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「誰もやらなければ私がやる!」長野県初のスポーツフリーペーパーを発刊する編集長の想いに触れる

ラジオとYoutube LIVEによる同時生放送を行っている長野県人会。今回も2月1日(月)の最終回放送の様子をお届けします。

コロナ禍でも前向きに!やりたい仕事はやめられない

信州で活躍する若手経営者をスタジオに招いてさまざまなお話をうかがう「信州から未来に羽ばたく!翼ばさばさ、アンバサダー」のコーナーでは、長野県内のスポーツを紹介するフリーペーパーを制作している「株式会社スポカラ」の鶴見由加里社長が登場しました。

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株式会社スポカラ 代表取締役社長
鶴見 由加里さん

安曇野市出身。高校卒業後、経理などの事務職を経験。2008年、地元の出版社に転職し、営業・取材・撮影・校正などの雑誌制作のノウハウを学ぶ。2013年に独立し、長野県初となるスポーツに特化したフリーマガジン「スポカラ」を発刊。2015年に法人化し、信州の食べ歩きパスポート「500円でどうずら!?」「500円でいいだぁ!?」を発刊するなど精力的に活動している。

地元のスポーツを伝えることにビジネスチャンスを見出した株式会社スポカラ。レギュラー出演している長野県出身の人気声優・新田恵海さんやAKB48チーム8高橋彩香さん、Webメディア「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎さんが気になることを聞いていきました。

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高橋:
お店に置かれている無料のフリーペーパーを見ていて気になっていたんですけど、どういうビジネスモデルになっているのか聞きたいです!

鶴見社長:
フリーペーパーには、よく広告が掲載されていると思います。それあら広告主さまの協賛で運営を行なっています。

新田:
そもそも鶴見社長は、どうしてフリーペーパーをつくろうと思ったんですか。

鶴見社長:
有料誌だとコンビニや書店しか置くことができませんよね。でもフリーペーパーだといろんな場所に置いてもらうことができます。幅広くどんな人にも手に取ってもらうためには、有料誌よりもフリーペーパーというかたちの方が合っていると思ったんです。現在は450箇所ほどに設置しています。

柿次郎:
僕が行なっているWEB編集の領域ではコロナ禍で取材などの場面で影響を受けているんですが、鶴見社長はフリーペーパーを制作するにあたって変化はありましたか。

鶴見社長:
広告主さまが減ってしまったり、競技を行われている現場に取材チームが入れなかったり、私たちもコロナ禍で少なからず影響は受けていますね。

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SBCアナウンサー久野:
鶴見社長は、フリーペーパーというかたちで松本山雅FCや長野パルセイロなどの地元のクラブスポーツや、高校球児など、さまざまな方を幅広く取材されていると思います。一方、柿次郎さんはWebメディアの編集長。同じメディアでも、紙とWebでどのような違いが生まれてくるものなのでしょうか。

柿次郎:
実は、僕たちも今まさに紙というメディアで長野県のフリーペーパーを制作しているので興味はありますね。もちろんWebの方が場所に縛られずに多くの人にアクセスしてもらえるという利点はあると思うんですが、フリーペーパーの方がその土地に住んでいる人にダイレクトに届くので、ローカルでは特に相性がいいと思います。

鶴見社長:
たしかに紙メディアは、ずっと手元に残るという利点がありますよね。

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SBCアナウンサー久野:
そして、実は鶴見社長が手がけられているのは、「スポカラ」というフリーペーパーだけではありません。信州の食べ歩きパスポート「500円でどうずら!?」「500円でいいだぁ!?」も制作されているんです。

新田:
食べ歩きパスポートということは「クーポン」ということですか……?

鶴見社長:
そうですね。本来は700円以上のものを、500円で味わうことができるクーポンをまとめたマガジンになっています。掲載いただいている飲食店様は約110店舗。中には、1500円のステーキが500円で食べられるクーポンもあるんですよ。

SBCアナウンサー久野:
このようなクーポンマガジンをつくろうと思ったきっかけは何だったんですか?

鶴見社長:
県外でこのようなクーポンマガジンが出ていることを知って、私もやってみたいと思ったんです。

高橋:
地元でこういった冊子を出版するってどんな感じなんですかね……?一冊制作するのに、どれだけの人数が関わっているんですか?

