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ワークマンの戦略から考える、CXで重要なこと‐vol.11‐

今回はワークマンの戦略からCXを考えてみたいと思います。参考書籍はワークマン式「しない経営」です。

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実はこの本を読むまでワークマンにいったことがありませんでした(笑)
ただ、この本は色々な企業にとってお手本になる経営手法で、とても感動してしまい、つい近所のワークマンに足を運んでしまったことです。

広告費をかけないアンバサダーマーケティング

ここの会社から読み解けるCX戦略は、①アンバサダーマーケティングと②どこにも負けない製品だと思っています。ここではアンバサダーマーケティングについて述べたいと思います。
まず、ワークマンでは「アンバサダー」と「インフルエンサー」の違いをこう定義しています。

・アンバサダー:その企業や商品を本当に好きなファン
・インフルエンサー:(その企業や商品を好きではない可能性もある)有名人

インフルエンサーの方が世間的には影響力は非常に高いですが、一過性になりがちです。
ワークマンは数万や数十万程度のフォロワー(これでも凄いですが)でも、とにかく好きなファン層(アンバサダー)を味方にしています。なぜなら、アンバサダーは実際に商品を使っていたり、消費者の目線で何が改善点なのか教えてくれるから。ワークマンはこのような方達の一切報酬は払いません(報酬を与えると良い面ばかりを話してしまうため)。しかし、宣伝してくれる代わりに店舗のPOPに載せたりしてアンバサダーのフォロワーを増やすような取り組みはしています。
アンバサダーの1人が「狩女子」Nozomiさん。元々は東京で営業の仕事をしていたようで、おばあちゃんの畑がイノシシの被害に遭ったのをきっかけに、猟師になることを決めたそうです。ある店舗で「ワークマンばかりを着ている狩女子がいる」という情報を聞き、広報スタッフが茨城県まですぐに会いに行き、アンバサダーとして製品開発への協力をお願いしたそうです。

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Nozomiさん監修の「MIXING(ミキシング)レインパーカー」は、狩猟時に携帯する荷物が多いことから、背中にポケットをつけるなど収納性にこだわっているそう。

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このようにしてアンバサダーの意見を取り入れながら共同で商品開発し、アンバサダー監修の商品は信じられないほどの売り上げを記録するんだそうです。

生活者の視点を取り入れるだけでなく、共同開発することがCX向上につながる

生活者の声を聞いて商品改善に生かす取り組みは、多くの企業がされていると思います。しかし、実際に使うのは生活者。商品のディテールやデザインを一番分かっているのも生活者だと思います。
今までのCXは「顧客の声を聞く」だけに留まり、結局は自社目線の商品開発になっていないでしょうか?
これから求められるのは、商品を利用してくれる生活者と共同開発することが主流になり、これがCX向上に欠かせない取り組みと考えます。

次回予告!

次回は②の「どこにも負けない製品」について書きたいと思います。

参考書籍・URL

https://workman.jp/shop/g/g2300068505027/
https://www.nonchannozomi.com/posts/7860090/


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