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タクシー会社がホテルや保育園を運営!?おもてなしの精神で事業を展開する「中央タクシー」の秘密に迫る

ラジオとYoutube LIVEによる同時生放送を行っている長野県人会。今回も1月11日(月)の第3回放送を振り返っていきます。

「移動」の価値を届けたい。中央タクシーが挑むさまざまなチャレンジ

信州で活躍する若手経営者をスタジオに招いてさまざまなお話をうかがう「信州から未来に羽ばたく!翼ばさばさ、アンバサダー」のコーナーでは、中央タクシー株式会社の宇都宮司社長が登場しました。

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中央タクシー株式会社 代表取締役社長
宇都宮 司さん

2000年中央タクシー株式会社入社。2008年に代表取締役に就任。同年、旅行事業部を開設。空港タクシーや観光トラベルタクシーが話題に。ホテルや保育園の経営にも参入するなど独自の経営を行なっている。

自宅から成田空港や羽田空港など県外の空港まで送り届ける「空港便」というサービスやホテル・保育園などの運営が評判を読んでいる中央タクシー。レギュラー出演している長野県出身の人気声優・新田恵海さんやAKB48チーム8高橋彩香さん、ウェブメディア「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎さんが気になることをとことん聞きました。

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SBCアナウンサー久野:
現在、43歳という宇都宮社長。実はお父様から事業を受け継いだとのことですが。

宇都宮社長:
そうなんですよ。

SBCアナウンサー久野:
ところで柿次郎さん、タクシー運転手というとどんなイメージがありますか?

柿次郎:
実は僕の父親がタクシー運転手で、意外と身近な仕事ですね。あと業界の再編成とか景気の影響を受けやすいイメージがあります。

宇都宮社長:
そうですね。景気のバロメーターという側面はありますね。昼間は買い物や通院のお客様の足となっています。

新田:
現在、コロナ禍もあってタクシー業界も大変だと思うんですけど、宇都宮社長なりに工夫されていることってあるんですか。

宇都宮社長:
ひとつは、安心して乗ってもらえるような徹底的なコロナ対策ですね。運転席と後部座席の間に仕切りを設けたり、その中でも後部座席に暖気や冷気が届くように車両にダクトをつけたりしています。もちろんマスクやアルコール消毒も欠かしていません。

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SBCアナウンサー久野:
宇都宮社長が就任されてから起こした事業はどのようなものがあるんですか。

宇都宮社長:
観光タクシーもそうですし、リリースされてから間もなかった「空港便」サービスを育てていくことに力を入れてましたね。当初、新しいことを始めると言うと、社内では当然不安に感じる方も出てきます。その中でもみんなで侃侃諤諤、議論を重ねながら「やってみよう!」となるまで対話を続けました。そんなことを続けていくうちに、社内に新しいことに取り組む風土が生まれたように思います。

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高橋:
トップがお父様から代わって、働く社員の方の意識に何か変化はあったんでしょうか。

宇都宮社長:
父親も非常にタクシー業界に対して前向きに取り組んでいましたし、それに対して社員も気持ちよく応えている雰囲気は入社当時から感じていました。働く社員というよりは、むしろそうして培われてきた会社のあり方に対する私のあり方の方が変化が大きかったように思いますね。

新田:
具体的に宇都宮社長になって変わった働き方みたいなものってあるんですか?

宇都宮社長:
タクシー業界は百戦錬磨の運転手の方が多いので、そんな方々を結束させるためにある意味トップダウンで協力にまとめていくリーダーシップが必要になるとイメージしていたんですが、中央タクシーは柔和な方々が多くて。だから、逆に働き方を変えてもらうというよりは、私の方がコミュニケーションの取り方を変えていった側面がありますね。

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柿次郎:
そうすると、地元のタクシー業界もおもてなしが広がったりとか、サービス向上につながっていきそうですね。

宇都宮社長:
「こうしなさい!」と社内に伝えて無理にサービスを向上させるよりは、運転手の方々一人ひとりが自分で考えてお客様に喜ばれる工夫を行う風土が当社にはあったので、むしろその様子を世の中に伝えていく場をつくることに意識を注ぐようになりました。

SBCアナウンサー久野:
他にもおもてなしから始まったサービスがあるんですよね。

宇都宮社長:
かつて運転手がアロハシャツを着るアロハタクシーなんてサービスを行ったこともありました。タクシーってなかなか季節感を感じない乗り物なんですよね。タクシーも街中のお店と同じように季節感をお届けできたらと思って実施しました。他にもサンタクロースの格好をしてお客様のご自宅に伺う企画も行ったことがあります。