鶴見社長:
実は、制作スタッフは外注の方を除くと4人。常にてんやわんやです(笑)。営業から取材、編集、校正、全てを行なっているので、人数を倍にしたいんですよ!(笑)

SBCアナウンサー久野:
その中でも、現在4人で制作されているのは、どのような理由があるんでしょうか?

鶴見社長:
マガジンの編集業務は専門性が高い仕事。取材や撮影、営業など、それぞれのスキルを併せ持っている方って市場にあまりいないんですよね。しかも、プロスポーツ選手が取材対象ともなると、なかなかアポイントも難しかったり。

SBCアナウンサー久野:
そのような難しい仕事を行なっていらっしゃるということは、立ち上げの際などは大変だったんじゃないですか?

鶴見社長:
実は、私、社長になろうと思って起業したわけじゃないんです。前職を辞めた後、いろんな出版社の社長さんにお会いして、「スポーツ雑誌をつくって、そこで社員として働かせてほしい」とプレゼンして回っていたんですが、ご縁がなくて。もう跡がない状況に追い込まれて、「いっそ、自分の力で立ち上げるしかない!」と思ったんです。なぜそこまでスポーツ雑誌をつくりたかったというと、父がサッカーチームの監督をしていた影響が大きいかもしれません。小さい頃からその姿を見ていて、サッカーが身近にあったところに、松本山雅FCのJリーグ参戦で地域が盛り上がるのを目の当たりして、スポーツの力に魅せられちゃったんですよね。

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柿次郎:
コロナ禍で出版業界もさまざまな試みや工夫がなされていると思うんですが、その中で鶴見社長の中で新しい取り組みは何か考えていますか?

鶴見社長:
12月からスポーツ雑誌部門については、冊子からWebに移行しました。冊子については広告主さまがいないと成り立たないビジネスモデル。そのため、広告主さまも苦労している中で協賛をお願いするのが心苦しくて、Webに完全移行しましたね。当然、私たちのビジネスも苦しくなるのですが、どうしても私はスポーツから離れることができなくて、冊子からWebへ、かたちは変わっても継続していこうと思ったんです。

柿次郎:
僕が編集長を担当している「ジモコロ」も、母体が求人広告会社なので景気の変動を受けやすくて。でも、粘り強く続けていれば景気がよくなったときに、また広告費は回復するんじゃないかと思って取り組んでいますね。


SBCアナウンサー久野:
では、ここでリモート出演している都内の大学生にも聞いてみましょう。大学生アンバサダーの宮下さん、いかがでしょうか!

大学生・宮下:
先ほど営業という話が出たんですけども、具体的に出版の営業ってどんなことをされているのか気になっています。

鶴見社長:
私たちの場合は、飛び込み営業が多いです。目に入った会社はとにかくアプローチしていこうという気持ちでいます!もちろん断られることもたくさん。従業員のみなさんが集中しているフロアの扉を開けるのは、いつでも勇気は要りますね……!

SBCアナウンサー久野:
宮下さんは、そういった仕事はできそうですか?

大学生・宮下:
えーっと……仕事のためならがんばろうと思います……!

柿次郎:
学生だから、アピールしないとね。

SBCアナウンサー久野:
竹内さんは、飛び込み営業はできそうですか?

大学生・竹内:
私も仕事なら……!!

一同:
(笑)

SBCアナウンサー久野:
学生のみなさん、すごくガッツをお持ちですけれど(笑)、鶴見社長、何か営業のコツはありますか?

鶴見社長:
怒られても笑顔でいることですね。あと担当者の方って、1ヶ月で何十人にも会うんですよ。だから、顔や名前を覚えてもらう人になって帰ってこようとメンバーには伝えていますね。

SBCアナウンサー久野:
ありがとうございました。最後にリスナーのみなさんにメッセージをお願いします。

鶴見社長:
コロナ禍で大変な時期ではありますが、一度の人生なので、自分のやりたいことをとことんやることが大切だと思います!

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エネルギッシュな活動とは裏腹に、穏やかな笑顔が印象的だった鶴見社長。その前向きな姿に元気付けられた視聴者も多かったようです。

次回のnote更新は2月22日(月)の予定です。
どうぞお楽しみに!

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