4億円です。

右のパネルの、今年度のスキームと比較すると
町田市の負担は、
15.6億円から24.4億円に、
つまり8.8億円も増えることになります。

これは、
国の交付金があるかどうか、と
都の補助率が2/3か1/2かによる差額がとても大きいのだと言えると思います。

また、
パネルは、黄色が国、ピンクが都、白が町田市なのですが
ピンクと白だけを見ても、
都の補助率が2/3か1/2かでも、ピンクと白の比率は視覚的にもだいぶ変わって見え、
都の役割もとても大きいと言えるのではないでしょうか?
現在、都は“今年度の補助率は2/3。来年度以降は検討”と言うに留まっていますが、
来年度以降も、現在の補助率を維持してほしいと思います。


わたしは、このお金の仕組みはあまりよく分からなくて、
パネルを見て、視覚的部分で、都の補助率が2/3か1/2かでこんなに変わるんだな…!という程度の認識で
ほぼ、米倉都議の質疑を聞いてとったメモと、パネルの数字をそのまま書いただけなのですが
でも、
暑さ対策について都は、対策を講じていく、集中的かつ効果的に実施、などと発言しています。そうであるなら、なるべく市区町村の負担を減らし、全ての体育館にエアコンが設置できるように支援を行ってほしい、
そのためにも、補助率は来年度以降も2/3を維持してほしいと強く思います。

*・*・*

現在開会中の都議会第4回定例会は
12月19日(水)まで。
17日は常任委員会、19日が最終日(本会議)で討論採決が行われます。
本会議はインターネット中継もあります。
最終日はわたしも傍聴するので
また、報告を書けたらいいなと思います。

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