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SBCアナウンサー久野:
本業のタクシーの工夫のほかにも、ホテルや保育園事業にも取り組まれているんですよね。

宇都宮社長:
長野駅前に「第一ホテル」というビジネスホテルを、飯綱に「アゼリア飯綱」という宿泊施設をオープンしました。

高橋:
ホテルはおもてなしのイメージがあるんですけど、保育園でのおもてなしってどんなイメージなのか知りたいです。

宇都宮社長:
これは社員に子どもができたことを機に、「マムズサン」という信頼している会社と連携して運営するようになりました。

SBCアナウンサー久野:
タクシービジネスだけでなく、ホテルビジネスや観光業も展開されていますが、それら事業間の連携も重要なんでしょうか。

宇都宮社長:
やっぱり「移動手段」というのは、暮らしに欠かせない要素。タクシーはあくまでその手段のひとつです。「移動手段」という観点から派生してさまざまな価値をつくっていけると思っています。

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SBCアナウンサー久野:
そのような既存のタクシー業界とは異なるチャレンジを行うアイデアは、どこから生まれてくるのでしょうか。

宇都宮社長:
ひとつは、現状維持よりも新しいことにチャレンジしたいと考えることですかね。例えば「空港便」であれば、普段電車やバスを利用されているお客様にタクシーでどんな価値を創出できるか考えるとさまざまな発想が生まれてきます。あとはご縁も大きくて。人とのつながりの中で、宿泊業をはじめ新しい事業にチャレンジできる機会が生まれることも多いんですよね。

柿次郎:
僕は、仕事柄全国のタクシーに乗っているんですが、最近新しい車種を導入するタクシー企業も増えていますし、電子決済や配車アプリなど周辺サービスも充実してきたように感じています。こういった新しい潮流がローカルでどんな価値を生み出すか、興味があって。まだまだ長野では整備も追いついていないのかなという印象があるんですけど、その辺りはいかがですかね。

宇都宮社長:
当社はアルファードという比較的大きな車両も導入してお客様を送迎するようにしています。また、来月からは配車もクラウド化。極端なことを言えば世界中どこからでも配車や電話を受けることができるようになります。そうすると、宿泊施設のバックヤードとも連携したり、会社の枠組みを超えたサービス提供が可能になるんですよね。そんな取り組みを進めています。

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SBCアナウンサー久野:
では、ここでリモート出演している都内の大学生にも聞いてみましょう。大学生アンバサダーの竹内さん、いかがでしょうか!

大学生・宮下:
はい!女性ドライバーって近年増えているんでしょうか。

宇都宮社長:
業界的には少しずつ増えているように思います。クルマもかつてよりハンドル操作が軽くなったり、マニュアルからオートマ、そしてナビも標準装備に切り替わっていったり……そのように女性の方をはじめとして幅広い方々に働きやすい環境が整ってきていると思います。さらに、女性の方だとサービスがきめ細やかな傾向があったり、女性のお客様の場合に安心感があったり、そんな背景もあって女性ドライバーは増えてきていますね。

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SBCアナウンサー久野:
続いて宮下さんいかがでしょうか。

大学生・宮下:
タクシーやホテル業界で働く魅力と、それらの業界の今後の可能性について聞きたいです。

宇都宮社長:
私たちは、「移動」を前提としたビジネス。コロナ禍で機会は減ってはいますが、「移動」がない暮らしって物足りないですよね。今後世の中でもそのことを痛感していくんじゃないかなと感じています。身体の「移動」を含めたリアルな体験の価値が上がっていくと思うんですよね。今後もそんな人々の暮らしに欠かせない「移動」を支えていきたいと考えています。

柿次郎:
いやぁ、うちの父親も転職してほしいな。

一同:
(笑)

SBCアナウンサー久野:
たくさんのお話ありがとうございました。最後に宇都宮社長から視聴者の方へメッセージをお願いします!

宇都宮社長:
コロナ禍で閉塞感のある世の中になっていますが、必ず落ち着く時代がやってくると思います。そのときには、私たちも素敵な「移動」を支援できるよう励んでいきますので、明るい未来を期待してみんなで頑張っていきましょう。

一同:
ありがとうございました!

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パワフルに事業を展開されながら、物腰のやわらかさが印象的だった宇都宮社長。you tube LIVEのコメントでも、「おじいちゃん、おばあちゃんたちにとって、タクシーはなくてはならないもの!」「社長さんの人柄にみなさん引き寄せられているんでしょうね」といったコメントが多く届きました。

次回のnote更新は2月1日(月)の予定です。

どうぞお楽しみに!


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