やってはいけない在宅介護3選
やってはいけない在宅介護3選
こんにちはケアマネジャーの藤川です。
今日は在宅介護をテーマにしていきます。
人間関係が希薄になったり、家族関係が濃密になる
今までにない社会情勢だからこそ今一度みなさんもと一緒に考えてみたいと思いました
こんな時代ですから、施設に入りたくてもなかなか難しい場合も多かったと思います。そのため自宅で介護を続けなければならないときに、どうしても様々なトラブルが起こりがちですよね。
今日は自宅で、家族の介護をする方へ注意してほしいことをお伝えするnoteです。それぞれ項目に沿って説明をしていきますが
各項目の最後には、ではどうしたらいいのか?という事も併せてお伝えしていきます。
安心して在宅介護を続けていくために、明日から実行できる様な事も
お伝えしていけたらと思っています。
苦しい内容もありますが各項目の解決案は
できる限りポジティブにお伝えしていきますね。
介護専門職の方においても
自宅にいる家族がどの様な視点であるのかを
今一度イメージしてもらえるものになっています。
そして最後には
私の考える「いい介護」とは一体何なのか?
をお伝えしていきます
とても難しく、慎重に伝えないといけない内容ですが
一緒にみなさんも考えてみてください。
①「必要以上に過剰な介護をすることはやってはいけない」
誰もが自分を育ててくれた両親や大切な家族親戚に対しては、感謝の気持ちを持っていると思います。
介護を受ける様になり、なかなか体が動きにくい家族を見て、
今まで世話をかけたて困らせたことを頭に思い起こしたり
もっと元気なうちにいろいろしてあげたら良かったのにと感じる事もよくあります。私自身も若い時にはやらかしてまして、まぁここで言えない事もたくさんあります。
ここは私が恩返しのつもりで、できる限りお母さんを見てあげようと強く決心する。その気持ち自体はとても素晴らしい事だと思います。
しかし、そこには大きな落とし穴があります。
熱心で甲斐甲斐しい介護は時に状態を悪化させてしまいます。
要介護状態とは病気や怪我にもよりますが、多くの場合は高齢になる事で体に異変が起こる状態です。
みなさんは生活不活発病という言葉を聞いたことがありますか?
生活不活発病とは文字通り「生活が不活発になった」ことが原因となり、あらゆる体や頭の働きが低下する病気です。
まず、入院や外出自粛など「動けない」「動かない」ことによって、生活不活発病が生じます。そして、生活不活発病が起こることで、歩いたりトイレに行くと言った生活動作がさらに行いにくくなったりして「動きにくい」状態となります。「動けない」のでますます「動かなく」なり、生活不活発病はいっそう進んでいきます。
体が痛そうなので、服を着せてあげる。ボタンをつけてあげる。
お茶を組んであげる、あげるあげるあげる
などなど、してあげたい気持ちから過剰に介護することは
高齢者の生活不活発病をさらに進める結果となるためなるべくしないほうがいいでしょう。
ここまでの話を聞いて皆さんも過剰介護の怖さを理解したと思います
ではどうしたらいいのでしょうか?
それは、時間にゆとりを持って接する見守りの心が必要です。
立ち上がりトイレに行く、転倒しそうで危なっかしいから手を貸したりする。そうではなく、そばで付き添い時間をかけて行える様声かけをしていきます。
もしバランスを崩して倒れそうになっても
すぐに支えられる距離で付き添うのもいいかもしれませんね
なかなか時間のない中で難しい事もありますが、
そこについては人の介入を増やす事で可能となるかもしれません
後で詳しくお伝えしていきますね
自立支援の気持ちで自分で行える事を増やしてもらおう。
そんな気持ちで介護できたらいいですね。
②「リスクを避けるために外出をさせない事はやってはいけない」
感染症対策などで外出の自粛が求められる中でちょっと違和感のある項目になったかと思います。
昨今リスクマネジメントの視点が様々なところで議論されていますよね。
高齢者の生活の中にはリスクはつきものです。
もともと筋力低下が起こっていてバランス感覚が低下しているので、転倒の危険は高まります。若い時の様に転倒しても何事もなかったらいいのですが、体の柔軟性も損なわれているので高確率で骨折してしまうことになります。
骨折をすると、高齢者の場合完全に治ることは難しく、また長い入院生活の中でさらに筋力低下が起こります。
これが寝たきりの原因の一つとなります。たった一回の転倒が寝たきりを作り出してしまうのです。
転倒などのリスクを恐れるあまり、自宅から外に出さないという選択にたどり着く事もあるかと思います。
特に感染のリスクまであるとしたら、誰もがそう考えますよね
しかし自宅で一日中過ごす時に高齢者がどうなってしまうのか?
移動距離は最低限となります。下肢筋力はより低下していきます。
また家族以外の人と話をしないので、社会性が低下して老人性のうつ病になってしまったり長時間話をしないことにより喉の筋力が衰え、誤嚥性肺炎の危険が高まってしまったり。
自宅で閉じこもることは多くの弊害をもたらします。
高齢者介護の中でリスクと自由は相反する関係であり、自立支援を行う場合どこまでのリスクを容認していくかを家族や関係者と相談していく事も多いです。
ここまでの話を聞いてみなさんも、外出の機会を安全に取り入れていく必要があると感じましたか?
