卒業から半年たった山岸理子さんへのラブレター
ばくわら世代、それはハロプロにおける1998年度生まれのメンバーのことを指す。
もとはりなぷ(勝田里奈)がブログで「爆笑」のことを「ばくわら」と称したのがはじまり。本稿を書く僕もばくわら世代のひとりだ。
「ばくわら世代」といえば先述のりなぷだったり、かりん(宮本佳林)やさやっしー(鞘師里保)が有名だろう。もちろん、彼女たちの残した実績は言うまでもなく素晴らしい。
けれども、僕にとって一番のばくわら世代は山岸理子だ。彼女がハロプロを卒業してからもう半年が経つ。ハロヲタになって初めて経験した、同い年のメンバーの卒業。思うことは色々あった。
樹々(浅倉樹々)が卒業してから約2週間後、きしもん(岸本ゆめの)とともに卒業することが発表された。
もう25歳になるし、セカンドキャリアのことも色々考えてるだろう。いずれ旅立ちの日を迎えることは理解しているはずだった。薄々覚悟はしていた。
でもダメだった。身体全体が目の前の事実に拒否反応を示していた。手足はガタガタ震え、あふれる感情を抑えることができない。まるで親に叱られた小さな子供のように泣きじゃくっていた。
舞台女優という新たなステージへ歩み出す。その決意の強さは並大抵のもんじゃない。旗揚げから引っ張ってきたグループを巣立つ決断なんて、そう簡単にできるわけない。
メンバーひとりひとりが頼もしいので、これからのつばきファクトリーをもっともっと素敵なグループにしてくれると思います
残されたキャメリアンたちに絶大な信頼を寄せている。だからこそ安心して自分の夢を追いかけに行くことを決めた。そんな清々しい思いに、嘘偽りなんてあるわけがない。どこまでもポジティブで前向きな卒業だ。
だからその決断に対して、素直に「頑張れ」と言えばいいだけなのに。背中を押してあげればいいだけなのに。自分たちがどうこうできることじゃないというのは分かっているはずなのに。
悔しいのか、寂しいのか、辛いのか...
あまりにも色んな感情がごちゃ混ぜになっていた。
卒業コメントには、理子の人柄が色濃く滲み出ていた。真っすぐて澱みのない言葉に、何度も何度も胸をつぶされ、心が強くしめつけられた。
あのときは毎日のように泣いていたし、受け入れるのに相当時間がかかった。卒業まで残された日にちが減っていくことが、本当に辛くて苦しくて…
でもそう思えるのは、それだけ自分にとって大きな存在だったからなんだなと感じている。
そして11月6日、奇しくも最後のつばきファクトリー現場からちょうど1年が経つ日、長いようで短いようなカウントダウンが終わりを告げた。
大舞台に対する高揚感と緊張感、いなくなってしまう寂しさ…いろんな思いが駆け巡る中、九段下に足を踏み入れた。
でもそのとき感じていたネガティブな気持ちは、すぐに遠く彼方へ消え去った。
ラストだからって変に気張るんじゃなくて、前向きにチャレンジするのを忘れない。最後の最後まで本気でアイドルする姿には、元気と勇気をもらった。
日本武道館を埋め尽くす無数のライトグリーン。どこまでも色鮮やかで、爽やかで、理子の性格のように優しい世界だった。愛と希望に包まれたあの空間は、一生忘れられない宝物だ。
正直言って、今までで一番泣いた。持ってきたタオルは、終わるころにはびしょ濡れだった。
でもあのときの涙とは意味が全然違う。後ろ向きっていうことじゃない。最高の晴れ舞台に立ち会えたことが、本当に幸せだった。これ以上なくかっちょ良かったな。
つばきファクトリーに巡り合わせてくれたこと。グループを必死につないできてくれたこと。最後に日本武道館という素晴らしい舞台に連れてきてくれたこと。
そして何より、山岸理子が僕にとって心から愛すべき存在であったこと。
今更だけど、本当に感謝してます。
ありがとう。
そこから約2ヶ月後の今年1月18日、紀伊國屋ホールでの初舞台を観に行った。そこに咲いていたツバキは、この世のどんな花より強くてたくましいツバキだった。
他の役者さんたちも、様々な舞台に出演している経験豊富な人ばかり。なんなら彩凪翔さんは元タカラジェンヌだ。
そんな中でも迫真の演技でストーリーを盛り上げ、誰にも負けない存在感を放っている。血のついた制服姿で見せたあの表情。柔和な見た目とのギャップに心が震えた。
理子がアイドルから生まれ変わり、本物の舞台女優になっていた。
ステージが変わっても活躍する同い年の姿が、こんなにも誇らしいなんて。自分が言うのもおこがましいけど、やっぱり理子はすげえな。
気がつくと、涙が一気にあふれ出てきた。人生初の舞台観劇で、ここまで心を動かされるとは想像していなかった。
幸せと言ったら簡単かもしれない。けれどもその一言なんかじゃまとめきれない。今でもあの時の感情を表す適切な言葉は何なのか分からない。
だけど固く心に誓った。
OGになっても、変わらず応援する。
またいつか、出演する舞台にも足を運びたい。
今まであふれんばかりの愛をもらってきた。だからこそそれを少しでも返せるように、精一杯僕も愛していきたい。
ホンワカした見た目とは裏腹に、自分の中にしっかりと信念を持ち、いざというときには率先して行動してきた。時に悩みながらも、自分らしいリーダーとは何かを模索し、仲間によりそってきた。
頼りないなんて一度も思ったことはない。理子がリーダーだったからみんながついてきたんだし、僕もつばきファクトリーが好きになれた。
胸張って、自信もっていいよ。
ハロプロから去った今でも心からそう思えるのは、今まで理子が心血を注いで頑張ってきたから。「最新が最強」だってことを常に体現し続けてきた。
きそら(新沼希空)の卒業が間近に迫っているけど、この先もつばきファクトリーが続く限り、最強を更新し続けると確信している。新メンバーも入ったし、これから先も楽しみで仕方ない。
理子がしっかり基盤を作ったからこそ、今いるメンバーものびのびやれている。理子じゃないとダメだった。今も本気でそう思ってる。
今かなえたい夢がきっとあると思います。それが全部かなうと信じてるし、かなってほしいと心から願ってます。
選ぶべき答えが何なのか、今はどうだっていい。
終点はなんだっていい。
これからどんな道を歩んで行こうと、それは絶対に間違いじゃないと信じてる。あなたが幸せであれば、それだけで僕たちも幸せ。
理子なら大丈夫。
絶対大丈夫。
本当に強い人だってことは分かってる。
壮大な夢をかなえた先でまた会えることが、今から楽しみです。そのときまで、そしてこれからもずっと応援しています。
山岸理子さん
今もこの先も変わらず、世界で一番大好きなリーダーです。
とある一人のヲタクから、愛をこめて。
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