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太陽は月に手を伸ばす。

昨日の続きというか答え合わせです。
私の中のツキちゃんソルちゃんにお喋りしてもらおうかな……と思ったのですが、小説としてよりも作者としてお伝えしたくなったので、後書きのようなテンションで書いていきたいと思います✍️
順番どっちでも大丈夫です!
本編読んでから答え合わせでも、答えを知ってから読んでも良いと思います🙆‍♀️


「月が綺麗ですね」
という告白の言葉が題材となった前回の小説ですが、ソルの中では題材は違っていました。
「ツキ、綺麗になった」
と、知り合いから言われたことがあのお喋りのキッカケとなっております。

妹のツキからして見れば、太陽のように美しい姉のソルは暗闇を照らしてくれた恩人であり憧れの人です。
でもそんなソルから見たツキは?
言い換えるなら太陽から見た月は?
というところに作者の考えを交えた結果、ソルはこう思うと思いました。
「私だけの美しいツキ」
太陽が照らすことによって輝く月。
あの妖艶で繊細な光に1番魅了されているのは特等席で見つめる太陽なのではないか。
他の人々は大元の太陽のおかげだと言う。
でも太陽は知っている。
「太陽(ソル)は元々美しい月(ツキ)を照らしているだけなのだ」
光なんて与えなくともあの子は綺麗だ。
誰よりも近くで見ていた姉は、妹の美しさをよく知っているのです。
それを彼女達の両親はあろうことか気づきもせずにツキを蔑むばかり。
こんな環境に居ることでツキが本当の闇に消えてしまわないよう、ソルはツキの手を引いて親元を去ったのです。

…それが拗れてしまった。
そのキッカケが2人のことを知る男から言われた一言だったのです。
「ツキ、綺麗になった」
特別な意味が無いことなんてソルも分かっています。
何せ相手は、自分よりも年上の元執事なのですから。
ソルとツキの逃亡劇に一役買った2人の恩人です。
でもそんな相手にソルは警戒心を持った。
たった一言で、
「ツキを私から奪おうと言うの?」
そんな言葉が浮かんでくるほどに。
ツキからしてみれば、美しい姉のふと気になった話に付き合っただけ。
本編はそんな日常会話の1ページでした。
でもソルからしてみれば、一触即発。
ツキの回答次第では、すぐにでもこの場から2人して姿を消そうと心に決めていたのです。

「月が綺麗ですね、って言いそうな人よ?だれだと思う?ツキ。」

このセリフは、そんなソルの心模様が少しだけ透けています。
「月が綺麗ですねって私に言いそうな人よ?」
と、ツキが受け取った通りの会話であればそう聞くのが正解でしょう。
でもソルは〝私に〟と言わなかった。
彼女がもしもこの瞬間に意味を正しく理解し、自分を綺麗だと言う人間に心当たりがある。なんて言い出していたら。
元執事なら2人は失踪、ソルが予想していないツキの知り合いなら…一体その人はどうなってしまっていたでしょう。
太陽の心は、太陽にしか分かりません。

そんなことも無く、ツキはソルの望む愛おしい回答を返してくれた。
こうして太陽と月が微笑む、平和な世界が続くこととなったのです。

…と、あんまりするもんじゃない自作の小説の答え合わせ。
初めての試みでしたがちょっとだけ、達成感とともにドヤ顔が浮かんできます。
あの作品への愛情が深まりました。
もしも最後まで読んでくださったのであれば、どうか月が見る太陽のお話も読んでもらえると嬉しいです。

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