ノスタルジーの扉は開いたまま
数少ない得意料理の中にナポリタンがある。
ナポリタンは様々な料理の中で、心のノスタルジーの扉を開けるものの一つ。
食べると幼少期の記憶とリンクする。
学校から帰ってきた昼食。
母に連れられた喫茶店。
家族で行ったデパートの高層階のレストラン。
どの記憶も空は晴れていて、陽光や月光でキラキラしていた。
そんな幼少期に食べたナポリタンには遠く及ばないが、そんなノスタルジーを意図した訳でもなくたまたま得意料理になったナポリタン。なかなか美味しく出来た気がする。
ノスタルジーの扉は未だ閉まってくれなくて、開いたままだから感傷に浸ってしまいがちだけど、それも悪くはないと思う。
浸った感傷の数だけ、あの頃の自分に帰れる様な気がするから。
またナポリタンを作ろう。
ノスタルジーの扉を開けに行く。
その先に見える景色を抱きしめに行く。
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