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木曜会レポート20170727

本日、以下のとおり勉強会を行いました。 

20:00~22:00実技練習 

22:00~23:15類経輪読 


 今回の輪読では、診断治療をおこなう上で、陰陽の法則に従って考える必要性を学びました。脈色類:診有十度診有陰陽には、『天地自然の道を借りて以て人の陰陽の和の尊きことを諭すなり』という言葉があります。 

天地自然の理には人間の身体も含まれており、心腎の上下の交流などは正にその形を現しています。では、陰陽の法則に従って基本に忠実に治療をおこなうとは、どういったことでしょう。 

我々は治療をする際に、まず病の根本である精気の虚をしっかり補ってから有余した部分を除外するべきです。とはいうものの、診断の際に検脈をすると、つい目立った有余の部分、あるいは最も虚した部分だけに目を向けてしまいがちです。 

臨床上よくみられることですが、ひととおり治療を終えたのち、脈全体がおとなしくなったことで、さも治療が成功したかのように錯覚することがあります。ですが、これは単に身体の元気がない状態の上で、余分な熱を取り去ったに過ぎないのです。

 つまり、治療をおこなう際は、自分が予想診断したときの病理状態が、補瀉をすることでその後脈にどのような変化が生じるのか。また、それによってどの程度主訴が緩和されたのか確認することが求められます。

 私自身、このような失敗例がありました。あるとき六部定位脈診で最も弱い左尺中の脈から腎虚証を導き出し、治療をおこないました。補穴は復溜です。左尺中の脈が沈んで堅かったのが、浮いてきて指に触れるようになったため、適当な陽経を瀉法し、そのまま背部置鍼に移行しました。しかし、最後に脈を確認すると元通りになっていた、という経験があります。 

このときは、最も弱く感じた左尺中ばかりに目がいってしまい、左寸口が沈んで強かったという部分を見落としていました。これは、心熱になっていた可能性があります。腎陰の補いが足りなかったため、心熱を冷ますに至らず、すぐに脈が元に戻ったと考えられます。このように、身体の状態を表す一部分だけをみて治療をおこなうのではなく、全体をみて判断をしなければなりません。 

それは、六部定位において上下左右表裏など比較し、治療する中でどのように作用を及ぼすのかを予測し、最終的には全体が平均化することを目指すということです。(全てを平らかにするという意味ではありません) 

そうすることで、患者の表面に現れる病気(主訴)、ひいてはその大元の病を治療することができると考えられます。

 私自身、今回の輪読内容で学んだことを忘れぬよう、日々の治療にあたりたいと思います。

以上、木曜会レポートを終わります。



 毎週木曜日は以下の勉強会を行っています。 

20:00〜22:00実技練習 

22:00〜23:00類経輪読

 23:00〜23:30方術説話輪読USTREAMにて輪読会Live配信しております。 

USTREAM http://www.ustream.tv/channel/chovix 

にしずか Labo http://www.nzlabo.com 

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