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自分の絵のルーツ 「虹色の鉛筆。」
はじめに
自分はアーティストとして、主に楽器演奏と絵画制作及びデザインを生業としています。
楽器演奏はヴァイオリンとピアノを用いて演奏し、イベントなどではカバー曲などをよく演奏しますが、オリジナル曲ではアンビエントな音楽なども演奏します。
それと変わり種なネタとして、長ネギで音を鳴らす「ネギバイオリン」と言った特技があります。
詳しくはYouTubeチャンネルを参考にしてみてください。
絵画の方は絵を描いたりポスターをデザインしたり、広告マンガを描いたりしていますが、どんな絵を描くかについては、絵をそのまま見て頂くのが一番早いでしょう。
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本記事では自分が絵描きとして、アーティストとして今に至るまでの簡単な略歴を紹介します。
小学生の時
幼かった頃は、もともと絵を描くことというより、漫画を描くことが好きで、小学校の卒業文集には「漫画家になりたい」と書いていました。また、短い期間ではありましたが、兄と一緒に美術教室にも通っていました。
スターウォーズを真似たストーリーの漫画や、当時家で飼っていたウサギやハムスターの絵やまんがが、実家に沢山残っています。
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中学生〜大学生
中学生の時は音楽高校進学に向けた受験勉強で忙しくて、絵を描いていた記憶がほとんどありません。美術の成績も普通に良くなかったです。高校になって落ち着いた頃から、休み時間などに色鉛筆で描いていました。
たしか当時仲の良い友達が描いているのを見て、自分も見よう見まねで一緒に描き始めたのがきっかけだと思います。
その後、大学は芸術学部の音楽科に進学しました。学部内の一部の講義は学科に関係なく受講することが出来ましたが、美術学科やデザイン学科など、絵に関係のある講義は4年間全く取りませんでした。
高校の頃から変わらず、絵は趣味で描いていた程度でした。
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卒業後(2012~2015)
大学を卒業はしたものの音楽の仕事がすぐに見つからなかったため、デジタルの絵でなんとか仕事を見つけたり、飛び込みで仕事をもらったりなど「即戦力になる」という、割と現実的な理由で絵を描いてました。
それと、当時は作曲を習っていて、作曲といっても自分は現代音楽が好きなため、一般的な音楽理論や作曲法に基づいた曲を作るのではなく「マンガの楽譜を作りたい」という発想から、楽譜に見立てた漫画などを作っていました(あんまりいい形にはならなかった)。
影響を受けたアーティスト
学生の頃から絵の個展などにはちょくちょく足を運んでいました。元々絵を見るのが好きなので、一人で見に行き、お気に入りの絵を見つけたらずっと眺めていたりします。
中でも印象に残っているのが、村上隆さんの個展で、壁を覆い尽くすような巨大な絵画に、幾層にも重ねられたスクリーン、眼を凝らさなければ見えないほど緻密に描かれた細部、鮮やかな色使いなどに衝撃を受けました。
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音楽もそうですが、自分は抽象画や現代アートが好きで、特に好きなアーティストはマーク・ロスコとジャクソン・ポロックです。 ロスコを知ったきっかけは、YouTubeで現代音楽家のモートン・フェルドマンの音楽のサムネイルに使われていたのを見たのがきっかけで、ある意味で自分自身の目指している絵画表現の完成系でもあります。
ポロックも同様に、後述する自分にとっての色選択の解放が、彼のアクションペインティングの影響も受けていると思います。 その後は色んな展覧会や美術史などを通して色んな画家を知っていきましたが、やっぱり自分にとって絵画表現の根っこに位置するのはロスコとポロックの二人です。
東京に来てから(2016~2019)
2016年ごろから東京で暮らすようになり、YouTubeチャンネルを作ったのもこの頃からで、色々なことに挑戦していた時期です。
その一つとして「Twitterでバズらせたい」という気持ちがあり、絵とか漫画を描いて、何度かバズったり炎上しました。Twitterのフォロワーが1万人くらいいるのはその時のもので、当時はけっこう貪欲に作っていました。
頭の良い人と悪い人の物の見方の違い pic.twitter.com/veezNfo7HO
— ながりょー🎻🎹🎨 (@micorun) May 27, 2017
この時は「どんな人にも分かりやすい絵柄と表現内容」をコンセプトに作っていました。デフォルメイラストの画風が定着したのはこの頃からです。
画風の確立(2020~2021)
東京での暮らしにも慣れ、生活も一旦落ち着いてきた頃に、デジタル絵から再び色鉛筆でのアナログ絵も再開しました。
この頃はネットの流行でもあった、写実的な表現で描いていました。
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キャラクター的なデフォルメイラストと、色彩的な芸術寄りな絵の2種類が自分の絵柄と呼べるようになってきました。
