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Diorというわたしの居場所


今年に入ってから毎月欠かさず行く場所がある。

Dior 京王百貨店新宿店

はじめは、よく買い物をする百貨店
というだけの理由で選んだ。
他に理由なんてなかった。

でも、今では大切なわたしの居場所になっている。

わたしには
いつからか正確には覚えていないけれど
担当さんがついてくれている。
いつも、わたしにぴったりの色を
的確に選んでくれる、信頼できる人。

敬遠していた赤リップを
似合うよと勧めてくれたのも
その担当さん。
半信半疑だったけど、そのあとまわりにすっごく褒められて、嬉しかったなあ。

でも今は
ただの“担当さん”じゃなくて
大切な存在になっている。

電話をするだけで
声が聞けてうれしい、と言ってくれる。
会う約束をするだけで
その日まで仕事をがんばれる、と言ってくれる。
そして
担当になってもらってから
会うたびにぽつりぽつりとこぼしてきた
わたしの病気のことも
どんなことも
引かずに受け止めてきてくれた。

買い物をするから優しいのだと思ってきた。

でも、違った。
担当さんは言ってくれた。
いつでも気軽に電話をください、買い物がなくても顔を見せに来てください
わたしは長島さまが元気で幸せで居てくれたらうれしい
って。

金パブ120錠飲んで救急搬送された数日後が
担当さんとの約束の日だった。
だから
行けないことを電話して
薬を120錠飲んで後追いしようとしたことを伝えた。
引かれても構わないと思った。
それでも、嘘はつきたくないと思った。

そしたら
驚いたけど、命に別状がなくてよかった
こうしていまお話しできていることがうれしい
そう返してくれた。

そんなふうに返してもらえると思っていなくて
不覚にも涙が出た。

この2日間、いつになくゆっくり話した。
その時間を彼女は
うれしい、と言って笑ってくれる。
会えなくても声が聞けるだけでうれしい、と。
つられてわたしも笑ったら
笑っている声が聞けてうれしい、とまた言ってくれる。

そして
わたしはいつでも長島さまの味方ですよ
だから安心してください
って言ってくれた。

つぎ会う日の約束をした。
その日まで仕事をがんばれる、楽しみ
そう言って彼女はまた笑う。

わたしは今日までずっと
親友の後を追うことしか考えてこなかった。
でも
こんなわたしの存在を
居てくれてうれしい、会えてうれしい
しあわせでいてほしい
って思ってくれているひとがいる。
それはつまり
わたしが後を追えば悲しむ人がいるということ。

わたしはまだまだ
Diorの担当さんに会いたい。
話したいことはたくさんあるし
また一緒に笑いたい。
わたしが担当さんと過ごす未来が欲しいように
もし同じように
担当さんがわたしと過ごす未来を思い描いてくれているのなら
わたしは彼女を悲しませるようなことはしたくない
と思った。

きっとこの先もわたしは
親友のあとを追いたいと思うことはあると思う。
生きることを諦めたくなる日もあるかもしれない。
市販薬odも簡単には手放せないし
摂食障害や複雑性PTSDとの闘いはもっと長くて
心が折れてしまう時もあるかもしれない。
それでも
わたしには、わたしを愛していてくれる場所があるから
死にたくなったら、わたしはまた
彼女に電話をしたり、会いに行ったり
会いに行く約束をしたりしようと思う。

親友のことも知ってくれている担当さん。
だからたまには
思い出話にも付き合ってもらおうと思う。

こんな何もないわたしを
愛してくれて、会いたいと思ってくれて
大切に思ってくれて
ありがとう。

担当さんに会うために早く元気になりたい
金パブ120錠飲んだあの日から
一度も思わなかった“元気になりたい”という気持ちに
ようやくなれた。
きっと元気になればわたしは生きるためにまた金パブを飲むと思う。
それでも、元気でいたい。笑顔でいたい。
少なくとも彼女に会えるような体調は取り戻したい
そう思えた。

生きていてくれてよかった
会いたい
大切に思ってる
そんな言葉はこれまでもたくさんの友人からもらってきた。
もちろんそのひとつひとつに感謝しているし
もらった言葉は大切なもの。
だけど、今回
担当さんという思いもしなかったひとから
そんな言葉をかけてもらって
凍ったまま頑なに溶けることのなかったわたしの心が
ほんの少しだけ溶けたのだと思う。

ありがとう。
本当に心から感謝してる。
こんなわたしの担当で居てくれてありがとう。

電話を切ってから
胸がいっぱいになって号泣したのは、
ここだけの話ね。




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