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OMOを実現するハイタッチ、ロータッチ、テックタッチとは?

前回の記事では著書アフターデジタルでも有名な「平安保険のCX戦略」についてご紹介しました。

今回は、平安保険でも少し触れた、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの考え方やOMOとの関連性について書いていきたいと思います。個人的にはこの考え方やOMOやCXの本質を突いていると思います。

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチとは?

アフターデジタルではOMOを「常時デジタルで接点を持っていて、たまにリアルで出会う=デジタルにリアルが内包されている」のように定義しています。(確かこのようなニュアンスだったはずですが、間違っていたらごめんなさい)
スマホは常時持ち歩いていますし、どこにいてもオンラインで繋がっている状態が当たり前かと思いますが、このオンラインでの接点は高頻度な接点となり、これを「テックタッチ」と呼んでいます。例えば、メール・SNS・デジタルコンテンツなど。
一方で、ワークショップやイベントなど、同時に複数人を対応するリアル接点を「ロータッチ」、さらに特定の人に対応するような接点になると「ハイタッチ」と呼んでいます。
以下にイメージを載せておきます。
※アフターデジタルを元に作成

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ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの特徴を生かし、シームレスにすることがOMOの本質である

皆さんはOMOという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは「Online Merges with Offline」の略で、「オンラインとオフラインの融合」と日本では言われています。これに対し、私がよく見かけるOMO関連の記事は、「オンラインとオフラインの接点作りました」という意味合いで載せているものが多い気がしています。「それってECサイトの接点作っただけじゃん」とか「店舗展開しただけじゃん」とか思うんですね。そう、単なる接点作りです。
しかし、アフターデジタルではハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの特徴を生かし、オンラインとオフラインの行き来で顧客体験を向上する循環を作ると書いています。これの好事例として中国のNIOがアフターデジタル2に取り上げられています。

NIOが実現しているOMOの世界

NIOは電動自動車メーカーで、EVメーカーの中では販売台数1位となっています。特に「売らないメーカー」として注目を集めており、テスラキラーと呼ばれているそうです。サービスは4つあり、
①NIO Power(充電関連)
②NIO Service(メンテナンス・サポート)
③NIO HOUSE(会員用ラウンジ・イベント)
④NIO App(コミュニケーション・EC)
です。
サービス概要は以下のイメージに書いておきました。

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NIOはこれらのサービスをどのように展開しているのか。
それがまさに「オンラインとオフラインの行き来」なのです。
NIO HOUSEというハイタッチ・ロータッチなコミュニケーションで、同じ価値観を持った者同士でWeChatの交換を行い、NIO Appで「いいね」や「コメント」をしてテックタッチな高頻度コミュニケーションをしている訳ですね。さらに、SNS投稿で付与されたポイントを使ってNIOが販売している商品を買ったり、試乗やイベント情報を受けれるようになっています。その結果、また店舗に行き、そこで友達と会ったり新たな友達をオフラインで作ってまたNIO Appで繋がって・・・という
オンラインとオフラインの循環を作っている訳なんです。
イメージを下に貼り付けます ※アフターデジタル2を元にイメージ作成

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OMOの本質と目的

私はNIOのような取り組みこそOMOの本質と思っています。ただ単にオンラインとオフラインのタッチポイントを作るのではなく、「オンラインとオフラインを行き来させる循環を作る」ことが融合ではないでしょうか。そして、この循環ができると顧客体験は向上されていきます。
そもそもOMOの目的はタッチポイントを増やすことではなく「CXの向上」です。

OMOやNIOの事例から学べること

ここから学べることは2点です。

①OMOの目的は「CXの向上」であることを理解すること。これがないと単なるタッチポイント作りに帰結してしまう恐れがある。
②ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの特性を理解し、それらを「適切な状況に応じて使い分け」ながら「行き来させる循環を作る」ことがOMOの本質であること。

アフターデジタル2を読んで、今まで腹落ちできていなかったことが全て解決しました。私のようにモヤっとしていた方がいれば、この記事で少しでも解消できるのではと願っております。

次回予告!

ワークマンの戦略から読み解く、CXで一番重要なこととは?

参考書籍、URL

アフターデジタル
アフターデジタル2



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