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井上雄太。語る。西野波音、新作短篇映画『+、○○で逢えたら(仮)』 【Part 2】

Interview with Yuta Inoue
on the short film “And, if we could meet at ○○...”(part 2)

 西野波音監督の新作短篇『+、○○で逢えたら(仮)』には、2人の主人公がいる。ひとりは、想いを伝えられなかった女性。もうひとりが井上雄太演じる『想いを伝えられない男性』だ。
 天候による2カ月の延期を経たとき、この作品は監督の意思で変化を遂げていた。同時に、強烈な暑さの中でのオール屋外ロケ。インタビュー2回目は、その状況で井上が西野監督に働きかけたことを中心に語ってもらう。

撮影/横山新一 文/あらいかわこうじ

ーー『+、○○で逢えたら(仮)』は、2カ月の撮影延期がありました。役に何か変化が生じましたか?
井上雄太(以下、井上):監督が(笑)、台本を書き直したので……、わかりやすく僕が挙動不審になる会話がなくなったんです。最初にある女性(越原小百合)から盗撮を指摘されるところ以外は、そこまで騒がしくない人になっていました。内気な要素が強くなって、ちょっと感じが変わったかもしれないです。

ーーその会話は、最終的に復活したそうですが。
井上:多分、監督が修正した台本でも演じられましたけど、どうしても以前の台本にも面白さがあったなと思ってしまって。ある意味では、この役の人となりがそこでわかりやすく出るものでした。それに僕の演じた男性が持っている『想い』に対する思考は、若いからこその純粋さから生まれていると思うんです。そのピュアな部分も出せるというか。だからこそ、必要だなと復活してもらいました。

ーー当初の予定では6月初旬だった撮影は、7月末の酷暑の中だったんですよね?
井上:衣装を着て動くと、思っていたよりも汗をかきましたね。僕の場合は髪がくせ毛なので、汗をかきすぎると髪型が変わっちゃうなと気になっていました(笑)。でも、撮影の現場はそんなものですよ。快適な現場ばかりではないです。それよりもずっと動いてくれていたスタッフさんの方が大変だなと思っていましたね。

ーー西野監督の撮影は、長回しが多いというのも伺っています。
井上:(笑)。大体の役者が同じ答えだと思いますけど、長回し自体はみんなやりたいはずです。それで成立するならやった方が絶対にいいと思います。芝居もつながるし、集中力も保てるし。もちろん、ハードなスケジュールの中で昨日渡された台本が長回しになったら「ちょっと待ってください。時間をください」ですよね。でも、今回は準備期間が十分ありました。「その長回しは無理です」という役者がいたら、それは怠慢です(笑)。現場に来たら長回しの準備もしているのが前提だと思います。現場の状況的にやるかやらないかはわからないですけど、できるならやっちゃった方がいいですよ。楽しいですから。

ーー難しさを感じたシーンはありましたか?
井上:難しかった? 難しかった……、うーん……、あえて言えば、最初にエンディングを撮ったことです。テンションの加減とか技術的なものもありますけど、内面的な準備をちゃんとしないといけないシーンだったので。

ーーテンションの加減は、その場で決まったと聞いています。
井上:台本ではもう少しテンションが高かったんですよね。ただ、エンディングは観る人によって捉え方が変わると思っていて。どういう捉え方をされてもいいように、と考えた結果でした。
(Part 3につづく)


いのうえ・ゆうた
大阪府出身。
主な出演作は、映画『ラオス 竜の奇跡』、ドラマ『アリバイ崩し承ります』、舞台『貴方なら生き残れるわ』(劇団た組。)など。2023年は、『Wasabi-not a fairytale』のほか映画数作品の公開を控えている。


●撮影協力/tad bottle&bar
https://www.instagram.com/tad_bottle.and.bar/?hl=ja)

●取材協力/カフェテーロ葉山(https://www.instagram.com/cafetero.hayama/?hl=ja

●衣装協力/KEY MEMORY
https://keymemory.co.jp/


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