アベノソゲキ


安倍元総理大臣が狙撃され死亡した。

手製の散弾銃での犯行であった。

銃は、織田信長の時代以前から存在する昔の技術である。
令和の時代における現代の我々にとって、自作が不可能な技術ではない。
にもかかわらず、人に対する殺傷能力が高いので問題である。
ひとたび人に向けられれば、今回のように大惨事が生じ得る。

通常の銃の場合、急所を撃ち抜かれれば、致命傷である。
急所でなくても体に3発受ければまず助からない。
体に3発受けて助かってるのは、警視庁長官狙撃事件(1995年3月30日)のコルトパイソンで狙撃された國松元長官が思い浮かぶが、一命を取り留めることは極めてまれである。

通常の銃とは違い散弾の場合には、体に命中すればより死亡する確率が高い。

人体に被弾した場合には、弾丸は皮膚を貫き、骨さえも破壊する場合がある。
骨は、射入口を頂点とする円錐状に破壊される。
安倍元総理の体の射入口を調べれば、銃身内の油などの付着痕が観察できるだろう。

また、比較的至近距離から撃たれている接射であるから、安倍元総理の衣服や体を調べれば、火薬粒が付着していると考えられる。従って、使用された火薬の特定については容易であるものと考えられる。

もっとも、今回は兇器が現場で押収され、即座に家宅捜索により武器類が押収されているので、銃についての情報と使用火薬についての情報は十分に得られるものと考えられる。

安倍元総理は、ドクターヘリで病院に搬送された。
皮膚下層に骨がある部分では、火薬の燃焼ガスが骨で跳ね返され、皮下組織中に拡がり骨と皮膚との間にドームを形成し皮膚を破裂させる。。といろいろ理屈っぽいことを言ったとしても。。。
散弾を2発も受けた安倍元総理の体を持って来られても、医師としてはかなり難しいものがあったであろう。

また、一部マスコミから警備が十分でなかったのではないかとの指摘がなされている。
かつて私は、小泉元総理や某元大臣の講演を聴いたことがある。
その時は、SPはわずか一人で、小泉元総理との距離はわずか数メートルとかなり近かったように思う。
銃があれば狙撃が容易な距離である。
小泉元総理は壇上にいた。
そのため、小泉元総理とSPや聴衆らとの高低差があるため、銃による攻撃からSPは元総理を守れなかったであろう。
以上から、マスコミの指摘はあながち的外れなものではない。

一方で、安倍元総理の演説を聴いていた一般聴衆の行動は適切であったろうか。
第一の発砲音を聞いた後、周りのオーディエンスは、自分で自分の命を守ることを考え現場から速やかな退避を検討することが重要であったように思う。
もし現場に犯人の仲間がいて巻き込まれたら大変だからである。
あの場で犯人は単独犯でさらに攻撃を仕掛けてこないとの断定をすることは難しいだろう。
あらゆる可能性を視野に入れ自分の身を守るべきである。
一般人の負傷者が生じなかったのは、不幸中の幸いである。

狙撃をした者に対し、司法は厳しい判断を下すだろう。
安倍元総理のご冥福をお祈りする。


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