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【聖霊の約束】240512礼拝メッセージ


「聖霊の約束」
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イントロ
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聖書は言います。
使徒言行録/ 01章 04節
そして、食事を共にしているとき、彼らにこう命じられた。「エルサレムを離れず、私から聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。

今日のテーマは聖霊です。
来週聖霊降誕日、ペンテコステということで、前の週の今日から3週に渡って、聖霊に関することを共に見ていきたいと思います。

キリスト教では3位一体という教理があります。
これは父なる神、子なるキリスト、そして聖霊というものです。
同じ神であるにも関わらず、性質が違う、性質は違うけれど同じ神、、、という私たち人間には完全には理解できない神の奥義であり神秘であるのが三位一体です。

この三位一体の一つである聖霊について、3つのポイントで見ていきたいと思います。

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1、
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1つめのポイントは、聖霊は、聖書を悟らせる働きがある、ということです。

使徒言行録の初めにこう書いてあります。
使徒言行録/ 01章 01-02節
テオフィロ様、私は先に第一巻を著(あらわ)して、イエスが行い、また教え始めてから、お選びになった使徒たちに聖霊を通して指示を与え、天に上げられた日までのすべてのことについて書き記しました。

「テオフォロ」という人物は、ルカによる福音書の最初にも同じ名前が書いてあります。
このテオフィロについては、詳しくはわかりませんが、求道者であり、そして様とつけているので地位の高い人物だと思われます。
「私は先に第一巻を著(あらわ)して」と書いてありますが、第一巻というのは、ルカによる福音書のことです。
第一巻が、ルカによる福音書、そして続く第二巻目が使徒言行録になります。
どちらもルカが書いたものです。
よって、ルカによる福音書と、使徒言行録は深い繋がりがあり、使徒言行録は、ルカによる福音書が読まれているのを前提として書いています。

1節の途中に、「お選びになった使徒たちに聖霊を通して指示を与え」と書いてあります。
これはどういうことなのでしょうか。
よく考えると、使徒達に聖霊が降り、彼らが力を与えられて全世界へと飛び出していくのは、使徒言行録2章でこれから起こるペンテコステの時です。
今日の箇所の時点ではまだ、その聖霊は降っていません。
まだ聖霊が降っていないにも関わらず、ここで「聖霊を通して指示を与えた」と書いてあるのは一体どういうことなのでしょうか。

本日の招きの言葉で読みました。
45:ルカによる福音書/ 24章 45節
そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて、
46:ルカによる福音書/ 24章 46節
言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。
47:ルカによる福音書/ 24章 47節
また、その名によって罪の赦しを得させる悔い改めが、エルサレムから始まって、すべての民族に宣べ伝えられる。』
48:ルカによる福音書/ 24章 48節
あなたがたは、これらのことの証人である。

キリストは、ご自身が選んだ使徒たちに、聖書を悟らせるために心を開かれました。
キリストが使徒達に聖書を解き明かして、救い主について教えました。
このルカの24章45節「聖書を悟らせるために彼らの心を開く」というのが、使徒言行録1節の「聖霊を通して指示を与え」ることに繋がってきます。
つまり聖霊は、ペンテコステの日には使徒達に全世界に伝道する力を与えましたが、その前からすでにキリスト、聖霊という神の霊が、聖書に書かれていることを使徒達に悟らせるために働き導いておられたのです。

もし仮に使徒達が、聖書に書かれていることを十分に知らずに、いきなりペンテコステの日に伝道をする力だけを与えられても、あまり意味がありません。
聖書のことをよく理解すること、そしてそれを伝える力、、、この二つが揃って、初めて全世界にキリストのことを伝える土台ができたと言えるのです。

では聖霊は聖書の何を悟らせてくれるのでしょうか。
46:ルカによる福音書/ 24章 46節
「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。

聖書にはたくさんのことが書かれています。
キリストの教えや、たとえ話、奇跡の話など、、、。
それらを詳しく知ることは大切でしょう。
しかし聖書の要約は何かと言えば、メシア、イエス・キリストが苦しみ、つまり十字架の苦しみをうけ死に、三日目に死人の中から復活することです。
これが確かに起こり、それによって私たちの罪の赦しが与えられ、復活の命が与えられて救われること、、、このことが聖霊の働きによって初めて分かることができます。

