長女

和太鼓を作り続け、総本家から分家してまた分家して…で何代目かもうワケわかんなくなっちゃ…

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和太鼓を作り続け、総本家から分家してまた分家して…で何代目かもうワケわかんなくなっちゃった家の長女です。劇団◯◯に合格した直後原チャリに当て逃げされ怪我→入団前にクビ→病む→イベコン→MC→うつのみや親善大使→ラジオパーソナリティ→花火鑑賞士、MC他色々しつつ、結局太鼓屋。

記事一覧

essay#7 家族の轍とガラスの動物園

ヒトでもリスでもペンギンでも、この世に産まれてから最初に過ごす社会は家族です。 家族って、最小単位のコミュニティなんですよね。(そう考えると生まれた瞬間からたっ…

長女
5日前
45

essay#6 友達が減る?

生きていれば知り合う人の分母はどんどん増えるのに、友人と呼べる人は年々減っていく…出す年賀状の枚数も、受け取る枚数も、年々減っていく…なんでだろうね。 子どもの…

長女
4週間前
37

essay#5 優しい嘘という名の

昔はエイプリルフールの数日前から『さあて今年はどんな嘘をついてやろう?』『今年はみんな笑ってくれるかな?』なんてニヤニヤしながら嘘を用意していたのに、いつのまに…

長女
1か月前
48

essay#4 悪口とブラックジョークの狭間で

突然ですが、ブラックジョークって言われると何が浮かびますか? 先日初めて知り合った方々が品性と知性のない言葉を延々と繰り返す人達で、 私は自分自身を結構なキャパ…

長女
1か月前
20

小野﨑太鼓店#4 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その4

今回の投稿はいつもの如く無駄にクソ長い文章なのですが、どうか最後まで読んでいただきたいのです。 まず急にすみませんね、和太鼓の話をしましょう。(ほんと急ね) ご存…

長女
1か月前
17

essay#3 本を読むこと

子どもの頃、家のことや仕事、私以外にも妹たちの子育てで忙しかった両親とあまり話す機会はありませんでした。 その代わり、夕食をとっとと食べ終えてしまえば両親と妹た…

長女
1か月前
27

essay#2 天才を殺す凡人は身近なところにいる

母はものすごく優秀で、娘の私が見ても綺麗だな、かわいいなって思ってしまうほど外も中も素敵な人で、我が家で唯一のA型同士である私とはわざわざ言わないし敢えて括った…

長女
1か月前
20

小野﨑太鼓店#3 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話その3

國學院大學の皆様のご協力のもと、【三島由紀夫の豊饒の海第二巻・奔馬に出てくるうちの太鼓は現存している】 という情報を頂戴し、この目で実際に拝もうと國學院大學さま…

長女
1か月前
7

小野﨑太鼓店#2 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その2

ハーイこんばんは、時折クッソ長文垂れ流し女でございます! 今回は太鼓店のこと、小野﨑家の歴史(というほど大したもんでもないですが)に触れながら、公表するかどうかを…

長女
1か月前
8

小野﨑太鼓店#1 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その1

三島由紀夫という偉大な名前はずっと昔から存じ上げてて、でも自分の今のアタマではまだ読んじゃいけない気がする、畏れ多い…という気持ちでいて、高校に入学した頃『そう…

長女
2か月前
17

essay#1 ハイボール

ハイボールを飲む時、私がいつもこっそりしていることと、瞬間的に引きずり出される記憶があります。 それはトラウマだとか嫌な記憶ではなく、むしろとてもあたたかい記憶…

長女
2か月前
19
essay#7 家族の轍とガラスの動物園

essay#7 家族の轍とガラスの動物園

ヒトでもリスでもペンギンでも、この世に産まれてから最初に過ごす社会は家族です。

家族って、最小単位のコミュニティなんですよね。(そう考えると生まれた瞬間からたった1人で海を目指して生き抜くしかないウミガメの赤ちゃんとかホントすごいなぁ)

私が生まれた家はたぶんちょっと特殊で、家業がどうこうということじゃなく、
祖父母だけでなく父の妹、叔母も同居していました。

していましたっていうか、今も実家

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essay#6  友達が減る?

essay#6 友達が減る?

生きていれば知り合う人の分母はどんどん増えるのに、友人と呼べる人は年々減っていく…出す年賀状の枚数も、受け取る枚数も、年々減っていく…なんでだろうね。

子どもの頃、こんなことを言っては少し寂しげな母の横顔をそばで眺めて、
ホントなんでなんだろうね…?大人って不思議な生き物だなあ…と思ったものでしたが、
気づけば私自身が当事者としてこの不思議に直面する年代になりました。

そうして、確かに年賀状を

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essay#5  優しい嘘という名の

essay#5 優しい嘘という名の

昔はエイプリルフールの数日前から『さあて今年はどんな嘘をついてやろう?』『今年はみんな笑ってくれるかな?』なんてニヤニヤしながら嘘を用意していたのに、いつのまにかエイプリルフールをただの4月の始めの日として通り過ぎるようになってしまいました。

それは私が歳を重ねていろんなことにはしゃぐ体力を失ったせいなのか、それとも日常の中でさりげなく嘘を吐くことが当たり前になってしまったせいなのか、どっちなん

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essay#4  悪口とブラックジョークの狭間で

essay#4 悪口とブラックジョークの狭間で

突然ですが、ブラックジョークって言われると何が浮かびますか?

