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ポッピングシャワー

 今、ソファーで横になっていて、サーティーワンのポッピングシャワーみたいな模様のスライム状の物が筒から出てくるイメージが浮かび、それが繰り返されている。
 けど、こうして「サーティーワンのポッピングシャワーみたいな模様のスライム状の物が筒から出てくるイメージ」と言葉にしてしまうと、そのイメージの正確な像は消えてしまう。ぼんやりと、頭に浮かび繰り返されていたのは、決して「サーティーワンのポッピングシャワーみたいな模様のスライム状の物が筒から出て」きてはおらず、だけど誰かに伝えるとしたら一番適切な言葉、だとしても、言葉では頭に浮かんだイメージをそのまま伝えることができない。
 子どもの頃、熱が出て寝ていると、舌が太く膨張していき、部屋がずんずんと固くなったり緩んだりするイメージというかこれは体感のようなものが必ずあったのだけど、この感じも言葉では正確に伝えられない。
 で、今、ソファーに寝たまま、ここまでの文章を書き終えたわたしの頭の中には、もともとあった「サーティーワンのポッピングシャワーみたいな模様のスライム状の物が筒から出てくるイメージ」がすっかり消えてなくなり、ただ「サーティーワンのポッピングシャワーみたいな模様のスライム状の物が筒から出てくるイメージ」という、言葉から引っぱり出されたイメージしかなくなっている。


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