十字架と復活、、、言葉としてはたった二文字のシンプルなことかもしれません。
しかしこのことは、私たちの知識や知恵だけでは分かりません。
悟ることができない。
なぜなら死んだ者が復活するということは、私たちの感覚としてはあり得ないと思っているからです。
人間の知識、常識だけではキリストの十字架と復活は理解できない。
だからこの福音を理解するには、聖霊の助けが必要なのです。

復活されたキリストは、使徒達にご自分が死から甦ったことを示されました。
使徒言行録/ 01章 03節
イエスは苦難を受けた後、ご自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。

キリストはご自分が十字架の苦難を受けた後、甦って生きておられることを、使徒達に数々の証拠を用いて証明されました。
キリストは、弟子達にご自分の復活された姿を一回だけ見せて終わり、ではなく、何回も何回も確かにご自分が復活されて生きておられることを示されました。
そして今、キリストが十字架で死なれ復活されたことを示してくれているのは、聖霊です。

今の人達も様々なことがきっかけで、聖書に興味をもち、教会にいくことがあります。
日本人は宗教が嫌いと言われることがありますが、聖書自体に興味がある人は案外多いものです。
しかしキリストの十字架と復活を信じることはなかなかできない。
確かにそうだと思います。
あまりに常識と違うからです。
完全に死んだ人が生き返るというのはありえないではないか、
また、約2000年前に1人の人が十字架でかかった事が、なぜ今の私の罪をも背負えることになるのか、
空っぽの墓というのは、きっと弟子達が盗んだからではないか、、、このように十字架と復活をそのまま本当に起こったこととして受け入れられないのです。

しかし聖霊は、私たちに何度も何度も語りかけ、人間の知識だけでは理解し難いキリストの十字架と復活を信じられるように働きかけて下さるのです。

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2、
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2つめのポイントは、聖霊とは、父なる神が約束してくださったもの、ということです。

キリストは使徒達に命じられました。
4節「エルサレムを離れず、私から聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。
使徒言行録/ 01章 05節
ヨハネは水で洗礼(バプテスマ)を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によって洗礼(バプテスマ)を受けるからである。」

父の約束、、、それは使徒達に聖霊を与えることです。
あなた達は間もなく聖霊によって洗礼を受ける、と、そのように父なる神が約束して下さいました。
では神はなぜわざわざ聖霊を送ると約束されたのでしょうか。

それは、復活されたキリストが天に昇るからです。
2節 天に上げられた日までのすべてのことについて書き記しました。
キリストは天に上げられると。
このことについて詳しく書いてあるのは、
使徒言行録/ 01章 09節
こう話し終わると、イエスは彼らが見ている前で天に上げられ、雲に覆われて見えなくなった。

キリストが天に上げられてしまった。
弟子達から見たら、一緒にいたキリストがいなくなってしまうのです。
彼らの心情としては、キリストが一度十字架にかけられ、死んでしまい、自分たちの元からいなくなったと思っていたところに、復活されたキリストが自分たちの目の前に現れて下さいました。
彼らはどれだけ喜んだことでしょう。
「本当に主は復活された。こんなに心強いことはない」と思ったことでしょう。
しかし復活したキリストが、今度は自分たちの前で天に昇り、またキリストと自分たちと離れ離れに、いなくなってしまったのです。
非常に心細かったでしょう。
「え、またイエス様いなくなっちゃった。俺たちだけでどうしたらいいんだろう」と思ったかもしれません。
しかし神は、あなた達に聖霊を与える、と約束して下さいました。
それは彼らを一人にしないため、孤児としないためです。

私たちは、キリストが確かに甦り、そして天に昇って今や父なる神の隣におられることで、キリストを直接見ることはできませんが、今も主は生きておられると、私たちは信仰告白することができます。
しかしもしそれだけで終わってしまい、聖霊の存在がなければ、私たちはこの地上で残されたものとして、自分たちだけの力で、これからの人生を歩むことになってしまいます。

だから父なる神は約束されました。
あなた達に聖霊を送る。もうひとりの助け主である聖霊を与える、と。
そう、この父なる神の聖霊を送る約束というは、私たちを決して一人にさせないために約束されたことなのです。

