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20171026木曜会レポート

本日、以下のとおり勉強会をおこないました。

20:00〜22:00 実技練習
22:00〜23:15 類経輪読

今回は、五臓の平時(健康な状態)・病時・死時の脈について学びました。

平脈・・・胃の気+蔵の脈が合わさったもの。健康な脈の状態

病脈・・・胃の気が減ってきている状態

死脈・・・胃の気が現れていないような状態

前回のレポートで胃の気は生命活動の源であり、身体にとって重要な働きをすると述べました。
我々は胃の気の活動により身体の自己治癒力(恒常性機能)を維持して、病気から身を守り健康な状態を保っています。
しかし、この胃の気の活動に支障をきたすと人は病気になり、胃の気が絶した時に命が尽きるといわれています。

私は今回の実技練習で、腎虚証の治療を受けたのですが、治療中に奔豚気のような胸に衝き上がるような感覚と、寒気が起こりました。
このときの脈状は、左寸口が強く、左尺中が力無く弱い脈をしていました。
これは、陰気の引き締める力が弱ったために、陽気が上焦に衝き上がった状態です。
全体の脈状では柔らかみがなく、実・細・数といった具合です。

左尺中の腎の脈は「沈軟で滑」と表現され、沈んで硬い石のような脈に胃の気が加わって少し柔らかみのある状態が、健康な脈の状態(平腎の脈)とされます。

これが病気になると、供給される胃の気が少なくなるため、葛のつるを引っ張るように硬い脈になります。
平家の落人伝説で有名な、祖谷のかずら橋も葛類で出来ていることから、実際に触れたことのある人は想像できるのではないでしょうか。

今回の治療では、陰を補う意味で始めから深刺で治療をしていました。
しかし、押手がしっかりしていない、抜鍼後の手技が荒いなど基礎を怠ると、腎を補っているつもりが逆に虚さしめてしまいます。
本来、腎の陰気には気を下焦に留めておくこと力があります。
しかし、今回の誤治のために、下焦に気を留めておくことが出来なかったことから気が衝き上がってしまい、奔豚気が起きたと思われます。

近頃は、ハウツー本で見聞きしたことをそのまま実践したり、間違った知識をそのままにしてしまうケースが多く見受けられます。

我々が普段勉強している古典ですら書き写し間違いや、筆者が意図して書き加えたりする部分が多々あります。現在ある多数の翻訳本についてはなおさら同じことが言えます。

ようするに、それらの内容を単純に鵜呑みにしたり、それだけ読んですべて理解したつもりになってはいけないということです。

学術面では古典に基づく陰陽虚実、臓腑経絡など医学理論の理解を深め診断治療に生かしていくことを目指し、また技術の研鑽を日々おこなうことで共にしっかりと基盤をつくることが我々には求められているのではないでしょうか。

以上、木曜会レポートを終わります。

https://note.mu/projectk/n/nf05ffac010af

毎週木曜日は以下の勉強会を行っています。

20:00〜22:00実技練習
22:00〜23:15類経輪読

USTREAMにて輪読会Live配信しております。

USTREAM http://www.ustream.tv/channel/chovix
にしずか Labo http://www.nzlabo.com

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