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井上雄太。語る。西野波音、新作短篇映画『+、○○で逢えたら(仮)』 【最終回】

Interview with Yuta Inoue
on the short film “And, if we could meet at ○○...”(part 3)

 西野波音監督の新作短篇『+、○○で逢えたら(仮)』には、2人の主人公がいる。ひとりは、想いを伝えられなかった女性。もうひとりが井上雄太演じる『想いを伝えられない男性』だ。
 そんな井上に対するインタビュー最終回は、撮影を終えたからこそ聞いてみたかった西野監督やその現場の雰囲気、そしてこれからの俳優・井上雄太のことが話題になっていった。

撮影/横山新一 文/あらいかわこうじ
ヘアメイク/aya

ーー西野監督の演出には、何か特徴的なものがありましたか?
井上雄太(以下、井上):割と任せてくれることが多かったので、自由にやらせてもらえた感覚です。そういう環境が役者にはとてもいい気がします。もちろん、どっちがいいかなというところは監督がちゃんと判断してくれました。後は監督がOKを出せば、それがすべてですよね。いろいろな考え方はありますけど、映画は監督のものです。僕は、確実にそう思っています。だから、ここからは「好きにしてください」と言いたいです。

ーー西野監督の現場に関して、感じたことはありますか?
井上:少ない人数のチームで撮影していく現場はありますけど、ほかの現場の方がバタバタしていたと思います。今回は、ロケ地になった多摩市のたまロケーションサービスの方に立ち合っていただいたので、「人が来ているから、早く!」とか焦ることがなかったです。もちろん、陽が沈む前に撮り終える必要はありましたけど、それほど集中力を阻害されることのない現場だったと思います。

ーーところで、芝居をしながら、「面白い!」と感じる瞬間は?
井上:僕の場合、舞台よりも映像の方が面白いと思うことは多いです。最近だったら、昨年撮ったヘマント・シン監督の『Wasabi-not a fairytale』。本当に自由でした。それこそ演出はほとんどなかったです。こっちで考えて演じることが基本でしたね。そういう現場に出会えると、面白いと思います。

ーー最後に、これからの俳優・井上雄太に期待することは何ですか?
井上:もうすぐ9年かな? それだけの時間を俳優の世界で過ごして、自分はどういう人を表現できるのかなと考えるようになっています。たとえば、何でもできる人ではなくて、不器用な人や何かを失った人を演じたときによく映ると自分でも思ったり、他人に言われたりします。そういう人の気持ちが分かるタイプなのかなと。僕は昔から陽気なキャラでもなく、めっちゃ暗いわけでもない人でした。俳優の世界にそういう普通の人がいて、そういう役をやることで真実味が増すなら俺にやらせてほしいと思います。

ーーそういう点で、気になる俳優はいますか?
井上:役所広司さんは好きな俳優です。共感するのはなかなか難しい強烈な役を演じることもありますけど、『Shall we ダンス?』のような社交ダンスにほんの少し希望を見出そうとするうだつの上がらないサラリーマンを演じる姿が僕は大好きです。実際、そういう人生を送っている人は多いと思います。僕はその気持ちがほかの人よりもわかると思っているので、そういう役も魅力的に表現できる俳優でありたいと思います。


いのうえ・ゆうた
大阪府出身。
主な出演作は、映画『ラオス 竜の奇跡』、ドラマ『アリバイ崩し承ります』、舞台『貴方なら生き残れるわ』(劇団た組。)など。2023年は、『Wasabi-not a fairytale』のほか映画数作品の公開を控えている。


●撮影協力/tad bottle&bar
https://www.instagram.com/tad_bottle.and.bar/?hl=ja)

●取材協力/カフェテーロ葉山(https://www.instagram.com/cafetero.hayama/?hl=ja

●衣装協力/KEY MEMORY
https://keymemory.co.jp/


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