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私はコマンダンテの漫才がずっと見られると思っていた

 夢を見た。
 おしゃれな女性誌でコマンダンテの特集が組まれていて、安田さんと石井さんが、ルミネの劇場の出番の合間に移動した足跡マップが掲載されている。安田さんはアウトドアショップやメガネ屋さん、石井さんはコーヒー屋さん、劇場からかなり遠いお店にも足を伸ばしている。
 袋とじで、スーパーマラドーナ武智さんによる、コマンダンテ解散の核心に触れるインタビューが掲載されているとあるので、必死に袋とじを破き読むのだが、競馬の話ばかりで、肝心のコマンダンテについては一切書かれていない。
 テーブルの上にお菓子の箱、赤いものばかり四つ並んでいて、私がチョコレートを勧めると石井さんは、いらん、と言う。同じようなチョコをさっきもらった、それよりギャグ作ったから見て、と石井さんに言われるが、同時に誰かに話かけられ、ギャグを見ることができなかった。
 
 こんな夢を見てしまうほどに、コマンダンテの解散は、私にとって、ショックだった。
 今でも、お二人が揃った写真を見るたびに、目がじんわりと熱くなる。
 私は、コマンダンテの漫才が、ずっと見られると思っていた。
 それは、人はいつか死ぬとは分かっていても、自分自身が、明日急に死ぬことはないだろうと、なんとなく思っているような、それと同じくらいの強さで、私の中にあった。
 永遠に、コマンダンテの漫才が見られるわけではないと知っていても、それは、今日、明日の話ではないと思っていた。
 新しいコマンダンテの漫才は見られなくても、過去のコマンダンテの漫才は、面白い二人の掛け合いは、ずっと、私の中で、ずっと面白い。
 お二人は、お笑いをやめるわけではない。
 安田さんと石井さん、これからは、個々に、また新たな面白いことを、増やしていってくれる、私は、その、面白いことを見る。
 本当に、ありがとうございます。

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