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好スタートを切ったパルセイロレディース

.WE League第2節結果

.WE Leagueが先週開幕し、この3連休で第2節が各会場で実施されました。

AC長野 0-0 東京NB
S広島R 0-2 マイ仙台
大宮V 1-1 新潟L
千葉L 1-1 EL埼玉
浦和 2-0 N相模原

※WE ACTION DAY:INAC神戸レオネッサ

 第2節の結果は以上の通り。
 開幕戦で三菱重工浦和レッズレディース(浦和)に敗れた日テレ東京ヴェルディベレーザ(東京NB)は、意地でも勝点3を奪いたかった試合でしたが、AC長野パルセイロレディース(AC長野)の堅い守備を崩しきれずにスコアレスドロー。
 前節ちふれエルフェン埼玉(EL埼玉)に対して完勝を収めたサンフレッチェ広島レジーナ(S広島R)は、無得点に終わり敗戦。
 開幕黒星スタートとなった大宮アルディージャVENTUS(大宮V)とアルビレックス新潟レディース(新潟L)の一戦は、痛み分けのドロー決着。
 第1節はWE ACTION DAYで試合のなかったジェフユナイテッド市原・千葉レディース(千葉L)は、EL埼玉との試合に臨みドロー発進。
 昨年なでしこリーグ女王の浦和は、この試合でも強さを見せて開幕2連勝スタートと好調な滑り出し。

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 第2節を終えての順位表は以上のようになりました。
 2節を終えて全クラブが勝点を獲得するというスタートです。昨年のなでしこリーグ女王、浦和に関してはさすがの滑り出しですが、優勝候補と言われている東京NBは、いまだに白星がなく苦い開幕となりました。
 しかし、まだまだこれからが本番の.WE league。ここからどんな変動をしていくのか。浦和の勢いはどのクラブが止めるのか。1試合1試合、目が離せません。

観客動員数

フクダ電子アリーナ 3,463人
NACK5スタジアム大宮 3,419人
浦和駒場スタジアム 3,256人
広島広域公園第一球技場 2,153人
長野Uスタジアム 1,957人

 日本史上初女子プロサッカーリーグが開幕して2試合目でしたが、観客動員数にも注目していきましょう。
 今節、最大観客動員を記録したのは、千葉Lのホームスタジアム『フクダ電子アリーナ』でした。第2節から.WE Leagueのスタートとなった千葉Lを一目見ようと観客が集まったのかもしれませんね。また、上位3試合は9月20日、祝日開催であったことも重なり多くの観客が足を運んだのかもしれません。
 台風の接近があった土曜日に試合が行われた下位2試合も約2,000人の観客が詰め掛けました。女子サッカー界で屈指の集客率を誇るAC長野が、絶対女王と呼ばれる東京NBとの一戦で、ホーム開幕戦であるのに最も少ない観客動員であったことはかなり驚きました。

覚悟を決めた女王との激闘

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 パルセイロレディースは東京NBに対して以上のスタメンで挑みました。

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 対する東京NBはベーシックな4-4-2のシステムを構築。下馬評では、東京NBが有利とされていましたが、そう簡単に負けないのがパルセイロレディースです。

前半 システムの噛み合わせに苦戦

 開幕戦を黒星で終えた女王に恩赦の心など一切ありません。個々の能力の高さに加え、システムでのミスマッチを狙ってくる東京NBにかなり苦戦していました。

 個々の能力が備わった組織が、一つの意思・狙いを持った時の強さと圧力をひしひしと感じました。サイドの深い位置を破られることも少なくなかったですが、最終局面で体を投げ出してゴールを守る姿に感動しました。
 また、相手のビルドアップが乱れた場面では、ミスを見逃さずに相手のゴール前まで迫るショートカウンターを見せてくれました。決まっていれば...というシーンも2度ほどありましたが、得点には至りませんでした。
 しかし、チームとしてどのように得点を狙っていくのか共有できている印象を受けました。

後半 適応力の高さ

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 後半開始から藤田に代えて鈴木を投入し、守備ブロックの形を4-4-2に変更したパルセイロレディース。前半はシャドーのW瀧澤が守備において曖昧なポジション浮いてしまっていましたが、小笠原監督がすぐに修正しました。この戦術変更により、選手たちのマーカー意識を明確化することができたように思います。
 また、後半の立ち上がりにおいて國澤の個人守備能力が絶妙でした。

 相手のしてくることを見極めてすぐに対処策を打てる指揮官はもちろん大事ですが、それに対応して実行できる選手たちが素晴らしいです。将棋のように駒を動かすだけで勝てたら苦労しないのがフットボールですからね。
 相手選手の目線・体の向きから出てきそうな位置を予測してポジショニングする。スタジアムやDAZNで俯瞰視できたら楽ですが、ピッチ上の視点でできる選手たちは本当に素晴らしいとしか言いようがありません。
 前半よりもさらに、守備の連動性があるように見えました。リアクションではなく、アクションによる守備がパルセイロレディースの大きな武器ではないでしょうか。

まとめ

 守備では、東京VBの特長である波状攻撃にさらされる場面が多かったですが、シュートの局面まではやらせなかったり、シュートブロックに入るという無失点へのこだわりを強く感じられた試合でした。
 攻撃では、優勝候補相手にチームの狙いをもって奪ったボールを素早く相手ゴール前に運ぶ狙いを見られました。ラストパスの精度が高まってくれば、どんどん得点は増加していくでしょう。
 2節終えた時点で暫定2位。このチームは初代女王にふさわしいチームだと思います。この記事を最後まで読んでくださったそこのあなた。AC長野パルセイロレディースを応援しなくていいんですか。歴史が動く瞬間を見逃しますよ。