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色使いのきっかけ(2021~)
昔から絵を描いている時にいつも色を選ぶことに悩んでいて「固定観念や自分の考えにとらわれない、いろんな色が描ける虹色の鉛筆が欲しい」と思っていました。
ある日実家に帰って絵を描こうと思った時に画材がほとんど家になく、しょうがないから何本か欠けている色鉛筆セットを使って描くことにしました。
使える色が少ないため、上手く色を混ぜたり重ねたりしないと、正しい色が塗れません(例えば人の肌を塗りたいのに、肌色が無かった等)。
そこでいっそのこと、最初に手に取った好きな色を使って、モチーフに捉われずに好きなように描くことにしました。
その途端、自分の中で何かが開いたように、これまで悩んできた色の選択と、自分の求めていた色彩表現が繋がりを見せました。
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「虹色の鉛筆」は元々自分の手に持っていたことを確信できた、大きな出来事でした。
これがきっかけで自分自身の「描き方」が見つかり、絵を描くことが本当に楽しくなりました。
当時はデジタルの時も、先に挙げた写実的な絵を描いている時も、ラフやデザインをしている初期段階は楽しいのですが、完成が近づけば近づくほど、粗が気になったり思い描いていたのと違う、などといった不満があって、心の底から楽しめていない自分がいたのですが、今はそう言った悩みが無く「自分が本当に描きたい絵」を描くことが可能になりました。
絵と音楽の共演
同じように普段演奏している音楽も、絵と同じように好きな音を好きなように選ぶようにしてから、悩みが晴れたのと同時に、少しずつ絵と音楽の境界がなくなり始めてきました。
そうして絵と音楽の活動を続けていき、機会を得て描いた絵の展示と音楽の演奏を行う、自主企画を公演しました。
音楽も絵も何十年とやってきて、ようやく自分の世界観、個性や作家性と呼べるものが定まってきました。
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ストリートピアノのペイント
休日の楽しみとして、2020年ごろからストリートピアノの場に足を運び、自分も演奏をしていた中で、縁があって2022年12月に、さいたま新都心駅に置かれたストリートピアノのデザイン及びペイントをさせて頂きました。
作業は駅構内で行い、その間に知り合いの方々が応援に駆けつけて下さり、完成披露宴も大きく盛り上がりました。
このペイントでも自分の色彩を活かしたいと思い、色鉛筆や水彩絵の具が使える下地塗料を選んで塗装したり、おおよその設計図やイメージはありましたが、実物は筆に身を任せてかなり自由に表現したものになっています。
ストリートピアノを描くのが初めてなのはもちろん、自身としても一番大きなサイズの作品になりました。
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自分にとっての絵とは
絵は『心の中を写す鏡』だと思っています。
自分自身は専門的な絵画技法を学んでいませんが、これには理由があって「上手く描く絵の描き方を覚えてしまうと、上手い絵を描こうとしてしまうから」です。
特に音楽の方面では、受験勉強から始まって学校でも履修していたこともあって、理論や演奏技術などは最低限学んできたのですが、自分自身の芸術表現としてはそういったアカデミックな知識は一長一短になっている経験があり、長所としてはきちんと音楽を形にできる反面、短所としては自分の中にある自由度を狭めてしまうことにあります。
専門的な学校への進学や、アートの方面でもチームでの仕事や生活を成り立たせる場合は、知識や技法は必要不可欠だと思います。
ただ、アートに自由を求めている自分にとってはそれだと本末転倒で、色で悩んでいた時は色の選択に不自由を感じていたぐらいですから、恐らく学べば学ぶほど、筆が動かせなくなり、やがては描けなくなってしまうと思います。
とはいえ、色相や構図など、最低限のことは学んでいるつもりなので、理論を無視するという意味ではなく「詰め込み教育的な学びを避けている」と表現した方が良いかもしれません。
前にも記事に書いた気がしますが、描く人の心は、その絵が抽象的であればあるほど、鮮明に現れます。
そもそも大人になればなるほど、抽象画を描くことは難しくなります。
でも心の内面を表現するのであれば、上手い下手は関係ありません。
心を表したければ、鉛筆さえあればなんでも描けるからです。
将来やってみたいことの一つとして「人の心の抽象画展」という展示会をやってみたいです。
アマチュア、というより色んな年齢や職業の人たちが描いた抽象画を展示する企画で、絵にその人の略歴や人物像を添えたら、絵を見ているのか人を見ているのか、面白い錯覚が起こりそうな予感がします。
描く本人にとっては、それは自分の内面を見つめる一種の瞑想のような感覚になり、そのような感覚こそ、自分が絵を描くのが好きな理由の一つです。
いろんな画材を試したり、使ったりしていますが、やっぱり一番好きな画材は色鉛筆です。
どこまでも細かく、繊細なタッチで表現できるのが好きな理由です。
いつか壁一面サイズの絵が描けたらいいなぁ、と夢を抱きながら、これからも描いていきたいです。
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