五味土屋密談の編集を終えて


今、14本の動画編集を終えた。 まさに熱に浮かされて14本次々と編集しきった。この動画で何かを伝えることは出来るだろうか?

広辞苑第6版によると不肖とは「師に似ず劣っていること」とある
まさに土屋敏男の不肖の弟子である僕そんな僕がひょんなことから提案した五味土屋密談は凄まじく濃い密談となった。

五味のあの熱さを20年ぶりに感じることが出来た。


20年前、まだ僕にヒットクリエイターの可能性のあった頃

日本テレビでは企画塾なるものが度々開催されていた。ネクストクリエイターを育てるためという意図のもと制作局から選ばれた若手が土屋塾・五味塾に振り分けられ指導を受けるというカリキュラムだった。

当時、土屋班に所属していた僕は、土屋から教えを受けても仕方ないと
常に五味塾に入れられていた。
企画塾は若手が立てた企画についてアドバイスをもらうという体だった。

しかし、現役バリバリの五味は僕に向かって「なぜ土屋が番組を当てているかは俺の理論で全て説明できる」と、派手なダブルのスーツで右肘をテーブルに付きながらものすごい熱量で電波少年とウリナリの分析を語った。僕は他のみんなと同じように、自分の出した企画についてアドバイスが欲しかったのだけれど…

あの時の強烈な五味の顔を今でも忘れられない。それは土屋に対する好奇心と対抗心と嫉妬の混ざったライバルならではの表情だった。

あれから20年、

五味は全く変わっていなかった。
土屋が老練に話を変えても、譲れないところはもの凄い表情で食いつく。
土屋が「今のテレビ全体が大衆に寄り添いすぎて…」(第14話より)と言いかけた時「全然寄り添ってないね」という五味の虎の表情。未だ現役の恐ろしさを見た気がした。


一方、五味が土屋に「(加藤光夫さんは)土屋と菅には愛情を持って…」と言い出した時の、土屋の取り乱しと全力否定。
「いやいやいやいや(かなりの前置きを入れて)可愛がられてる感じはない。コイツはともかく外したヤツだなと言う烙印なのよ」(第10話より)
土屋もまた、あの頃、飢えた狼だったのだ。そういったリアルは密談の到るところに見られる。心ある若者は是非感じて欲しい。


今回の密談、二人は本当に仲良しで戦友でとてもリラックスして自分たちの歴史について話してくれた。大衆に寄り添い、狂気のスイッチを入れ続けた二人の密談を動画に収める機会に恵まれた僕は、それだけで幸せだと思う。この密談は今でしか撮ることは出来なかった。この動画がテレビはもちろん、YouTubeやまだ見ぬ新メディアで活躍する新たなクリエイター誕生のきっかけになってもらえれば幸いです。

(動画撮影・編集 長餅透)

長餅透: 電波少年をADからスタッフとして参加。 現在『僕は電波少年のADだった』をnoteに連載中

長餅透note:https://note.mu/harutarooo