マイノリティコンプレックス
私は“普通”だ。
量産型でマジョリティ、
20代で結婚出産を夢見るその辺の女の子。
結婚式でドレス着て姪っ子とお色直し中座して
毎日家で家族のためにご飯を作る
休日は家族で出かけたり旦那とデートしたり
普通の幸せを望む、その辺の女の子と同じ。
仕事に生きたいわけじゃない。
私は最近になってこれを
ようやく受け入れることができた。
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ことの発端は
お付き合いしてる彼に結婚の話を振ったことだ。
「結婚はできない」「子供は無理」
すぐにそう返ってきた。
めちゃくちゃアピールしてきたのは彼で、最後の恋とまでいった彼からのまさかの言葉に面食らって固まったのを覚えている。
これが何ヶ月か前のこと。
それから時間をかけてよくよく聞くと
結婚も子供も嫌なわけじゃないらしい。
むしろ子供は必要だとすら思ってる。
でもそれを望まない理由が2つあった。
①彼がアスペルガー症候群であること
②彼には譲れないライフワークがあること
彼はよく言っていた。
「自分のことで手一杯」「自分のために生きてる」「やるべきことがある」「迷惑をかける」「自分に理想の家族は作れない」「自分以外に興味を持てない」「大事なときに家族よりやるべきことを取るかもしれない」
私は最初、完璧主義な彼に自信がないのだと思っていた。アスペルガーについては話し合いながら乗り越えてきた。
だから私はいろんな方法を提示して、彼が結婚も子供も“諦めない”方法を提示してきた。
アスペルガーだからって諦めなくていいんじゃない?とかとても見当違いとおこがましい意識で。
彼は優しいから、
その都度、頭を痛めてしんどくなりながらも、私の提案する「家族の話」に向き合ってくれていた。
そして、毎回「今は結婚できない、待って。」と。
この「待って」は、彼からすると、やるべきことがある、リスクのあることだからすぐには結婚できない、結婚は責任が重いこと、が含まれた「待って」だったのだ。
今思えばとても苦しいことをさせていたと思う。
そもそも彼は諦めたのではなく、自分の中でそれを選択してきのに、それでも「(ちゃんと考えるから)待って」と私の気持ちも大事にしようとしてくれてた。
その思いを私は踏みにじるが如く、「結婚しよう」とか家族の話を繰り返してきた。
そして、最近何度目かの家族の話になったとき
とうとう彼から
「もう家族の話は疲れた。僕は1人でいたい。暖かい家族を作ったり、守ったり、ルールにはまったりできない。」「他の人と幸せになって」
と、多分本音が出てきた。
思い切り私は勝手に、勝手に、傷ついて泣いていた。
それでもまだ彼の意思を分かってない私は
「押しつけてごめん」と未来への希望を含ませながら懲りない謝罪をしてしまうくらい、夢見がちな子供だった。
それでも彼は「押しつけてるのは僕だ」「(私)は間違ってないよ」と私をフォローしてくれる。
そして最後に
「待たなくていい、もう少し、時間かかる」と言われた。
ここに来てようやく私は、気づいた。
彼は諦めたわけでも、アスペルガーで自信がないわけでもない。譲れないやるべきことがあるから、私が望む幸せを叶えてあげられない。それは変えられない。だから「結婚できない」だった。
私はいつも気づくのが遅すぎる。
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長くなってしまったが、ここで初めて私がマイノリティコンプレックスを持ってることに気づく。
彼から言われていた「(私)は普通だよ」にムカつく理由がわかる。
私は彼に「結婚式が苦手なら2人だけでやればいい」「子供ファーストになれないなら私ファーストになれば家庭円満」「制度が嫌なら事実婚にすればいあ」「やりたいことを制限しなくていい」など“みんなと違っていいじゃないか!”“周りに何言われても負けない私”スタンスで息巻いて提案してきた。
でも、そうじゃなかった。
「好きな人と20代のうちに結婚できない」こと「それが彼の譲れないライフワークがあるから」と分かって初めて、彼が本当にマイノリティだと分かって初めて、自分が周りのみんなと同じように結婚したかったこと、彼が苦手な結婚式をやりたかったこと、子供を育てて普通に幸せに暮らしたいんだと気づいてしまった。
ついでに“私は変わってる”“彼とだから変わった私もらしくいられる”とも思っていた。だから一生懸命彼に合わせて作り上げた“みんなと違うスタンス”を受け入れようとしていたことにも気づいた。
私は“普通”だった。
“特別じゃない”“マイノリティでもない”
昔から言われる女の幸せに幸せん感じる人間だった。
別に悲しいわけじゃない。
それを選ぶことを否定してるわけでもない。
ただ、彼との今後についてお互いがこれ以上しんどくなる前に、それぞれの選択をしていかないといけないなと思ってる。
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これは多分マイノリティとかそんな大袈裟な話じゃないと思う。
よくある結婚に対する価値観の不一致でしかないと思う。
それでも私の中で、自分のマジョリティ的思考を受け入れられたのは大きなことで、まとまりのない長文だけど記録しておきたかった。
彼はいつも大きなことに気づかせてくれる。
そして私は夢見がちなお子様だった。
ごめんねとありがとう。
この後どんな選択になっても
彼の人生は応援したい。
私の人生も応援したい。
別の道にいっても
悲しくない。
いや、多分悲しいな。笑
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