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3、
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では私たちはどうしていけば良いのでしょうか。
3つめのポイントは、私たちは、聖霊の働きを信じて待つ、ということです。

キリストが使徒達に言われたことは、
4節「エルサレムを離れず、私から聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。
というものでした。

エルサレムは使徒達がこの時いた場所です。
そこから離れないで待ちなさいと。
これは使徒達にとってどういう意味があったでしょうか。
エルサレムというのは、使徒達から見たら敵の本拠地です。
自分たちの先生であるキリストを十字架で処刑した人たちがいた場所です。
だからキリストの弟子達も、もしこのままエルサレムにいつづけたら、捕まって処刑される可能性がありました。
このように、使徒達にとって命の危険があった場所が、エルサレムでした。
今の私たちで言うと、北朝鮮やロシアで戦争反対というプラカードを掲げながらとどまり続けるようなものです。

さらに使徒達から見れば復活されたキリストが、天に上げられていなくなるのです。
このように考えていくと、エルサレムを離れずに聖霊を待つ、というのは一見簡単そうに見えますが、いつ自分たちが捕まえられ、場合によって殺されてしまうかもしれない、という非常に緊迫感がある中で、聖霊が降るのを信じて待つことがどれだけ厳しいことかと思います。

私たちも、切羽詰まった状態の時に、聖霊の働きを待つというのがどれだけ難しいことでしょうか。
自分たちでとりあえず動いた方が早く解決するのではないかと思う時があります。
私の場合、とりあえず色々と行動した方がいいと思って、忙しなく行動してしまうタイプなので、じっと待つこと、その場を離れずにいることというのは難しく感じることが多いです。
この前も、ある問題が起こった時に、色々と行き当たりばったりに動き回ったことがありました。
しかしそのような中でも、一旦一呼吸し、聖霊の働きを信じ待つ。
たとえ問題が次々と襲ってくる時も、渦中にいる時も、聖なる神の霊が私たちを助け導いて下さることを信じて、心を静めて祈りながらその働きを待っていく。

今や、キリストを信じる者には、聖霊が与えられると神は約束されます。
そして信じる者には確かに聖霊が私たちのうちに共におられます。
それは私たちを決して一人にしないためです。
この聖霊は、私たちの心の目を開いて、聖書を悟らせて下さいます。
キリストの十字架と復活が、私たちのためであり、神がひとり子さえも与えるほどに私たちのことを愛してくれていることを聖霊を通して知ることができる。

そして私たちが、たとえ敵や批判に晒されている時も、様々な問題が襲いかかってくる時も、聖霊が私たちを今日も助け導いて下さることを信じていくことができる、、、これが、聖霊が与えられたキリスト者の生き方です。

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結語 共同体 神の語りかけ
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聖書は言います。
使徒言行録/ 01章 04節
そして、食事を共にしているとき、彼らにこう命じられた。「エルサレムを離れず、私から聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。

今日は聖霊をテーマに3つのポイントで見てきました。
1つめ、聖霊は、聖書を悟らせる
2つめ、聖霊は、神の約束である
3つめ、聖霊の働きを信じて待つ
ということです。

キリストは今日も語りかけて下さいます。
「私は確かに死から甦り、今も生きて父なる神の隣であなたたちのために祈っている。
そしてあなた達を決して1人にすることはないように、わたしのもう1人の助け主である聖霊を与えている。
この聖霊の導きに身を委ねながら歩んでいきなさい」と。

だから私たち教会は、父なる神が約束し与えて下さった聖霊によって、聖書を理解し、福音を伝えていこうではありませんか。

祈ります。
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祈り
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天のお父様、あなたは弟子達に聖霊を送ると約束されました。
それは、キリストが天に昇ることがあっても、私たちを一人にしないためです。
だから今日も私たちは、聖霊を通してあなたが共におられると信じることができます。

そしてこの聖霊は私たちに聖書を深く知る力を与えて下さいます。
それによって、キリストの十字架と復活を信じることができます。
どうか、このキリストの福音を伝えるものとして私たちに力を与えて下さい。

イエス様のお名前によって祈ります。
アーメン。

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