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阪神部会レポート20170716

7月の阪神部会レポートです。一日の流れは以下の通りです。

・各証別講義(今回は脾虚証②)
・症例解説
・実技練習
(初級・中級・上級班分け)
・類経の輪読解説(蔵象類続き)


今回の講義では、池田政一先生の『鍼灸と漢方の症例100選』を通して、肋間神経痛の診断・治療について学びました。

症例064【肋間神経痛①】では、初めは肝虚証として治療しています。
人が動くときには体内に貯蔵している血を消耗し、それを発散することで動くことが出来ます。
つまり、肝血を燃やして胆へとエネルギーを変換し、熱を作りだすことで動けるようになります。
しかし、貯蔵されたエネルギーがあるときは良いのですが、使い果たしてしまうと不正な熱が生じてしまい肝虚陰虚熱証として色々なところに病症が生じます。

この場合は、陰虚の虚熱が胆経に波及したために肋間神経痛が生じます。
しかし、肝虚熱証では結果があまり思わしくなく、改めて身体の状態を観察したときには脈状が脾虚肝実になっていました。

つまり、このケースでは胸脇苦満から脾虚肝実証で中焦に熱が停滞しているためだと考えられます。先生も後に脾虚肝実証として治療しなおしています。

この場合、脾虚証で大陵・太白を補い、胆経も疎通が悪くなっているだけなので陽陵泉、丘墟を補います。
この際、選穴も発散、巡らせる作用のある金穴を使ってもよいと思います。


この症例から分かるように、我々が診断治療する上で病症の虚実寒熱の判断には十分に気をつける必要があります。
そのためには脈診や、腹診で判断材料を用意し、それによって正しい道筋をつけなければなりません。

このため、先達が残した治療穴をそのまま鵜呑みにしたり、以前同じ症状で治療した経験から同じように治療するのではなく、病理病症を鑑みてその状態に応じた治療をするべきです。

私自身も過去の治療例を再考して、今後の診療に生かしていきたいと思います。


以上、阪神部会レポートを終わります。



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