お金のいらない世界へ-19 金利について考える。
私の母は「住宅ローン2,000万円を30年で組んだら、30年での支払額は4,000万円位になるの・・・」とよく嘆いていました。現在でも35年ローンで住宅を購入する人たちも多いと思います。低金利とはいえ35年の単位で見たら、元本と同じくらいの利息を支払うことになります。
(でも月々数万円ですから、そんなに負担ではないし、住宅を建てることで住居を得られ、職人さんの仕事、銀行も金利が稼げ、国もインフラ整備でき、信用創造でお金をつくれる、基本的には一挙両得)
実は、中世までのヨーロッパでは金利は禁止されていました。シェークスピアの『ヴェニスの商人』で、ユダヤ人・シャイロックは「意地汚いユダヤ人め、お前は親・兄弟、友人にお金を貸す時に金利をとるのか」と罵られたセリフを記憶しています。
(ユダヤ人同士では金利は禁止だが、異邦人であるキリスト教徒からは利子の徴収はOKであった)
イスラム教徒はつい最近まで金利の概念さえ理解できなかったらしいです。なぜお金を貸したら、余分にお金を返してもらえるのか意味が分からない、との事。
一方で、
マンガ『ナニワ金融道』の社長のセリフ「年利30%といったって、ワシが泥水啜って儲けた100万円を、銀行から借りることもできへん得体の知れない奴に無担保で1年貸すんや!バンザイされて夜逃げされる事も多々ある。そんなリスクを冒しているのだから、利息を一年で30万円とっても安いものや」と言っていた。これを聴くと“なるほど”とも多少なり納得できる。
だけど、銀行は信用創造(高校の政治経済の教科書に書いてあります)できるので、「100万円の貯金を預かって、その分の100万円だけを貸出しできる」訳ではありません(街金とは違う)
2021/11月現在、預金準備率は0.82%なので、8200円預かったら、100万円まで貸出できます。だから、ほぼ自由にお金をつくることが出来るのです。ただ通帳に書き込むだけの行為でお金を創造できるのがこの制度。
その貸出金から超低金利の数%とはいえ毎年定期収入(金利)が入る。こりゃ銀行ボロ儲け、駅前の一等地に支店を構え、銀行マンは高給取りというのも納得できる話です(いま状況は変わりつつありますが)
現在の資本主義では、金利の存在は当然あるし認めざるを得ないです。しかし金利や信用創造について学び知ることは大切だと思いました。
(おしまい)
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