先日初めて知り合った方々が品性と知性のない言葉を延々と繰り返す人達で、
私は自分自身を結構なキャパ広女だと思ってたんですが、その自覚が揺らぐレベルでびっくらこきまして。

…あれ?私の英語の語彙より少ないな?

…あれ?この人達何十年も生きててこのワードセンスなの?

周りは誰も諭してあげなかったのか…可哀想に…

なんて思ってしまう

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小野﨑太鼓店#4  三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その4

小野﨑太鼓店#4 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その4

今回の投稿はいつもの如く無駄にクソ長い文章なのですが、どうか最後まで読んでいただきたいのです。

まず急にすみませんね、和太鼓の話をしましょう。(ほんと急ね)
ご存知の方はそう多くないでしょう。
ひとつの和太鼓を完成させるまでには小さなもので早くても3〜4年、モノによっては10年以上の時間を要します。

原木(でっかい丸太)の状態で仕入れた国産欅を切り出して、くり抜いて、太鼓胴として大体の形を整え

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essay#3 本を読むこと

子どもの頃、家のことや仕事、私以外にも妹たちの子育てで忙しかった両親とあまり話す機会はありませんでした。

その代わり、夕食をとっとと食べ終えてしまえば両親と妹たちが過ごす寝室の本棚に並ぶ本を好きに読み漁ることができたので、部活動もなかった小学生当時、私の唯一と言ってもいい楽しみは両親の蔵書を片っ端から読んでいくことだった気がします。

今でこそご縁あってガッツリ漫画というか漫画家さんに関われてい

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essay#2  天才を殺す凡人は身近なところにいる

essay#2 天才を殺す凡人は身近なところにいる

母はものすごく優秀で、娘の私が見ても綺麗だな、かわいいなって思ってしまうほど外も中も素敵な人で、我が家で唯一のA型同士である私とはわざわざ言わないし敢えて括ったりもしないけどなんとなーくA型同盟みたいなのがあって、ものすごく頭がいいのにものすごくとぼけてるところもあって、
『アレをアレしてさぁ』みたいなことを本当に言うし、初めましての顔合わせとか結構大事な会食の席でも急に『うふふふふ…あっ!ごめん

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小野﨑太鼓店#3  三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話その3

小野﨑太鼓店#3 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話その3

國學院大學の皆様のご協力のもと、【三島由紀夫の豊饒の海第二巻・奔馬に出てくるうちの太鼓は現存している】
という情報を頂戴し、この目で実際に拝もうと國學院大學さまの総務課にやってきた私ではありますが

遠目に見ても私が把握している小野﨑太鼓店の塗装とはだいぶ違っており、途端に不安になる私。

え、あれうちの長胴太鼓なんですよね…?

『確かに傳馬町小野﨑弥八の焼印が入った長胴太鼓が現存しております』

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小野﨑太鼓店#2 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その2

小野﨑太鼓店#2 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その2

ハーイこんばんは、時折クッソ長文垂れ流し女でございます!
今回は太鼓店のこと、小野﨑家の歴史(というほど大したもんでもないですが)に触れながら、公表するかどうかをものすごくものすごくものすごく悩んだ末に書き綴った内容です。

綺麗なことやってるアピール、家族仲良しごっこをSNSで頑張ってる方々が裏で不倫してるとか、
政治家を批判してる割に仲間と綺麗な表現で誤魔化しつつ実際のところ癒着していたりする

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小野﨑太鼓店#1  三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その1

小野﨑太鼓店#1 三島由紀夫作品にうちの太鼓が出てくるという話、その1

三島由紀夫という偉大な名前はずっと昔から存じ上げてて、でも自分の今のアタマではまだ読んじゃいけない気がする、畏れ多い…という気持ちでいて、高校に入学した頃『そうだ、賢くなったら是非読もう、そうしよう』と決意し、
けど多分その時が私の智力のピークで、そもそも賢い大人にならなかった私はついぞ三島由紀夫作品群を一頁もひらかずにここまで来てしまいました。
今年、私は人生2度目の高3の歳を迎えます。

戦慄

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essay#1 ハイボール

essay#1 ハイボール

ハイボールを飲む時、私がいつもこっそりしていることと、瞬間的に引きずり出される記憶があります。

それはトラウマだとか嫌な記憶ではなく、むしろとてもあたたかい記憶で、でも切ない記憶で、

『研修で半蔵門駅近くの会場まで来るから、なんか近場で安いビジネスホテルおさえといてよ、でついでに当日の夜空いてたらお前ももう大人だし一緒に飲もうよ』
という高校の恩師からの電話がきっかけで、たった一度だけお酒をご

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