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カルビーの事例から学ぶ、顧客の声を活かす方法(1/2)

前回の記事では「苦情が減ることは良いことなのか?」というテーマについて、サイレントカスタマーの存在について書きました。

サイレントカスタマーとは、企業に不満・不快な体験を申し出ない層のことを言いました。今回は顧客の声をちゃんと吸い上げ、そこから改善活動を行っている好事例としてカルビーを紹介します。
※厳密には不満・不快な体験だけでなく、意見・要望を言わない人も含みます

言葉の表現を変えるだけで、お客様の声を集める

カルビーの事例紹介については、「カルビーお客様相談室」という書籍を参考にしました。この本はあまり知られていないと思いますが、カスタマー・エクスペリエンスを勉強する上でかなり参考になります。

カルビーの商品の問い合わせ先は元々「不具合がありましたらご連絡ください」という表現で書かれていましたが、そのとき寄せられるお客様の声はクレーム(カルビーではご指摘と呼んでいます)が多かったようです。しかし、ご意見や要望を言いたいお客様の声を吸い上げられていないのでは?と、このように表現を変更しました。

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「ご意見」「ご要望」が倍増に

このように、「お客様の声をおきかせください」と変更したところ、今まではほとんどご指摘の声だったものが、ご意見・ご要望の声が倍増したようです。

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ここから分かる重要な示唆は、
・お客様はクレームだけでなく、意見や要望を言いたいことだってある
・問い合わせ先の表現によって、企業はお客様の声を幅広く収集できる
ことです。

コスト部門からプロフィット部門へ

お客様の声を多く収集できるようになったカルビーは、商品開発やパッケージの改善等に上手く生かすことができています。そして、これらの活動の起点は「お客様相談室(一般的な企業で言うとカスタマーサービス部門)」となっています。カスタマーサービスというのは一般的に「コスト部門」という位置づけになっている企業がほとんどでしょうが、カルビーはプロフィット部門へ転換することにより、収益を生み出すことに成功していると言えます。

次回は、カルビーがどのように商品開発やパッケージの改善に活かしているか触れていきたいと思います。特にフルグラのパッケージ改善は好事例でしたので、その辺りを中心に!
※本記事で使用した画像は「著書:カルビーお客様相談室」から引用しています。

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