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長崎大学工学部には実験室・ETLがあります。

長崎大学工学部のユニークな実験施設の一つにETL(Electronic Teaching Laboratory)があります。安全で快適な環境が整っており、学生一人ひとりが電気回路実験のための専用計測設備が揃った個別実験ブースで実験ができます。ここではETLで実施された「電気電子工学実験Ⅱ」にお邪魔して、指導を担当する石塚洋一先生、古里友宏先生にお話を聞きました。

工学部基礎実験(Iot実験)や電気電子工学実験などで利用されるETL。個人学習でも使用可(要予約)。

”体験重視”の全工学部生のための空間

Q. 清潔で感染対策も十分なされている快適な実験室ですね。
石塚先生「2021年にオープンした新しい実験室です。最大の魅力は実験で学生一人に対して、専用計測設備が備わった個別実験ブースがあてがわれること。これまでの実験では4人程度のグループ単位で進めていたため、理解度に差が発生しがちでした。ETLでは学生がそれぞれのペースで実験を進めることができ、学生全員が確実に実験内容を理解して、技術を体に染み込ませることができます」

個別実験ブース。電気信号を観測するオシロスコープなど一式が揃っています

Q. 安全な環境と書かれていますが、どんな点が安全なのですか?
石塚先生「電気を扱う電気電子工学の実験では感電、発熱、燃焼などの危険が隣り合わせです。その点、ETLはそういった危険が及ばないように安全性を重視して設計されています。安心して”燃えない電気設計”や”壊れない電気設計”にトライしてほしいですし、その限界値を机上ではなく体で覚えてほしいと思っています」
Q.実験では多くの先生が見てくださっているのも安心ですね。
古里先生「今日の電気電子工学実験Ⅱでは3人の教員と5人の指導員がついています。実験では分厚い指導体制で応じています。理解できるまで質問してください」

実験中分からない時はマンツーマン指導を受けることができます

グループ学習に最適の会議テーブルは飲食もOK

Q. お隣のスペースも開放的ですね。
石塚先生「ETL会議テーブルですね。こちらも工学部生は自由に使えるスペースです。グループ学習やミーティングに最適です。予約はネットでできますし、飲食も許可しているので、いろんな用途に活用してください」

ETL会議テーブル。自由に配置を変えられるパーテーションがあり便利です

Q. 電気電子工学コースだけの活用に止まらないですね
石塚先生「もちろんです。長崎大学工学部は早くから工学科1学科制を取り入れています。コースに関わらず、ものづくり全般の知識・技術を身につけることが目的で、分野横断型の基礎教育を行なっていることも特徴の一つです。工学部生は全員がこのETLでIot実験を経験するんですよ」
Q. 貴重な経験、 コース連携の研究も生まれそう!
石塚先生「実際に生まれています。私の研究室での直近の事例では、構造工学コースと一緒に研究をしています。地すべりなど斜面崩壊の原因となる地下水の変化についての調査で、電気電子工学では太陽光パネルやセンサーの設置などを担当しています。ぜひ、工学部の研究も見学に来てください」

電気電子工学実験の指導メンバー。右から2番目が石塚先生、4番目が古里先生

ありがとうございました。工学部生の皆さん、ETLをご活用ください!

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