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【上田】滞在レポート by 高橋ありす _ 生きることとアートの呼吸〜Breathe New Life

私は、NAGANO ORGANIC AIR 上田 の短期滞在型研修プログラムで10月9日・10日&10月23日・24日の2度滞在しました。この4日間で長野県内の様々な地域、芸術活動を見学し、県内外で芸術の活動をしている方々とコミュニケーションができ、充実した時間を過ごすことができました。

研修に参加した理由
私は長野県内の大学で文化について学んでいます。幼い時から芸術に触れる機会があったこともあり、芸術に関心がありました。美術、舞台芸術と地域の資源や魅力との関りを考えていきたいと思っています。
私は長野県で生まれ育ちました。しかし、県内の芸術について詳しくは無いと思っています。身の回りにも企画や運営する立場として具体的に芸術に関わる人が少なく、今ある環境だけでは見聞きしたい情報が入ってきません。
この研修プログラムに参加することによって長野県のアートの在り方や活用を知り、より多くの人にアートを届けるための方法を模索したい。また、県外の創作活動されている方とお話しすることで、大学生活での活動でも生かせることはないかと思い参加しました。

10月9日・10日<滞在1回目>

<1日目>
・上田散策
・信濃追分文化磁場油や・ホンモノ市(軽井沢)
・ブルーベリーガーデン黒岩(小諸)
・火のアートフェスティバル(東御)

<2日目>
・松代象山地下壕
・川中島古戦場
・善光寺
・長野県立美術館&東山魁夷館
・ネオンホール
・権堂アーケード&相生座・長野ロキシー

滞在1回目は特に盛りだくさんの2日間でした。
軽井沢の油やでは、たくさんの人のインプット・アウトプットの場になっていると感じることができました。中にも外にもいろんな方の作品があり、ジャンルも関係ありません。誰もが楽しめる、そんな場所でした。
2日目に訪ねた場所は長野市地域がほとんどです。私は長野市の大学に通っていますが、初めて行く場所ばかりでした。特に松代象山地下壕は、とても重要な資源であると感じました。長く長く、迷路の様に削られていました。公開されているのは一部でしたが、それでも当時を物語るように生々しく穴を削った跡が多く残されていました。

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10月23日・24日<滞在2回目>

<1日目>
・食堂SS
・木曽ペインティングス(木曽)
・月灯りの移動劇場(上田)

<2日目>
・天空の芸術祭(海野宿)
・KOMORO PHOTO(小諸)
・ブルーベリーガーデン黒岩(小諸)

1日目の木曽ペインティングスでは空き家を利用したアート作品を鑑賞しました。空き家と言いつつ、生活感が漂う展示場所で作品が生活に溶け込んでいました。私は大学で学芸員資格取得の学習を進めているのですが、そこで美術館での展示について考えることがありました。美術館ではどんな作品にも合うように白い空間でほとんどの展示が行われます。しかし、どんな作品にも合う=作品に合った空間ではないという話がありました。美術館以外の場所で鑑賞することや、レジデンス活動のソコで創るという意味を体で感じました。

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2日目の天空の芸術祭では海野宿の中にこじんまりと溶け込む作品が印象的でした。もし知らなかったらスルーしていたかもしれません。ただ、ハッと見つけたときの驚きや、面白さは何度もありました。
この2つの芸術祭を一度に見られたことによって、それぞれが持つ展示方法の良さを体験することができました。

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2回目の滞在でもう一つ印象的だったのが、1回目の際も訪ねたブルーベリーガーデン黒岩です。はじめ存在を知った時から驚いてばかりの場所です。2度目の訪問で実際に直売所兼劇場でのリーディング公演を観劇しました。その際、お客さんの中にご年配の方たちがいらっしゃいました。私は公演が始まる前までは出演者のご家族だと思っていました。しかし、後から黒岩さんにお話を伺うと、近所の方だと仰っていました。稽古中の声や噂を聞きつけて観にきたそうです。こうやって輪が広がっていくんだと感動しました。

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最後に

私はまだ学生の身であり、右も左もわからない状態で参加をしました。しかし、学生という自由な時間を使って芸術活動をしたいと思い、同じ参加者の方にもお話を聞きながら、今回の研修プログラムに参加できたことは大きな糧になりました。
このプログラムを通して、私が生まれ育った長野県の魅力や活動、資源を知ることができました。地方都市だからこそできる、土地を使って、歩いて、触れる芸術の楽しみ方を私自身が楽しみながら感じていました。

ずっと何かを自分の手でつくって活動をしていきたいと考えていましたが、プログラムを終えて、私の住んでいる地元を利用して、ワークショップを企画したり、活動の場を探して、今回のプログラムで得たヒントをもとに動いていきたいと改めて思いました。

髙橋 ありす(大学生)
高校時代演劇部に所属。小さい頃から演劇の映像を見て育ち、芸術に関心を持つ。現在は大学で様々な文化について学び、学芸員資格取得のために勉強しながら、芸術を取り巻く社会について学習している。中でも、地方都市における芸術の在り方について関心があり、地方での芸術の普及について深く研究していきたいと考えている。アートマネジメントを通して、誰にとっても「学ぶ・楽しい」芸術を広める活動をするのが目標。

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