勝たなきゃ、金じゃなきゃ、意味ないの??

記事の初公開日:2016年 08月 28日

朝TVつけたら「サンデーモーニング」のスポーツコーナーだった。
親分がいなくなってからの張本氏のコメントが好きでないので、見なくなっている番組だ。たまたまチャンネルがそこだったのが不幸。そして今日もきになる発言をした。オリンピックのメダルについて、銀、銅をよろこんでいるが、上には金がある。金以外は意味がないとう感じのコメント。
そうなのか?一番上を目指すのが選手だからそう言う選手もいるだろう。でもこの言葉を選手以外が言うのは違うと思う。ましてその場はオリンピック。オリンピックの本質から外れるじゃないか。オリンピックの本質なんて綺麗事と言われるかもしれないが、この建前があるからこそオリンピック競技は感動を呼ぶのじゃないかな。
決勝戦で負けた女子レスリングの吉田選手の姿は絶対に忘れない。試合終了と同時にマット上で泣き崩れた吉田選手の後ろ姿を見ながら、ある姿が蘇った。
2013年、リーグ優勝を逃してしまった試合終了時、ピッチに突っ伏して泣き崩れた中村俊輔選手の姿。
二人とも勝てなかったことで大きなものがするりとこぼれ落ちた感覚だったろう。そのとき「勝たなきゃ意味がない」って思っただろう。
そうそんなとき、それを実感した選手が言うのはまちがっていない。
でも見ていた私たちは本当にそう感じたかな。残念だと思うけどいろんなすごいシーンを見せてもらった。がんばったね、お疲れ様、という気持ちや、不甲斐ないぞもっとしっかりしろよと叱咤する気持ちの方が素直にでてくると思う。

勝たなきゃ意味がない、金メダルじゃないと意味がないという言葉は本当にそう感じた当事者だけが言える言葉。そして、その言葉は本当は表にだしてはいけない言葉のような気がする。だからこそ感情の高ぶったときにポロリとでてくるのだろう。

だから、そんな言葉を応援する人や記者や評論家が安易に使うのは好きになれない。自分が冷静でものの見えた人間だということをアピールするために安易にその言葉を使うのはやめてほしい。それがプレーヤーに対する敬意だと思う。

昨日の天皇杯初戦、Vファーレン長崎の選手たちは勝ったが、決して満足のいくプレーをしたわけではなかった。応援しながら、何度も臆病にならないで!最後まで走りきって!と叫んでしまった。でも木村選手の2ゴールには歓喜したし、久しぶりの碓井選手や北川選手のプレーを楽しんだ。できれば昨シーズンのように大量得点で余裕のキーパー交代で富澤選手デビューという甘い夢も見ていた。
私たちがスポーツの中に見る物は勝ち負けだけではない。
だから、試合を終えた選手たちに、勝ち負け、敵味方関係なく感謝の気持ちを伝えたい。選手バスを拍手で見送りたくなるのはそんな気持ちから。
自宅にかえってtwitterを見たらタイムラインにヨンジ選手のコメントが。
反省と悔しさに溢れる気持ちから絞り出した言葉。これをつぶやくには相当の覚悟があるんだと思う。
だから次の試合での彼のプレーを期待を込めて見たいと思う。

サポーターも観客も評論家もライターも忘れてはいけない言葉はひとつ
「プレーヤーズ ファースト」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?