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特別講演会 不妊カウンセラーの現場から

講師の鎌田ゆかり先生は、徳島市にある産婦人科、蕙愛レディースクリニックで事務長として事務、経理、庶務を担当しながら、不妊カウンセラーとしてメンタル面からも患者さんをサポートしています。

この講習会では、不妊治療の基本的なこと・相談・対応の心構え・クレーム対応、また、最先端の不妊治療についてもお話いただきました。
そして、我々人と接する職種には必要な、心構えや注意点、タブーなどロールプレイングを交えて分かりやすく説明していただきました。
   
午前中(10:00~12:00)は、当会員の仁木小弥香先生による西洋医学の不妊治療の実際と、その用語解説から始まりました。
現在、カップルの10組に1組は不妊症とされ、妊娠を考える年齢も上昇傾向にあります。
また、不妊の原因割合男女比はほぼ50%ずつと言われています。
その原因には、精子に対しての抗体反応や、精神薬使用によるプロラクチンの血中濃度上昇など、予期しないものや他の疾患に関連したもので不妊になり得るケースがあります。

不妊治療の方法としては、①タイミング法(排卵日を予測して性交を持つ)、②人工授精(排卵日に合わせて精子を選別、子宮に注入する)、③生殖補助医療(体外受精ー胚移植、凍結胚ー胚移植、顕微授精ー胚移植)の大きく分けて3段階があります。
夫婦やパートナーの身体の状態に合った方法で行えるので、前述したとおり近年では高齢出産をされる方も増えているようです。


午後(13:00~15:30)からは、「不妊カウンセラーの現場から」と題して講師の鎌田先生からその取り組みを拝聴しました。

現代医療は、日進月歩で常に新しい技術が生まれ、昔では諦めていたケースが不妊治療によって道が開かれることも増えています。しかし、それでも確実に上手くいく方法がないことも確かです。
鎌田先生は不妊カウンセラーとして、医師との面談時間の中で患者さんが語りきれない内容を聴き、理解しきれないことを説明する役割を担ってきました。
また、ご本人を尊重し、これが最善と思えるようになるまで寄り添い語りかけることを続けてこられました。
このように、医療面でのサポートも大事ですが、メンタル面の関わりをおこなう中で今後の治療への不安や、人に中々相談できない方々の支えが必要だと感じました。

不妊症4大原因には、①排卵因子(卵胞を毎月15日目位に大きく、はじけさせることができる力)②精子因子(精子減少、運動率低下など動きが悪く、卵管の先までたどり着けない)③授精因子(卵管の通り道が詰まっている、染色体異常など)④着床因子(子宮内膜が薄い、でこぼこしているなど)があります。

この中で、東洋医学の目線で出来ることは、①血液循環の改善(不妊治療を行う2〜3ヶ月から生活改善、血液循環を良くすることが望ましい)②子宮内膜の厚みを増すとともに温める(着床維持の目的)③男性不妊(血流改善による精子の活性化、不妊治療への取っ掛かりなど)が挙げられます。

今回この講演を聞いて、東洋医学的物差しで治療に当たるとともに、最低限の西洋医学的知見を得る必要性を感じました。また、その中で先生のおっしゃる心構えや寄り添う姿勢を改めて確認しながら、日々の診療に当たりたいと思います。

以上、4月9日特別講演会のレポートを終わります。

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