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二千円札のお守り

財布の中にお札が一枚もないことに気付いてから4~5日が経つ。

おろして来なきゃと思いつつ、会計をしようとしたときにやっと気付く。

足りないか?
足りないか?

それでもどっこい、生きている!

財布の中には、数年前に山下社長からもらった二千円札が一枚だけ入っている。

「これ、お守りにしときな」

山下社長はピンの二千円札を一枚くれた。

だからこの二千円札は、お金ではなくお守りなのだ。

ピン札はすでにヨレヨレになり、すっかり使い古された感じになっているけれど、もらった日からずっと財布の中にいる。

もしもお金がなくなったときのために、ずっと財布の中にいる。

だからどっこい、生きている。
だからどっこい、生きている。

二千円札のお守りは、今日も財布の中にいる。

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