ではどうしたらいいのでしょうか?
やはり真っ先に思いつくのはデイサービスなどの通所系サービスを利用するという事です。
玄関まで送迎車が迎えに来てくれるので、外出先で転倒する危険は低下します。そして必要最低限度の介護を、見守りのもとで受けることができますし
広いフロアの施設なら移動する距離も自宅より多くなるのではないでしょうか?
体操や機能訓練、レクリエーションなど自然と体を動かす機会をつくって生活不活発病にならない様心がけてくれています。
そして多くのスタッフや利用者さんと話をすることによりうつ病予防であったり。自然と飲み込みの訓練にもなっています。
近頃、時世的に不利な通所系サービスですが、やはり素晴らし効果があることは言えると思います。
そして安全に外出の機会を取り入れるために、ヘルパーでの買物同行サービスや、訪問リハビリでの外出訓練などもあります。
どちらも安全に外出ができる様十分に気をつけて介護に当たってくれます。
家族が元気なら、一緒に散歩や車椅子を押しての外出など
こんな時代ですが、家の外に出る機会を、みなさんのサポートで適切に導入していけたらいいですよね。
③「人に相談せず抱え込むことはやってはいけない」
在宅介護は時に孤独との戦いです。
密閉空間に家族と二人きりになることから、世界に2人だけになった様な感覚になりやすいです。
特に認知症の家族を介護する人の場合、24時間、行動に予測がつかないためにそばでつきっきりになることが多く、社会と切り離されてしまういます。
なぜそんな行動をするんだと注意したり怒ってみても、相手にはなかなか届かない・・・。
特に真面目で優しい方に多いのですが
人に迷惑をかけてはいけないと感じ自分で頑張るがあまり誰にも頼ることができず空に閉じこもる。
介護にはゴールがありません、子育てのように成長見込めるのあるゴールのある努力ではありません
自分の人生を犠牲にしての介護はなかなか満足いく結果がついてこないのです。
寂しい話ですが、一生懸命さが逆に作用してしまう事もあります。
そこから、家族による虐待などに発展する事もあります。虐待現場の何割かは一生懸命で優しく真面目な家族によるものです。
特に認知症介護において家族の責任は日に日に重くなる傾向があります
どんな行動障害よりも、責任感が家族をどんどん追い込んでしまいます。
介護には心や体に一定の健康的な距離が必要だと思います。
それはまさにソーシャルディスタンス。
密接すぎると「自分がこんなにしてあげてるのに」という感情になってしまう。
家族にとっても専門職にとっても「自分がこんなにしてあげてるのに」
はとても危険な心の状態です。
ここまでの話を聞いてみなさんも、1人で抱えて介護をすることに危険があると感じましたか?
ではどうしたらいいのでしょうか?
あなたや家族にとって信頼できる相談員は近くにいますか?
また気軽に話を聞いてくれる友人や親戚に電話かけることはできますか?
こんなことを言っても無駄だなどと考えてしまう事も多いのではないかと思います。
でも私たちケアマネジャーにとって支援の緒となるアセスメントにおいては、こんなことと普段みなさんが思ってしまうくらい小さなことが必要な積み重ねとなります。
ぜひ私たち相談員や、周囲の方に相談をしてみてください。
話をしてみて初めて見直せる事もあります。他の人なら解決方法を既に経験している場合も多いのです。
在宅介護の成功には、周囲の協力をシチュエーションによって活用する力、いわば巻き込み力が必要不可欠です。人との関係が希薄になる時代だからこそより必要とされると思います。
遠慮なく様々な機関や事業所、友人や親戚を頼りましょう。
そしてみんなで解決方法を考えていきましょう。
その時にあなたの悩みは、チームの目標となります。
ぜひ多くの人に相談をして、悩みを有益な情報に昇華させていきましょうね。
きっと明るい明日が待っていると思います。
最後に「いい介護」とは一体何なのでしょうか?
とっても難しい問題です、ここはあくまで私の考えをお伝えします。
やってもらいたいことに気がついて早め早めにしてあげる
それでは状態を悪化させてしまうだけだとお伝えしました。
リスクを恐れるあまりに、自宅で閉じこもってばかりいては
心やからだに多くの弊害をもたらします
状態がどんどん変わってしまう認知症の人に
1人で責任を保とうとすると限界があります。
私の考えるいい介護とは
家族や利用者を1人の人として理解
することから始まる気がします
できていないことに目を奪われて悩むのではなく
できていることを発見して、伝え一緒に喜ぶ
在宅介護においてリスクと自由は相反する関係にあります
相手を尊重し、適度に責任から距離を取りましょう
私が考える「自立」とは
利用者も自分のフィールドを守れ
家族も自分の存在意義を確保できる状態であると思います
そんな適度な距離感を気楽に長く続けていける関係性
それこそがいい在宅介護なのではないか?と考えています
みなさんはどう考えていますか?
みなさんの明日が幸せであります様に
ながいきチャンネル藤川でした!!
動画でご覧になりたい方はこちらから
https://youtu.be/VEKPKgecqIU
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