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「週刊金曜日」(2022年12月2日号)にジーナ・アポストル『反乱者』(藤井光訳、白水社)の書評を書きました。

本書はフィリピン出身の作者による、超絶メタフィクションです。現実と虚構の混淆。物語の輪郭が変容する脚注。バラバラに振られた章の番号。読みの快楽に満ち満ちた最高の小説なんです。

物語のあらすじを簡単に説明することは困難を極めるので気になる人は書評を読んでほしいんですが、こうしたメタフィクション的な構造を通じてフィリピンでかつてあった虐殺の記憶を呼び起こす、たくらみそれ自体に切実さが詰まった長篇でもあるんです。読書会にもってこいの本ですね。

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